さて、藍染体験も楽しく(!)終わり、 作業場へと戻ってきました。

実は吉川さん、藍染以外にも、 今回のためにご用意いただいているものがあるとか。 「今は染めるだけでなく、 藍の葉っぱをちぎってすりつぶして、 クッキーや蕎麦やパンや、藍の茶と、 いろんなものを作っています」

藍への思いが覚めやらぬ情熱へ。吉川さんの力のある言葉からは、そんなことが感じられます。

え?食べても大丈夫なんですか? 「江戸や明治時代の藍職人は 病気知らずとも言われていたんですよ。 当時はお茶が高かったものですから、 お茶の代わりに藍の葉っぱをお茶にして飲んで、 健康だったそうです。 だから私たちも、染めるだけではなくて 食べる方も飲む方もやってみてはどうかな、 と試しています」

藍染めのものを身につけていると防虫効果がある、 とは聞いたことがありますが、 食べてよし、とは初めて聞きました。

「そうでしょ。しかも抗酸化作用があるんですよ。 老化防止ですね。 だからいただいているといつまでも元気、 抗菌作用、抗炎症作用、 抗アレルギー作用などもあると聞いています」

藍という植物はすごいですねぇ。

「人と人とのつながりだけでなく、 飲食でもふれてもらって、 いろんな形で藍を通じた街づくりができたらなぁ、 と思っています」 と出していただいたのは、藍のお菓子。 目の前に、和菓子が出てきました。キレイですね〜 葛のまんじゅうのなかに緑色のものが見えています。

つるっとした、水饅頭のようなお菓子。 中心の抹茶色がとても鮮やかです。

「それが藍抹茶です。 和菓子職人の方に作っていただいたんですよ。 藍の葉っぱだけを使って抹茶ができたので、 お菓子も、と考えて。 いずれはソフトクリームに入れて 藍スクリームなんてね(笑)」

藍抹茶と聞くと、 ブルーなイメージでしたが、 抹茶の色なんですね。 「生葉をすった場合は藍色になるんですけど、 乾燥させてすったら抹茶色になるんですよ。 こっちの方が成分が全部入るので、 体にはいいんですよ」

涼やかなお菓子、いただきます! 口に入れてみると、ほのかな苦みとしっかりとした香りを感じます。 藍の餡って、おいしいですね〜。 これが販売されるようになったら きっと人気になるでしょうね。 ほろ苦さというか、独特の風味が 記憶に残る味です。

実は今日初めてこのお菓子を食べた吉川さん、おいしさにビックリ!

次にお抹茶をいただきます。 香りは少しお抹茶の香りがしますが、 スキッとする後味ですね。 「何度いただいていても、 藍抹茶はおいしいと思えますね。 元気になりそうな気がします」 と吉川さん。

藍抹茶と聞いていたので、濃い藍が出てきて、 口の中が藍色になったらどうしよう、 なんて心配していた本上。「これはおいしい」

「藍の洋服を着て、藍のお菓子を食べて、 外からも中からも元気になれば、と思います」

すっかり藍のとりこになっている吉川さん。
のびのびと夢に向かって進む吉川さんに、 亀岡という場所はピッタリなんでしょうね。
「本当に着てよかったと思っています。
不思議な縁でこの街に呼ばれるようにやってきました。
それがとてもありがたくて、 自分の体にピッタリきていると思います」

京都市内からこちらに来て、 作るものにも変化がありましたか? 「私の中では、こうしよう、 ということがなかったんです。 ただ藍が好きで、 もともと着物を作る会社で20年お世話になり、 そこで着物が染められたら、 とは思っていたんですけど。 時代の中で藍のものがいろいろ変化してきて、 それらを“やってみよう”と、 自然な流れでここまで来ました。 人が求めるものに対して、 それが藍染めでできるなら、チャレンジしていこうと」

藍抹茶をいただきながら、吉川さんの話に聞き入る本上。

藍染めをやりはじめて、より職人になっていった感じですね。 「そうですね、私は職人だと思います。 ものを作っているから作家さんだとか言われますけど、 心にあるのは自分が職人だ、という思いです」

