すごく楽しかった草木染め体験を終え、 教室に戻り、松本さんにご自身のブランド 「from GARDEN botanical colors」のことを聞いてみました。

「自分で染めた糸を使ってニットを作ったりストールを染めたりして、 だいたいいつも9月から11月くらいの秋の時期に ギャラリーで展示会をしたり、 うめだ阪急さんなどの百貨店さんで 一週間限定のイベントで販売会をしたりしています」

ギャラリーや展示会場に松本さんもいるようにして、 お客さんと話すことも多いとか。 「海外のお客様も多くて、植物の色に驚かれたりなどしています」

そうですよね、草花からこの色彩が!と、 きっとなると思います。

ちなみに教室に来る生徒さんたちは、 井手町という場所に、どんなことを思っているのでしょう?

「はじめ来られる方は山の中のイメージを お持ちなんですけれども、 来てみたら近かった、とおっしゃっています。 季節ごとに車窓から見える風景、 田植えが始まったりとか、 秋だったら稲穂が実ったり紅葉が始まったり、 四季折々の風景がキレイだから 小旅行のような気分で通ってきています、と言う人もいて、 井手町でやっていることのいいことのひとつかなぁ、と 思っています」


松本さんのブランド「from GARDEN botanical colors」のニット。自然由来の深い色合いは、ずっと大切にしたい一着。

小旅行気分、確かにそうですよね。 そして、草花の収穫も、遠足のような。 そんな印象を生徒さんが持ってくれている井手町ですが、 松本さん自身はどういった町だと思っているのでしょう?

「すごく自然が多いところは、 草木染めをするに当たって大事なことですし、 豊かな自然はこれからも残っていってほしいなぁと思います。 私自身としては、草木染めを通して井手町を知ってもらったり、 井手町の自然の魅力を知ってもらえる、 そういう存在になれたらなあと思います。 だから井手町で頑張っていきたいと思いますね。 草木染めと言えば井手町、となればいいですね。 水が綺麗なところ、自然が身の回りにいっぱいあるところは 草木染めで重要なことなので、 それを私たちが草木染めを通して発信し、 全国的にも草木染めを習えるところは少ないので、 草木染めの活動を通して 井手町に来る人が増えればと思います」

では松本さんはこれからも井手町で?

「そうですね。拠点としてはもう少し畑があって、 草木染めで使う植物を育てたり、 染めるだけではなくて 植物の採取から体験してもらえる施設を 作ることが私たちの最終目標なんです。 なので、もう少し畑とか、木が植えられる広い場所を見付けて、 拠点を作っていきたいというのを、母と兄とも話しています。 だからそれに向かって頑張っているところです」

ワークショップなどができるようになると、 もっともっと草木染めを多くの人が 知ってくれるようになるでしょうね〜。

「名前も知られていないようなところ でやっているんですけれども、 それでも長野県や福井県からも 生徒さんが通ってきてくださるので、 私たちも草木染めで多くの人がここにきてくれるように、 成長していきたいと思います」

草木染めに触れた人たちの感想を、いろいろ教えてくれました。

現代の日本って都市部に人口が集中していて そこに仕事がたくさんあって、人もたくさん住んでいて、 いろんな経済活動が豊に行われています。 それはそれで都会の魅力があると思うんですけれど、 草木染めの分野で言ったら、自然豊かな場所が宝の山、 ということになりますね。
「生徒さんもよくおっしゃるんですけど、 草木染めを始めて植物を見る目が変わったと。 道端を歩いていて、気にもしなかった植物に目が行って、 あれはどんな色に染まるのかな、とか、 庭木を剪定している人を見ると、あれいただきたいな、と。 私自身も一時期は東京に住んでいたので、 都会の生活も楽しかったんですけれども、 草木染めをやる上では、 宝の山で豊かさを感じられるのが、 井手町ならではだと思います」

