今度は、集落の方へ向かって歩きます。
水路に小さな花が咲いていました。

「ちょっといいですか」 と立ち止まる児玉さん。小さな花はミゾソバでした。

「これは可憐そうに見えて、実は丈夫な草なんです。 水で流されそうになっていますが、流されたとしても、 地下でしっかり根っこが張っていて。 地下の根っこで、閉鎖花といって地味な花を付けていて、 種を作っているんです。だから花が流されても大丈夫。 見るとすごくかわいい花でしょ」


ちょっと遠くから見るとレンゲみたいな花ですね〜。 「秋にはこのあたりがミゾソバだらけになります」

「そこに見えるのが、葉っぱが牛のように見えるから ウシノヒタイという別名を持っている草です」
ちょっと朝顔っぽいけど、ホント動物の顔みたいですね。 小さな発見は、まだまだ続きます。 ため池の横を通り、 先ほどは遠くから見ていた山の裾を歩いて集落の中へ。

「火の神様の神社があって、村の皆さんは4月に必ずお参りに行く、 という風習があるんですよ。 このへんは家が木造だったので、 火事になっては大変だ、ということでしょうか。 この神社は上の方にあるんですけど、ニリンソウがキレイなんですよ。 ニリンソウとかイチリンソウとか、 春の妖精といわれる花が、里山にはいっぱいあるんです」

里山には、風習も自然も、 季節の訪れを知らせてくれるものがたくさんあります。

途中で桜が咲いていました。10月桜でしょうか? 柿の実と桜が一緒にあるおもしろさ。これも里山の発見です。

ここまで歩いてきたのは鍛冶屋地区で、 散策の終盤は小畑地区を歩きます。

「小畑地区は山を歩けるように、 ミニトレッキングコースを地元の方が整備しているんです。 春になったらミツバツツジという、 すごくキレイなピンク一色になるんですよ」 そう言う児玉さんに、写真をみせてもらいました。

「尾根から降りてくるところとかが トンネルのようになっているんです。 地元の方がそこを歩いてもらえるように整備して、 里山ネットさんがツアーも開催しています」 これはでかけてみたいですね〜。

「先に見えるとんがった山が弥仙山(みせんさん)といって、 富士山のように見えると言われ、上に神社があって登ることができます。 横にあるのが蓮ヶ峰(はちがみね)という山です。 あそこまでが綾部なんですよ」 そう言って見る綾部の遠景。本当に広いんですね〜

「さっきコウノトリの写真をお見せしたんですけど、 実はここはコウノトリが頻繁に訪れる場所なんです」 田んぼの前で立ち止まった児玉さんが、そう教えてくれました。 目の前の田んぼに、コウノトリが飛来するそうです。
「コウノトリがなぜかこの場所を気に入って。 同じ個体ではないんですけど、 ここの田んぼにいたコウノトリは、 5月から8月まで長期滞在していたんです。 コウノトリウォッチャーがいたりもしました。 コウノトリは大きいので、たくさん食べるんです。カエルとか。 この場所にそれだけのものがあったからいたのかなぁ、と思うんです。 それだけ豊かな場所なんですね」
豊岡から飛来したコウノトリが里で過ごす。 ステキですね。
「豊岡のように居着いてくれたらいいんですけど、 そのためには一丸となって動かないと。 田んぼの常に水を張っておくとか、地元の方の協力も不可欠ですね」

里の風景を眺めながら、しばらく立ち話。 どれだけいても、飽きない場所でした。
来週も引き続き<綾部>でネイチャーガイドをする児玉 裕美さんにお話を伺います。 児玉さんが思う、これからの綾部とは? お楽しみに!

<ミニコラム> 今週の風景


集落を歩き始めてすぐ、水路脇で見付けたミゾソバ。 本当に美しくて、小さくても力強くて。 里山の生命力を表しているかのようでした。

児玉 裕美(こだま ひろみ)さん

上宮津・杉山ガイド部会ネイチャーガイド。結婚を機に綾部市で暮らすようになり、毎日の生活の中で鳥や花などに触れるうちに、ネイチャーガイドに興味を持つ。植物や鳥に特に詳しい。


■今回の訪問地

京都府の北西部に位置する綾部市。由良川が街の中心を流れるのどかな地域のさらに北西部に豊里西地区があります。美しく澄んだ空や里山の原風景、コウノトリガ飛来する豊かな自然に心が洗われる気がする場所です。

京都トピックス
【京都丹波夢ナリエ】
明智光秀公ゆかりの谷性寺門前を舞台に、「京都丹波夢ナリエ」が開催中です。 地元食材を使用した豚汁やぜんざいなどの販売もあります。
【開催日時】
〜12月25日(日)まで 午後6時30分〜9時30分
【開催場所】
谷性寺門前(亀岡市) 【お問い合わせ先】
JR亀岡駅観光案内所
0771-22-0691(午前9時〜午後5時30分)
【入場料】
中学生以上500円

【バックナンバー】
#036 柔らかな陽射しの中、ワクワクする里山散策へ
#037 季節の野花に触れて里の豊かさを感じていく。
#038 自然と人の暮らしが同居する集落を歩いて行く。
#039 綾部の自然を愛する児玉さんの思い
【12月のプレゼント】

今月は、「京都 綾部産の玉露と煎茶のセット」を5人の方にプレゼント。

甘みが強く、何度も飲んだ後は茶ガラを食べることもできる玉露と、さっぱりしていて、どんな場面でも飲みやすい煎茶のセットです。
【応募先】
●おハガキの方は、
 〒530-8304
 MBSラジオ「本上まなみ もうひとつの京都」の係まで。
●メールアドレスは、manami@mbs1179.com
●FAX番号は、06-6809-9090



【YOU TUBE】