研究所で体験したり藍染めに触れたり、 そんなたくさんの人が「次の藍染めを見たい」 という気持ちを持てば、もっともっと広がっていきそうですね。

「日曜日に藍染め教室を開催して、 いろんな方に来ていただいています。 そこでみなさんのいろいろなデザイン力、 パフォーマンスを私が勉強させてもらっています。 いろんな人が来ればいろんなことを吸収できますよね? 次の世代の人にちゃんと藍染めがつながるように、 私もまだまだ頑張らないと」

最近では、ファッションブランドからも 藍染めの依頼をもらうようになっているそうですが、 「いつか亀岡でもファッションショーができたら、 とも考えているんです。 そこにはお店で藍のお菓子が販売されている、 そんなふうになれば、私の夢はある程度完成です。 あとはそれを若い人達が魅力に感じて、 次から次へとパフォーマンスをしていただければ、 楽しみだなと思います」

吉川さんと「ほづあい研究所」の作業場にて。 この場所から、この先も新たなデザインや夢が生まれてくる、そんな気がしました。

亀岡と言えば保津川下り、 おいしい牛肉に農産物といろいろなものがありますけど、 ここでさらに藍染めが出てきて、 亀岡の魅力が増してきますね。

「“あい”が育つ保津町、“あい”があふれる亀岡を、 “あい”が育む街にしたい、 というのが私のキャッチフレーズなんです。 どこまで頑張れるか分かりませんが、 少しでも藍が広まれば、 京都だけではなく、 日本中いろんなところで藍を染めている人たちとの つながりもうまれます。 日本だけではなく、藍を世界の色にしていきたいんです」

現代の世の中には新しいものや ハイテクなものがたくさんありますが、 それらとは別の、昔からある伝統的な染め物が また見直されてきているというのが、 吉川さんの話からも伝わってきます。 藍染めには着て、洗ってを繰り返すことで分かる 染めのよさがあります。 変化を楽しめるものなんですね。
「藍で染めると繊維が強くなるということもあります。
服の子、孫ということも考えていきたいですね。
色あせた服を新たに染め直して着ていくとか」

確かに!
お気に入りの服が色あせてきたからこちらで染め直す、 というのも楽しそうですね〜。


<ミニコラム> 今週の風景


天日干ししている布のまえで話をしていたら、 ブ〜ンとやってきて、アブラゼミが布に止まりました。 生き物の世界ではこの布も自然の一部、なんですね。

<ほづあい研究所> 藍染め作家・吉川慶一さん

30年以上藍染めに携わる吉川さん。かつて京都にあった京藍を自分の手で育て、その藍を使った染め物をしたいという夢を叶えるため亀岡に移住。保津川のほとりに長屋を借り、「ほづあい研究所」と命名、保津から藍染めブームを起こしたいと、研究を続けている。

http://ameblo.jp/tawawani/

■今回の訪問地
京都市の西の端・嵐山から山一つ越えたところにある亀岡市。 保津川下りやトロッコ列車が人気の観光地ですが、 「京の奥座敷」として、古くからさまざまな文化が育ってきた地域です。 嵐山から電車で8分、自然豊かで人穏やかなところでした。


【バックナンバー】
#023 大きな風呂に導かれやってきたのは奥座敷
#024 入り口には作品がいっぱい!中では藍染め体験も。
#025 藍染めを体験!・・・の前におさえておくべきこと。
#026 さらなる不思議体験。藍をたべる!?

【9月のプレゼント】
今月のプレゼントは、亀岡の美味しいお醤油・お味噌のセットです。 丹波地域特産の黒豆をふんだんに使用した「丹波の黒豆味噌」。 「竹岡醤油」オリジナル製法の「黒豆醤油」。
そして、お醤油のエスプーマ、減塩調味料としても最適な「京の泡」。 この3点セットを5名の方にプレゼントします。

【応募先】
●おハガキの方は、
 〒530-8304
 MBSラジオ「本上まなみ もうひとつの京都」の係まで。
●メールアドレスは、manami@mbs1179.com
●FAX番号は、06-6809-9090


なお、「丹波の黒豆味噌」「黒豆醤油」「京の泡」は、 すべて「道の駅 京丹波 味夢(あじむ)の里」で購入することができます。
※締め切りは9月25日(日)

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