染め場の脇に、収穫してきた植物がたくさん置いてありました。先に綿毛が付いているのがメリケンカルカヤ。

きっと草木染めの持つ環境への優しさ、 自然と共に、ということに憧れている人や、 身近に感じたいと思っている人はたくさんいると思います。

私生活の中にそういったものが一つ入ることで 窓の外の景色がいつもと違って見えたり、 外を歩くときにふと草花に目が留まったりとか、 そういうきっかけにもなるのではないでしょうか。 だからもっともっと、そういう思いを持つ人のために、 これからも発信を続けてほしいなと思います。

それに、今日体験した草木染めは 松本さんもおっしゃっていましたが、 子供でも体験できること。 ちょっとお湯が熱いとかはありますが、 実験教室のようなことが見られるだけでも楽しいはず。 だから世代も性別も問わず親しめるような 教室とかが増えていったらうれしいですね。

こんなに見事な、豊かな色彩が草花の中に隠れていて、 ひっそりそれを内包して立っている木とか、 吹けば倒れてしまいそうな草が、 実はすばらしい色を持っているという、 その発見の連続だった「野の花工房」での一日。 本当に楽しかったです。

最後に、井手町に興味を持たれる方に 松本さんからメッセージをいただきました。

「小さな町ではあるんですけれども、 京都や大阪、奈良などの都市部からもアクセスがしやすいんです。 アクセスしやすいですけれども、 豊かな自然を感じていただけるだけでなく、 穏やかな時間が流れている町です。 草木染めの体験もできるところでもあるので、 ぜひ井手町に来ていただければと思います」


<ミニコラム> 今週の風景



栗も大きな袋いっぱい! これから染料が採れるとは想像できませんが、 できた染料でそのまま染めるとキャメル系、鉄媒染するとグレー系になるそうです。自然の一つ一つに、隠れている色がある。それを探していくのも、草木とともにある楽しみかな、と感じました。 。

草木染め作家・松本陽菜(はるな)さん

草木染め作家の母、兄と共に井手町で「四季の草木染め 野の花工房」を営む。井手町周辺の草花を使った草木染めを教室で教えているほか、自身のブランド「from GARDEN botanical colors」でも、作品を発表している。自然の草花由来とは思えない、鮮やかな色彩が魅力。
■野の花工房
http://kyoto-nonohana.jp/

■from GARDEN botanical colors
http://www.fromgarden.jp/


■今回の訪問地

京都府と奈良県の坂に位置する井手町は、かつて古道が走り、交通の要所として栄えた町。古い歌に詠まれていた六玉川(むたまがわ)の一つ、井手の玉川沿いに柞山吹など、四季を通してたくさんの花が咲く豊かな風景も、多くの人を魅了している。

京都トピックス
「伊根の舟屋」
まるで海に浮かんでいるかのように立ち並ぶのは、船のガレージ「舟屋」。
海の京都 伊根町に、旅の人々を迎える「舟屋日和」がオープンしました。

伊根でその日に水上げされた旬の魚や朝採れの野菜、地酒が味わえるすし店、 刻々と変わる伊根湾を眺めるカフェ、 伊根に流れる時間の中でゆっくり過ごしてみてはいかがですか?

お問い合わせ先:伊根町観光協会 0772-32-0277


【バックナンバー】
#061 井手町だから発信していけること。
#060 えっ?と驚く短時間で草木染の作品が完成
#059 草花から鮮やかな色!?そのポテンシャルに驚く。
#058 野花咲く豊かな自然とともにある工房へ。

【6月のプレゼント】

今月は、番組でもご紹介している「ののはな工房 草木染バッグとポーチの3点セット」を1人の方にプレゼント。

ちょっとしたお出かけや、サブバックとしても便利な メリケンカルヤマで染めたコットンのバッグと、 上品な色合いが素敵な、桜で染めた丹後ちりめんのポーチ (大・小セット)です。

締め切りは、5月28日です。

【応募先】
●おハガキの方は、
 〒530-8304
 MBSラジオ「本上まなみ もうひとつの京都」の係まで。
●メールアドレスは、manami@mbs1179.com
●FAX番号は、06-6809-9090



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