宇治にやってきました。
大阪市の梅田から1時間、京都市から50分ほどなのですが、 のどかな住宅街の中、いかにも京都という素敵な建物が見えています。

白壁と大きな門の前で迎えてくれたのは、 今回お話を聞かせていただく辻利兵衛本店の六代目・辻 伸介さん。
こちらは築100年の茶倉と茶工場だったところを改装し、 茶寮として多くの人に宇治のお茶の素晴らしさを広めています。


柔らかな物腰で迎えてくれた辻 伸介さん。

門の先には広いお庭。そのアプローチを通ってお店に入ると、 まず物販エリアがありました。 創業当時の書物や明治時代の写真など、資料がたくさんあります。

茶の選別をしている女性、茶を蒸し上げている男性など、 宇治茶の歴史がビジュアルで垣間見られ、勉強になりますね〜。 茶櫃が並んでいる写真の前に来ました。

「茶櫃は元々、木箱の内側にブリキを貼ったものでした、 それを考案したのが創業者の辻利兵衛で、 これをきっかけに全国に宇治茶が行き渡り始めたんですよ。
昔の茶櫃は、今の茶櫃よりも大きかったんです」 辻利兵衛本店は茶問屋なので、今も全国各地へ お茶を納めています。

写真の一つ一つに見入る本上。辻さんがそれぞれのシーンや背景を丁寧に説明してくれました。

写真が展示されている反対側には、たくさんのスイーツ♪
「同じお茶を使っているのではなく、 生地に石臼で挽く前のてん茶を練り込んで ビターな味わいにしたものなど、 商品によって抹茶の味を全部変えています。 お茶屋ならではの味です。

パッケージにもこだわっていて、 見ているだけでワクワクしてきますね〜。

お店に入りまず足を止めるのがこの場所。辻利兵衛本店の昔と今が、写真とお菓子で目の前に広がります。

さて、辻さんに案内されて、ステキなお部屋に入りました。

「空間をあまりいじめないように部屋をつくっています。 お茶というのは茶葉も抹茶も、 空間ごとに味も変わってしまいます。 ですから空間を大切にした茶寮にしているんですよ」

建物へのこだわりだけでなく、 例えばメニューブックも江戸後期の着物の柄で作るなど、 この空間にあるすべてが、お茶を楽しむために必要なもの。 ちなみにメニューブックにも、茶園の写真が載っています。 ひと際色鮮やかに目に飛び込んできたのは、 やはり抹茶の写真でした。

「抹茶にも何百という種類があり、うちは問屋ですので、 それらも扱っています。
本店茶寮で提供させていただいているお茶は、 あんまり市場に出回らないものが多いんですよ。 みなさんに好まれる味だけを提供しているのではなく、 ここではこんなお茶があるんだよ、と知っていただきたくて。 どれも宇治であれば知っていただきたい味なので、 そこを味わっていただければ本望です」

メニューブックを見ながら、ここでも辻さんが一つずつ説明してくれました。スイーツのメニューも豊富です。

碾茶もあります。 キレイな色に見とれていると、 辻さんが碾茶の茶葉を出してくれました。 茎などが取り除かれた、茶葉だけのもの。

「これは昨年取れた茶園の茶葉です。 品評会のお茶なので、関西で1番のもの。 年間で約4キロもできないんですよ」

年間で4キロもできない!? とても貴重な品。フワッと香りがします。

「ワラ科の香りなんです。 素晴らしい香りなので、香りだけでも嗅いでいただければ」

お皿の上に盛られた茶葉の香りを楽しましてもらいました。 碾茶って、なかなか一般的には見られるものはありませんね。 よく茶葉を見ると、煎茶と違っ碾茶は葉っぱが平たい。

「そうですね、蒸したあと、揉まずに乾燥させるんです。 そしたら葉が軽くなるので、その状態のものを石臼で挽きます」

3種類の茶葉を見せていただきました。それぞれに質感、香りが異なるところに、お茶の奥深さを感じられます。

こういうものを実際目にできるというのは…
「贅沢ですよね。 京都ってよくお茶の産地やお茶の都やって言われますが、 静岡みたいに見渡す限り茶園が広がっているわけではないので、 どこにお茶園があるのって、よく言われるんです。 ちょっと奥まったところにあるところも京都らしいんですけど」
確かに、奥ゆかしいですよね〜。

次週も引き続き、宇治の茶問屋、辻利兵衛本店の辻 伸介さんに話を伺います。辻さんが語る本店の歴史、そしてお待ちかねのスイーツ…。お楽しみに!

<ミニコラム> 今週の風景



お店の右側にちょこんとあるお地蔵さんの祠。見逃してしまいそうですが、よ〜くのぞいてみると、ここのお地蔵さん、石に描かれているんです! カラフルで、そしてすやすや眠る子供のよう。これを見ちゃうと、ちょっと宇治の町を歩いてみたくなります。

茶商・辻利兵衛本店六代目・辻 伸介さん

1860年(蔓延元)に茶問屋として創業し、初代が苦心して改良に成功した玉露、明治時代の茶櫃の考案など、宇治茶の代名詞としても知られる辻利兵衛。伸介さんの代になり、2015年には茶工場の一部を改装し、茶寮をオープン。宇治茶の歴史を感じられる建物と共に、本物の宇治茶を世界へ広めたいと、さまざまなメニューも提供している。

辻利兵衛本店 http://www.tsujirihei.co.jp/


■今回の訪問地

京都府南部にある宇治市は、世界遺産の平等院をはじめ、源氏物語の舞台やお茶の町として知られている。市の中心部を流れる宇治川周辺には、歴史散策スポットやお茶に関する施設が点在、訪ね歩くのが楽しい。

京都トピックス
『お茶の京都博オープニングイベント さくら茶会』
木津川上流の里「笠置」は、日本さくら名所100選にも選ばれており、 JR笠置駅を中心におよそ3,000本の桜が咲きます。
夜にはキャンプ場の桜のライトアップも。

「笠置さくらまつり」では、桜が舞い散るもとで、模擬店や観光大使のキャラクター笠やんとの写真撮影などのイベントをお楽しみいただけます。

【開催日時】
4月9日(日)10時〜
【開催場所】
笠置キャンプ場(笠置町)
【問い合わせ】
笠置町企画観光課 0743―95―2301(代表)

【バックナンバー】
#056 宇治に触れることでお茶に生活を取り入れる。
#055 石臼で抹茶を挽きそれをいただいてみる。
#054 辻利兵衛本店の歴史の先に「やぼかっこいい」が。
#053 歴史ある茶問屋の建物で奥深い茶の世界に触れる。

【4月のプレゼント】

今月は、番組でもご紹介している「辻利兵衛本店 お茶とお菓子のセット」を2人の方にプレゼント。

今月は、番組でもご紹介している 「辻利兵衛本店 お茶とお菓子のセット」を2人の方にプレゼント。

お茶は、香豊かな「宇治玉露」の茶葉を、 お菓子は、3種の味が楽しめる「お濃いくちラングドシャ」をご用意しました。
お茶に囲まれたティータイムを過ごしてみませんか?

なお、こちらのお菓子は「辻利兵衛本店」でも購入できます。

締め切りは、4月30日です。

【応募先】
●おハガキの方は、
 〒530-8304
 MBSラジオ「本上まなみ もうひとつの京都」の係まで。
●メールアドレスは、manami@mbs1179.com
●FAX番号は、06-6809-9090



【YOU TUBE】