京北にやって来ました。大阪市の梅田からは1時間半ほど、 京都市内からも1時間ほどの場所なのですが、 あたりはのんびりのどかな風景が広がっています。 こちらの大きなおうちに、和田さんを訪ねてやってきました。 看板がおうちの前に出ていますが、ケーキ屋さんのような雰囲気です。

「そうなんです。よく住民の方に間違われて、 『ケーキ売っていますか』とよく聞かれます」 というのは、この家の主人、造形作家の和田紗夕里さん。

もちろんケーキを売っているわけではなく、 ここは「泡糖(カルメラ)工房」という和田さんのアトリエです


確かに外からはここがアトリエだとはわかりませんね(笑)

神戸で生まれ、大学入学を機に京都へ来たという和田さん。 「大学卒業後にアトリエをずっと探していて、 大きなアートが出せるとか、広い場所がある物件を探していて、 ずっとアトリエ難民になっていたんですね。 難民を経てやっと辿り着いた物件です」

3年前にこのアトリエを手に入れ、「泡糖工房」と名付けました。

「芸大時代に染色を専攻していて、 着物関係の会社にアルバイトをしていたんです。 その時に着物のデザインもさせてもらっていたんですが、 お菓子のテキスタイルもさせていただいて。 そのときのことを考えて、和洋折衷の意味も込めて、 『泡糖工房』という当て字をあてました」

この工房ではどんな作品が生み出されているのでしょう? 気になりますね〜。 というわけで、さっそく中へ入れていただきました。

古くて太い梁がとても立派なおうち。 「実は築100年以上で、 本上さんが今いる足元には囲炉裏もあったり、 現役のかまどもあるんですよ」

古い建物ですが、 和田さんのセンスがうまくMIXされた不思議な空間。 洋風なものとか、いろんなものが周りに置いてあります。 と、本上が気になったのはカバン。

たくさんのものが絶妙なバランスで並んでいます。

「これはミラノ万博のジャパン・アート・ テイスティング・エキスポという、 日本の作家が出る芸術展に出展されたものです。 ロールケーキになっているんですよ」

すごい! かなり個性的!!

「持ち手がフォークで、これも作りました」 と和田さんがバッグを見せてくれました。 いろんな素材が使われていて、そのバランスもおもしろい! 北山杉にビーズにレース…、これ全部 和田さんが作られたのでしょうか?

「はい。作りました。染色を卒業しているので、 レースはすべて自分で染めているんですよ、草木染めで。 茶色は泥染めだったり、ピンクが茜、黄色がよもぎだったり、 季節によってよもぎは取れないので、 びわの葉っぱを使ったりしています」

実に手の込んだ、本当に1点ものですね〜。

ほかにも試作品段階のトランク、 スイッチが付いてナイトライトになるイチゴケーキ…。 イチゴのケーキにもいろんな素材がMIXされていて、 しみじみと見入ってしまいます。

「MIX素材というと、こちらもそうです。 これは真鍮と、木は北山杉で、 全体が板チョコになっているお財布です。 本体も中のクリームも手作りをしています。

こちらはチョコのお財布。肩から提げられます。

おもしろいし、なんとも言えないかわいさがあります。 しかもポーチみたいな、ポシェットみたいな、 不思議な存在感。 本当に全部お菓子をテーマにして作られているんですね。 小物だけでなくトランクもあって。 トランクも持ち手がフォークになっています。

「小さな頃から、このようなデザインのものが欲しくて」 と和田さん。
なるほど。探してもないなら、作っちゃえ、ということなんですね。 それにしてもすごいなぁ。作っちゃえるのがすごい!

とにかく関心しっぱなしの本上に 「あとはこれがいいかな」 と、和田さんが次の作品を見せてくれました。

パンケーキ!?

「わかりますか! パンケーキなんですけど、 中がメイクポーチになっていて、 フタが開いて、外したピアスなどを ここに収納できるようにしています。 ギフト用に選んで下さるお客様が多く、 『贈ったら驚かれた』と言われるんですよ」

確かに驚くと思います(笑)。 ふわふわ感だけでなく色合い、グラデーションも パンケーキの雰囲気がバッチリ出ています。 このグラデーションも和田さんがご自身で染めているそうです。
さらに
「これが1番リアルと言われるんですが…」 と和田さんが見せてくれたのは、パイ??

まるで本物そっくりのアップルパイのような…

「わかりますか。これはアップルパイです」 こちらも生地から染めた作品。 本物っぽいのにファスナーがついていて、 なんだか楽しくなってきます。
細やかな手作業が、パイの層が…こんなに再現されているなんて! 見事としか言いようがないですね。

来週も引き続き、京北「泡糖工房」を構える和田さんに話を伺います。
不思議な世界はまだまだ続きますよ〜。お楽しみに!

<ミニコラム> 今週の風景


招いていただいたアトリエにはこたつがあって、 その横には薪ストーブ。これも和田さんが自分で煉瓦を積み、 設置したそうです。「これ!」と思ったら自分でやってしまう、 和田さんのバイタリティを感じられたシーンでした。

造形作家 和田紗夕里さん

芸術大学を卒業後、創作活動のために京北へ。築100年以上の古民家を改装し、「泡糖(カルメラ)工房」を開く。北山杉や京北の鹿革、草木染めの布といった京北の素材を使い、お菓子の形の家具や雑貨を製作している。2015年にイタリア・ミラノで開催されたミラノ万博の日本館「ジャパン・アート・テイスティング・エキスポ」にも作品を出品。夢はセルフビルドでお菓子の家を建てること。


■今回の訪問地

京都市右京区の最北に位置する京北地域。その中心部・周山町は、上桂川の支流である弓削川が流れ、120年あまり続く酒蔵があるなど、静かな街並みが広がっています。近くには周山城跡もあり、歴史と文化が息づく町です。

京都トピックス
【美山 雪まつり】
雪像コンテストや、雪の滑り台、美山の新鮮素材の出店など・・・ 冬の美山を遊んで・作って・食べて、楽しむことのできる 「美山 雪まつり」で冬を満喫しませんか?
【開催日時】
2月11日(日)
【開催場所】
美山町自然文化村(南丹市)
【お問い合わせ先】
美山町自然文化村 0771-77-0014

【バックナンバー】
#048 2月26日 これからの京北、和田さんの思い
#047 2月19日 造りたいものがいろいろありすぎて・・・
#046 2月12日 女子が誰しも夢見たお菓子の家が!?
#045 2月5日 不思議の国に迷い込んだような・・・

【2月のプレゼント】

今月は、「鈴木工芸 山匠のコーヒーカップとスプーンのペアセット」を 1人の方にプレゼント。

京都、美山でオリジナルの銘木家具を製作する鈴木工芸のオリジナル木製食器。 強靭で耐朽性にも優れているケヤキを荒彫りした後、4~5年置いて、 仕上げられた匠の逸品は飲み口がカーブしており、 やわらかい口当たりが特徴です。
締め切りは、2月26日です。

【応募先】
●おハガキの方は、
 〒530-8304
 MBSラジオ「本上まなみ もうひとつの京都」の係まで。
●メールアドレスは、manami@mbs1179.com
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