今回お邪魔したのは舞鶴市です。 大阪市の梅田から2時間、京都市内からも1時間40分ほどなのですが、 降り立った場所はのどかな住宅街、 近くには保育園もあって、かわいい園児達の声も聞こえてきています。 外観がとってもかわいい、一軒の建物の前にやってきました。 アメイロビストロアルルと書いてあります。 ちょっとドライブに舞鶴までやってきて、ふらっとランチでもしたい、 そんな雰囲気のお店です。 入口の前で、オーナーシェフの駒井克洋さんが 迎えてくれました。


南欧の街角にでもありそうな、 小さいけれど存在感のある白いお店。絵になりますね〜。

さっそくお店の感想を伝えたところ、 「道のカーブにあるお店だから気付かずに、 そのまま素通りされる方もいらっしゃって、 でも気付かれたときに“こんなところにこんな建物が!” と喜んでいただけています」 と駒井さん。

ちなみに植栽などのアイデアも駒井さんご自身によるもの。 それを職人さんにお願いして、 形にしてもらったそうです。

お店作りをいろいろと説明していただきました。

外観からしてワクワクするつくりですが、 中はどうなっているのでしょうか?

駒井さんに促され、 洞窟に入るような、天井が低くなった入口をくぐると… わつ! 平らな天井ではなくてモコモコと、洞窟っぽい! そしてたくさんテーブル席、カウンターもありますが、 掘りごたつみたいな席もあるんですね。 どこもかわいいですね〜。カウンターもタイル張り♪

「ここは最初、タイル張りではなかったんですけど、 僕が張ったんです。 ちょうど一つ前のサッカーのワールドカップの時でしたね〜。 テーブルとかもこの色に塗って張って、 というのは自分で考えてやりました。 プロの左官屋さんや大工さんのレベルではないですけど、 リノベーションする、ということについて はある程度できると思います」

どうやら駒井さん、創意工夫の人、でもあるようです。

お店の中でも本上、興味津々。これがセルフビルドって、スゴイですね〜

ところで駒井さんは、こちらのご出身ですか?

「舞鶴に移り住んで13年経つんですけど、 もともとの出身は神戸なんです。 もっとさかのぼって言うと、 10歳までは千葉県我孫子市にいました」

こちらに移られたのはなにかご縁があったからですか?

「家内の実家が隣の宮津市というところにあって、 僕は10歳まで千葉県我孫子市という田舎にすんでいたこともあって、 虫とか魚とかがいる、こんなところで 暮らせたらいいなぁ、とやってきました」

そんな駒井さんの目に、 この街はどう映ったのでしょう。

「舞鶴ですか、いいですよ! まず海がキレイですし、川も山もキレイですし、 食べるものもおいしいし。 僕の必要なものが全部そろっています」

でも千葉や神戸と違って、冬はすごく寒くないですか?

「確かに寒いですね。この間も40・50センチくらいの雪が 一日で積もったりもして、危ないですけれども、 それも情緒があっていいかなぁ、と。 雪だるまが作れるって都会ではできないことなので、 子供が二人いるのですが、良い経験がさせれるな、と」

なるほど〜、四季がはっきりしているから 食材がおいしい、ということもあるのかもしれませんね〜。

ちなみにお店の名前は、どういう風に付けたんですか?

「アメイロビストロアルルという名前ですが、 アルルというのは、 何年も前ですが、姪っ子が生まれて、 そのときに本屋で立ち読みしていて、 ゴッホの絵を見ていたんです。 そのときにアルルの部屋という絵を見たときに、 あれ、姪っ子の部屋みたいだな、と思って。 しかし数ヶ月経って、姪っ子が亡くなったんですね。 それから数日経って、あの絵どんな絵だったっけ? とふと思い出して、 あらためて説明文を読んでいたんですけど、 アルルという人の名前ではなくて、 フランスのアルル地方の名前だったんですよ。 なんのことはない、 オランダ人のおじさん=ゴッホの部屋だったんですね。 僕の中ではアルル=姪っ子という大切な思い出、 姪っ子が生まれたことなんて身内しか知りませんが、 姪っ子がこの世に誕生したんだよ、 ということを残していけるように、という意味があります。

