藤田さんに案内され、工場の中へお邪魔しました。

広いですね〜。ピカピカ、新品のカヌーがあります。 シックな茶系と深いグリーンの組み合わせとか、 今まで見たことのない色もあって、気になります。 折りたたんで持ち運べるカヌー、 それを入れるバッグを見せてもらいました。

意外と小さい!

バッグはリュックみたいに背負えるようになっていて、 もちろんカヌーにはこのバッグもセット。 どのくらいの重さか、ちょっと持たせてもらいました。


想像していたよりもコンパクトなバッグ。本上、実際に持ってみましたが、女性でも普通に持てる重さに、ちょっと驚きです。

ところでカヌーって、 もともと分解して運べるもの、ではないですよね?

「ドイツの方で折りたたみのカヌーが作られたと聞いています。 世界中でも折りたたみを作っているところって珍しいんですよ」 と藤田さん。

では今、私たちはその珍しいところへ来ているわけですね。 しかし、それを作ろうと思われたのはどうして?

「先代が高木先生から“日本に普及するべし” という言葉をいただき、作り始めたんですけどね。 最初に乗せてもらったら小さく感じて、 それを言ったら “じゃあ、あなたが作りなさい”ということで 作り始めたそうです」

ということは、模倣して作り始めたのではなく、 一から開発して、ということですよね。すごい! 持ち運びとかを考えると、 丈夫なだけでなく軽くなきゃいけないとか、 いろんな制約があると思うんですけど、 それをクリアできているんですものね。

カヌーのフレームも見せてもらいました。「今はアルミの骨組みが多いんですけど、元々は木の骨組みから出発しているんです」と藤田さん。フレームはリブフレームと言って、人間で言うと肋骨みたいなもの、だそう。

工場の奥へと案内してもらいました。
目の前には大きな機械があります。

「ここが製造の最後ですね。 大きく分けて骨組みと外の布という風に分けています。 これが布を裁断する機械なんです」

この大きなのが?
コンピューターも付いていて、 手で切るわけではなく、機械が切るんですね。

「ええ、注文に合わせてデータを呼び起こして、 生地をセットして切るんです」

機械の説明を受け、実際にカットするところを見せてもらいました。 裁断機の横には、生地のロールも。なんと底の生地には、防弾チョッキの繊維が編み込まれているそうです。

工場には、上層階もあります。 そこでは裁断した生地をカヌーの形に整えているそう。

「生地はミシンで縫うと穴が開きます。
船底の生地に穴が開いていると、 水に浮かべた際に水が漏れてしまいますよね。 それで高周波ウェルダーという機械で、 溶かしてつけちゃうんです。 下縫いしておいて、それを溶かしてくっつけると、 穴がなくて水が漏れないんですよ。 船の下の部分はすべてこういった処理で、 上側はミシンで縫い合わせています」

上の階には、仮縫いを終えた生地がたくさん吊してありました。 藤田さんに、ここでもいろいろ教わります。

なんだか、ものすごく高度で特殊な技術、 という気がします。 生地をくっつけたものに、パーツを付け、 完成、カヌーの布は完成。

「できたら下に降ろして、 骨組みと組み合わせて、試し組みをするんです。 問題なければばらして、箱に詰めて発送です」

注文してから手元に届くまで、 どれくらいかかるんですか?

「時期にもよりますけど、今なら一週間くらいで、 忙しい時だと一か月かかることもあります。 ありがたいことに皆さん待っていただけるんですよ」

色見本も見せていただきました。 カラフルで楽しくなっちゃいますね〜。

「こっちは大変ですけどね(笑)。 しかしほかのメーカーさんにできないことをやろう、 と頑張っています」

好きな色を選んで注文できるのは、 自分だけのって感じで、愛着が湧きそうです。

そうやってお客さんの要望に応えるカヌーを作り続け、 すでに5万艇以上。すごいですね〜。

「累計するとそれくらいですね。海外にも出しています」

それだけ水に親しむ人がいるということなんですね〜。

選べる色の自由度も魅力ですね。 自分だけの一艇を作れるって、この上ない喜びかも♪

そういえばフジタカヌーさんは、 カヌーを作るお仕事をされているだけでなく、 教室もされています。それはどうして?

「やっぱり乗り方を教えてあげないと。普及の一環ですね。 売っているものを買ってパッと使えるわけじゃないので。 水の上は、危ないですからね。 乗るだけなら簡単にできます。 しかしカヌーは自然の中でやるもの。 それなりの知識と経験がないといけないので、 それを教えています。 それで自分で行ける、となれば自分で行きますから、 最初のとっかかりとしてやるんです」

次週も引き続き、笠置町で折りたたみ式カヌーを製造する 「フジタカヌー」の藤田 亮さんに話を伺います。
カヌー教室をやる木津川へ向かいます。そこで待っていたのは…。お楽しみに!

<ミニコラム> 今週の風景



工場の奥には、木材が積まれた場所がありました。 「もともと先代が始めた時は木の骨組みだったんですよ。たくさん積んでありますが、今は作っていないモデルの部品なんです」 フジタカヌーさんには昔からのユーザーさんも多く、 リペアの要望も結構あるので、それにできるだけ応えようとそろえているそう。 こういったところも、フジタカヌーさんが愛されている理由なのですね。

藤田 亮(たすく)さん

船舶技術に基づいた設計のカヌーで、日本はもとより世界でもその名が知られる有限会社フジタカヌーの代表取締役。「遊びカヌー発祥の地」京都府笠置町の木津川をフィールドに、折りたたみ式カヌーを製造、スクールやツアーなどでも、カヌーの楽しさを発信し続けている。

■フジタカヌー
http://www.fujitacanoe.com/


■今回の訪問地

京都府の最南端に位置する笠置町は、実は府内で最も小さな町。古くから信仰の対象とされてきた笠置山を中心に、カヌーやキャンプ、水遊びで賑わう木津川の流れ、四季折々の豊かな自然が多くの人を惹きつけている。

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