松本さんに促され、倉庫の奥へ。 倉庫の中は広々として天井も高く、本当に気持ちがいい場所。 その一角に作品が並べられています。

まず目に付いたのは「かわいいキノコ!」

ホントに公園とか野山に生えていそうな形の、 高さが4センチくらいのガラスのキノコ。 手に持ってみると、さらにかわいいんです。 その隣には、小さい、まん丸なおまんじゅうのような形のものがあります。

「それは一輪挿しになります。 お散歩の間に摘んできた草花をちょっと飾ってもらいたいな、 と思って作っています」 と松本さん。

確かに涼しげでかわいいですねぇ。

小さな作品を手にとらせていただきました。見れば見るほどかわいくて、 ガラスがとても表現豊かな素材だと気付かされました。

その先にあったもの、これはペーパーウェイト? 気泡がたくさん入っていますけど、 ガラスの中に泡を作って、涼しげな表現をした作品とのこと。 どれもこれも、おもしろいですね〜。 気泡が入ることによっていろんな表情が出てきます。

本上が目に付いた作品を手に取るたびに、 丁寧に説明してくれる松本さん。勉強になります。

ペンダント、ピアス、ピン止めといったアクセサリーもありました。 実はこれ、奥様が作られたもの。 この工房は、松本さんと奥さんの作品づくりの場でもあるんです。 アクセサリー、女性に人気だそうですよ。

ほかにもお香立てとか、奥には大きな作品も並んでいます。 ガラスのボウルとか、 これで採れたて野菜のサラダとか盛り付けたら、おいしそう。

松本さんの作品づくりでは、 食べるときに食卓の上で使うものを作る際、 イメージを考えてから作られるのでしょうか?

「最初はイメージですね。 色や形、こんな風なものを持って食べてもらいたいな、 なんて考えながら。でも作っている中には、 そのときの空気感でできてくるものもありますね(笑)」

単色で色の表情が変わるガラスを使ったマーブル模様の作品もあります。 完全に透明でないというか、独特の色に惹かれました。 ちょっと陶器のようにも見えるこちらの作品、 実は「本来の作品としての僕のウリはこっちなんです」 と松本さん。 作りながら作品のイメージを定めていくこともあると いう松本さんですが、その作品の中には、 なんだか歩き出しそうな、ユニークな花器も。

「花器が歩いたらおもしろいだろうな、と考えて生まれたものです(笑) 実生活の中で楽しんで使ってもらいたい、そんな思い出作っています」

ガラスのアクセサリーなんて珍しいですよね。 光の当たり方で表情を変えるアクセサリー、とてもほしくなってしまいました(笑)

一つ一つ見ていくと時間が間違いなく足りないのですが、 分かったのは、ガラスの作品というのは ただ吹けばいいのではなく、それぞれに工夫がされているということ。 奥が深い!

ところで松本さん、 どういった経緯でガラス職人の道にはいられたのでしょう?

「もともと高校を卒業して別の仕事に就いていたんですけど、 研修で小樽に行ったときに生まれて初めて吹きガラスの仕事を見ました。 昔から雑貨が好きで、特にキラキラしたガラスが好きだったんです。 吹きガラスって人がやっているんだ、というのを見て、 自分でもできるんじゃないかと思って、 大阪のガラスの専門学校に行き、 ガラスって楽しいなと、思ったんです。 父親が塗装の仕事をしていることもあったのか、 人が世の中のもの作っていると考えると、 自分でも頑張ったらなんとかガラスができるんじゃないか、 とやりはじめました」

ガラス職人になるまでのいきさつを話してくれた松本さん。 そのときの気持ちを話す松本さんは、なんだかとても楽しそうでした。

さらりと話してくれましたが、そういえば 学校に行っている間、仕事は?

「いや、仕事を辞めて」

家族はなにを考えているんだこいつは、 と思っていたのでは、と松本さん。 でも、反対はなかったそうです。 この大転換、お父さんがもの作りをされているということが、 小さいころからなにかしら影響はあったんでしょうか?

「ありますね。ものを作るということに関しては 父親がいつも協力的だったので、それで理解もあって、 反対もされなかったのではないかと思います」

学校ではグラスデザインの中の、 吹きガラスを一つの素材として扱っていたそうですが、 先生が厳しくて、わからないことは聞いてこい、というスタンスだったのが さらに興味心に火を付け、興味がどんどん出てきた松本さんでした。

先ほどギャラリーで見せていただいた、気泡入りのグラス。 小さくてかわいい、キラキラしたものを作るのも、 松本さんが昔から雑貨好きだから、なのでしょうね。

その後は箱根と伊豆の工房に勤めたそうですが、 しかし観光地の工房はいつもお客さんがたくさん。 ガラスを好きになってくれる人はいっぱいいていいと思うんですけど、 一方で次から次に、となりますよね? 多いときは一日に一人で40人ほど見ていたそうです。

そして、独立。

「自分でもできるんじゃないか」を 実現させた松本さん、すごいパワーだと思いませんか? そんなことを考えていたら、

「せっかくなので、本上さんにも今日は オリジナルのガラス作品を 作ってもらえればと思いますが、いかがでしょう?」 と松本さん。

ぜひっ!

来週も引き続き、<亀岡>でガラス工房を運営する 松本大督さんにお話を伺います。
次回はいよいよ本上が、ガラス吹きに挑戦します。お楽しみに!


<ミニコラム> 今週の風景


天井が高い工房内で話を伺いながら、ふと上げた倉庫の片隅。 ガラスでできた、とってもかわいいランプシェードがありました。 たった一つの作品でも、空間の雰囲気を ガラリと変えてくれるものなのですね。

<Glass Studio Calore> 吹きガラス職人 松本大督

愛宕山のふもとで「Glass Studio Calore(グラススタジオ カローレ)を運営する吹きガラス職人の松本大督さん。奥さんの純子さんと共に創作活動の傍ら、ガラスぐくり体験もされています。
http://calore614.wixsite.com/glass-studio-calore

■今回の訪問地

実り豊かな地で知られる京都府亀岡市。 ここは最近、さまざまなアーティストが活動していることでも、 密かに人気を集め始めているそうです。 中心部から少し離れただけで、 多彩なジャンルのアーティストに出会えます。

【バックナンバー】
#027 静かな山麓の集落に大きな工房が!?
#028 一つ一つに表情がある、ガラスのおもしろさ。
#029 ガラスの器づくりは少しずつ、少しずつ。
#030 いろいろ作る松本さん。今作っているものは・・・

【10月のプレゼント】
今月のプレゼントは、番組でご紹介した 「Glass Stadio Calore」のガラス作品のセットです。 こちらのセットを1名の方にプレゼント。
さらに、福島鰹(株)の「京都仕込み 京さわらの旨味だし」 2個セットを5名の方にプレゼントします。
※「京都仕込み 京さわらの旨味だし」は、ジェイアール京都伊勢丹、舞鶴とれとれセンター、道の駅丹後王国「食のみやこ」で購入することができます。

【応募先】
●おハガキの方は、
 〒530-8304
 MBSラジオ「本上まなみ もうひとつの京都」の係まで。
●メールアドレスは、manami@mbs1179.com
●FAX番号は、06-6809-9090




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