さて、「ほづあい研究所」の中へ入ってきました。 入口にはたくさんの作品が並んでいます。 内部は普通のおうちのような感じですが…。

「実はもともと、それぞれ仕切りのあった3軒続きだったんです。それをつなげました。 それぞれ2回もありますし、お手洗いもお風呂もお台所も3つあるんです」 おもしろいですね〜。

お部屋ごとに作業する内容もいずれは変えていきたいそうですが、 それはまだ、この先の夢。 「入口は受付になっていて、 ここで藍染めをしたいという方にいろいろな素材を提供し、 作業場でいろんなものを作ってもらうんです」 ということは、体験ができるということですね!

「そうなんです! 幼稚園の子供から80歳くらいのお年寄りまで、 いろんな方がいっぱい来られます」 と吉川さん。

目の前には 「こちらは私が染めているものなんです。ほんの一部ですけどね」 と吉川さんが言う、藍染めの作品がたくさん。

バッグにタペストリー、Tシャツ、ストール、帽子と、 ホントにいろんな作品があります。 「靴もあるんですよ。上から下まで、いろんなものを染めています」

作品はどれもこれも、目を留めてしまうものばかり。一つ一つ、吉川さんが説明してくれました。

実は最近、いろんなメーカーから依頼が来るという 「ほづあい研究所」。

中にはどうやって着るのか分からないものもあるそうですが、 着実に、藍染めの需要が増えてきている感じでしょうか。

その藍染めの作業場はというと、 屋外には大きなお風呂のような大きさの たらいのような入れ物がいくつも並んでいます。
中には布が漬けてあるものもありますね。
「これから漬け込んで、色を付けていくんですよ。 私のところは琉球藍を使っています」

と言う吉川さんですが、何より気になったのは、 「朝、私は藍の刈り取りをして来ました」というひと言。 え?京都にもあるんですか?

作業場の外にある入れ物には、藍色の泡。 藍染めの泡って初めて見ました。とっても不思議!

「そうなんですよ。昨年から京藍を復活させまして、 いま一生懸命増産をしているところです。 実は今から90年以上前は、 京都駅の南側は藍畑だったんですよ。 明治の頃は全国どこでも藍を栽培していたんです。 ところが化学染料など安い染料が増えてきて、 だんだん衰退していったんですね。 京都の藍も、大正12年頃で栽培されなくなったそうです」

手間暇かかるものよりも、便利なものに需要が集まっていった時代。 今から考えると惜しいことですね…。

ところでさきほど琉球藍とおっしゃっていましたが、 地域によって藍染めは違うのでしょうか?

「世界でもたくさん藍の種類があって、 全部違うんですよ、同じ藍でも。 例えば北海道でアイヌの方々が使っていた藍は タイセイと言ってアブラナ科なんです。 私のところはタデアイと言ってタデ科の植物。 沖縄の琉球藍ならキツネノマゴ科という 植物を使って染めているんです」

色の出方も違うんですか? 「染め方はほぼ一緒でも、色は違うでしょうねぇ。 京藍なら京浅黄というキレイな、京都らしい色が出ます。 琉球藍ですと、しっかりとした色が出てきます。 だからその場所によって色の使い分けをしたらいいと思います」 それぞれの特徴を生かした染め方ができるっていいですね。

藍染めについて吉川さんは熱く語ってくれます。 言葉の端々にうかがえるのは、藍染めへの愛。

「私のところではこれから、 京藍を頑張ってやっていきたいと思っています」 と吉川さんは言いますが、 廃れたところからどうやって復活を? 種がないと植えられないですよね…。

「たまたまなんですけどね、 スタッフと2人で徳島に行った時に、 佐藤昭人(あきひと)さんという藍染め職人さんのところで、 佐藤さんのおじいさんが昭和16年に京都で見付けた 京藍の種を持って帰って育てたものだ、と聞きました。 これを聞いたときに本当に嬉しくて、 なんとか分けてほしいとお願いし、分けていただいたんです。 昨年はその種で、160kgの沈殿藍を作りました」 昭和16年と言えば戦時中。 食べ物しか作れないという時代だったからこそ、 やぶの中でひっそり育ててきたそう。 ずっと京藍の種を探していた吉川さん、 その存在を知ったときは小躍りしたことでしょうね。

「今年も新たに京藍を作っています。 地域の皆さんと一緒になって復活させたいですね」

「せっかくお越しいただいたのですから、 今日は本上さんも藍染めを体験してみましょう」

ぜひぜひ!!


<ミニコラム> 今週の風景


作業場の外に置いてある入れ物をしげしげと眺めていてふと、気付いたこと。 「泡は藍色なのに、液体は草色!」 不思議だと思いません? 藍染めを見つけ出した人って、本当にすごいと思いました。
次回も<亀岡>の吉川慶一さんにお話を伺います。
吉川さんの指導で藍染めに挑戦する本上、うまくいくのでしょうか…

<ほづあい研究所> 藍染め作家・吉川慶一さん

30年以上藍染めに携わる吉川さん。かつて京都にあった京藍を自分の手で育て、その藍を使った染め物をしたいという夢を叶えるため亀岡に移住。保津川のほとりに長屋を借り、「ほづあい研究所」と命名、保津から藍染めブームを起こしたいと、研究を続けている。

http://ameblo.jp/tawawani/

■今回の訪問地
京都市の西の端・嵐山から山一つ越えたところにある亀岡市。 保津川下りやトロッコ列車が人気の観光地ですが、 「京の奥座敷」として、古くからさまざまな文化が育ってきた地域です。 嵐山から電車で8分、自然豊かで人穏やかなところでした。


【バックナンバー】
#023 大きな風呂に導かれやってきたのは奥座敷
#024 入り口には作品がいっぱい!中では藍染め体験も。
#025 藍染めを体験!・・・の前におさえておくべきこと。
#026 さらなる不思議体験。藍をたべる!?

【9月のプレゼント】
今月のプレゼントは、亀岡の美味しいお醤油・お味噌のセットです。 丹波地域特産の黒豆をふんだんに使用した「丹波の黒豆味噌」。 「竹岡醤油」オリジナル製法の「黒豆醤油」。
そして、お醤油のエスプーマ、減塩調味料としても最適な「京の泡」。 この3点セットを5名の方にプレゼントします。

【応募先】
●おハガキの方は、
 〒530-8304
 MBSラジオ「本上まなみ もうひとつの京都」の係まで。
●メールアドレスは、manami@mbs1179.com
●FAX番号は、06-6809-9090


なお、「丹波の黒豆味噌」「黒豆醤油」「京の泡」は、 すべて「道の駅 京丹波 味夢(あじむ)の里」で購入することができます。
※締め切りは9月25日(日)

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