今回訪れたのは笠置町。
ホントに京都の一番端っこという感じで、奈良との県境のあたりを ロケバスで進みます。
大阪市の梅田、京都市から共に1時間ほどですが、 すっかり山の麓という感じの所に到着しました。
目の前の緑の中には、なにやら大きな建物が…。

迎えてくださったのは、藤田 亮(たすく)さん。

「フジタカヌー研究所」(有限会社フジタカヌー)で、 カヌーを趣味にする人なら知らない人がいないと言われる 「折りたたみ式」カヌーを制作されています。
建物の周りには、いろんな色のカラフルなカヌーがありますね〜。

「全部ここで作っているんですよ」 と藤田さん。
最近はお客さんによっていろいろな好みがあるため、 それにできるだけ応えるように、頑張っているとのこと。

そのためにこちらのカヌーには 形もいろいろ、色も何十種類とあるようですが、 どういう色が人気、とかあるのでしょうか?

「色のことは言わないようにしているんですよ」

おっと! それはなぜ?

「できあがって“こんなはずじゃなかった”と 言われたら困るんで(笑) 小さな見本を見て、できあがったときに、 イメージと違うことってないです?」

ん〜、ワクワクして待って届いたものに、 そんなことは言わないとは思いますが…。

「もちろん言われたことはないですよ(笑)」

あ〜、驚いた。
常にお客さんが満足できる完成度を目指しているから、 こんなことをおっしゃるわけです。


見回してみると、カヌーだらけ! 壮観です。

会社を創業した先代は、 ベルリンオリンピックの時に日本へカヌーを持ち帰った 高木公三郎という方からカヌーを教わり、 ここに工場を建てて、カヌーづくりを始めました。

「高木先生は東京オリンピックの前の視察で、 持って帰ってきのは主に競技用のカヌーでしたが、 ドイツのレジャー用のカヌーもあったんですよ。
競技といったらスポーツ選手がやるもので、 テレビで見ても、自分の世界じゃないな、 と思うじゃないですか。
でも一般の人でもできるように広げていきたい。
という意味もあって持って帰ってきたんだと思います」

なるほど〜、裾野が広がっていけば、 という思いがあったんですね。
その意思を受け継いで始めたのが、 フジタカヌー。
日本のカヌーの黎明期に、 ここで熱い思いが湧き起こっていたんですね〜。

ということでフジタカヌーさんでは、 レジャー用のカヌーを作られています。
種類ってどれくらいあるんですか?
目の前にあるだけでも 一人乗り、二人乗りがありますが…。

「一人乗り用でも川用のやつ、 ちょっと短めのやつ、そして海用があります」

川用よりも海用の方が長いんですって。なぜ?

「海ってそんなに急に方向を変えたりする 必要がないじゃないですか。 その代わりに長くして、 スピードが出るようにしています。 細長い方が水の抵抗も少ないんですよ。 川の場合は急に曲がらなければいけない ときがあるので、どちらかというと 舵がききやすい、小回りのきく 短めのカヌーになっているんです」

なるほど〜。 それに1人乗り用は入るスペースが小さくて、 2人乗り用は少し広くなっているんですね。

「カバーを付ければ、穴が2つだけになりますよ。 目の前にあるのはオープンになっている状態で、 これに自分のいる場所だけの穴が空いたものをかぶせる、 というわけです。 こう開いていたら小さな子供を前に乗せるなど、 いろんな使い方ができるので」

ちなみにカヌーの表面にヒモみたいなものがついているのは、 簡単なものを乗せたりするものだそう。 「自転車の荷台のヒモをイメージしてもらったらいいかと思います」

カヌーを近くで見せていただきました。 フジタカヌーさんのカヌーは、 骨組みがあって、外側に布がかぶせてあるタイプ。 外側は弾力のある生地でできています。 そんなこんなでしげしげとカヌーを観察している本上に 「これ畳めるので」 と藤田さん。

構造の一つ一つにきちんと意味があるんですね。

え?畳めるんですか? これが?こんなに大きいのに?? 4メートル30センチ近いものが、 テントみたいに小さく畳める?

大きなカヌーなのに、骨組みでばらして、 テントみたいに小さくキュッキュッと畳めます!

「そうですね。なので世界中どこでも持って行けます(笑)。 近くだと車にひょいと積んで行けるんですけど、 なぜだかだんだん遠くへ行きたくなるんですよ。 そういったときに畳めると、背負っても行けるし、 宅配で送ることもできて、使える幅が広がりますよね」

フレームにかぶせる布には、空気を入れることがきます。 浮かせる役目と、っぼでぃをピンと張るためだそうですが、 布の貼りもしっかり構造の一部として考えられているんですね。

まるで手品のような折りたたみ式カヌー。
その構造をもっともっと知りたくなってきました。

「製造工程をちょっと見てみますか?」

ぜひ見せてください!

次週も引き続き、笠置町で折りたたみ式カヌーを製造する 「フジタカヌー」の藤田 亮さんに話を伺います。 工場の中では、どんな発見があるのでしょう…。お楽しみに!

<ミニコラム> 今週の風景



笠置町は駅を降りてすぐ木津川で遊べ、温泉もあるんです。 価値にはかつてビリヤード場を併設していた建物もあったりして、 往事の賑わいはすごかったんだろうね〜、なんて思いを馳せました。

藤田 亮(たすく)さん

船舶技術に基づいた設計のカヌーで、日本はもとより世界でもその名が知られる有限会社フジタカヌーの代表取締役。 「遊びカヌー発祥の地」京都府笠置町の木津川をフィールドに、折りたたみ式カヌーを製造、スクールやツアーなどでも、カヌーの楽しさを発信し続けている。

■フジタカヌー
http://www.fujitacanoe.com/


■今回の訪問地

京都府の最南端に位置する笠置町は、実は府内で最も小さな町。古くから信仰の対象とされてきた笠置山を中心に、カヌーやキャンプ、水遊びで賑わう木津川の流れ、四季折々の豊かな自然が多くの人を惹きつけている。

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