あと、僕が独立開業したときに どのように社会貢献していこうか、と考えたんです。 そのときに 子供の笑顔に通じるような活動をしたいな、と思ったんです。 それでアルル=姪っ子=子供、 自分の社会貢献を表現する形がアルル、 それを忘れないようにということもあります。 アメイロというのは、アンバー、そして雨の色。 雨の色なんてないに等しいですけれども、 その人その人が感じる色になればいいかな。 それぞれの人が感じてもらえる色になる飲食店。 あと、あめ色タマネギってありますよね。 あれってすごく時間がかかるじゃないですか。 そういった、素材を生かして時間と労力を使って おいしいものをつくりあげる、 という思いもアメイロの中にはあります」

いろいろな思いがこもったお店なんですね〜。

カウンター越しに駒井さんと話が続くのですが、 本上が気になって仕方がないのは、とにかく豊富な メニューの数々!

舞鶴のこの地でレストランを開業されて、 普段どんな風にお料理をされているか、 食材とどのように向き合っているか というお話も伺いたいんですけれども、 なによりメニューがたくさんあって、 お酒もいろいろあって、それに合わせたお料理が、 どれもこれも魅力的なんです!

舞鶴の魚介のアヒージョ、 舞鶴の椎茸、丹波の地鶏とか、 土地の名前が書かれているメニューが 結構多い印象を受けたのですが、 やはり土地のものを使うというのは、 駒井さんにとって大事なことですか?

「舞鶴で事業をさせていただく中で、 地域で喜んでもらえること。 それに観光で来られる方も 地元の食材にかなりフォーカスされていますので、 地元の食材を出されたら喜んでもらえる。 地元に住んでいる方も、地元の食材に誇りを持てる、 どこそこの食材、というよりも 地のものを集めた方が喜んでいただける、 という気持ちでやっています」

ということは地元の生産者の方とも 結構蜜にやりとりしているんですか?

「そうですね〜。一番驚いたのが、 近くに舞鶴漁港があるのですが、 懇意にしている魚屋さんがあって、 魚をお願いすると、電話一本で、30分もしないうちに、 ぴちぴちの魚が届くんです。 これって地の利がないとできないことなので、 よかったなと思います」

お野菜も?

「事業をしていくなかで、 地元の方で、こんなん使わんか? 庭にローリエがあるから使わんか? とかいろんな人に協力してもらって 野菜が入ってくるというのもありますし、 僕自身も農業をしているんですよ。 畑もありますし、田んぼもあります。 宮津に住んでいるんですけど、 宮津から舞鶴までの間に田んぼが2反ほどあり、 畑も借りて、お米と野菜を作っています。 通勤の途中によって、さささっと世話しているんですよ。

でも本当に大変で、いろんな方にご協力いただいて、 なんとか僕も農業をやっていけています」

生まれ育った千葉や神戸とかでもやられていたんですか?

「いえ、まったく(笑)。 とにかく米が作りたくて、まずは米を作ったんですけど」

とにかく米が作りたい!?

「この田舎で田んぼが余っている、畑が余っている。 猪や鹿などに荒らされて荒廃が進んで、 誰か作り手がいないのかといろいろなところから言われて、 それなら僕がやりますよ、と勇んで手を上げて…。 まだまだありますよ、田んぼも畑も」

駒井さんが農業を始めて4年、 いろいろな失敗もありましたが、 最近ではようやく、少しずつ分かってきたとか。 植える作物は決めているんですか?

「僕はシェフの方もありますので、 植えっぱなしでいいような、 サツマイモとか根菜系が多いですね。 ちなみに野菜で一番はじめに植えるならサツマイモがいいです。 ほったらかしても収穫できて、その喜びはハンパないので(笑)」

確かに、子供の時に最初に収穫体験するのって サツマイモですよね。

「子供がすごく喜ぶでしょ」

自分で手がけるお米に野菜、そして地の素材。 それらを巧みに使いながら お店をされているわけですけれども、 舞鶴っぽいお料理とか、 舞鶴ならではの「コレはイチオシだよ」ってあるんですか?
「食材から言うと魚がおいしいです。 日本って四方を海に囲まれているので 魚はどこもおいしいんですけど、 その中で、例えばボラやチヌは、 ヘドロとかも食べているのでおいしくないとも言われますが、 こっちはボラもチヌもおいしいんですよ。 鯛みたいな味がします。 魚屋でもボラを置いていたりするんですよ。 食材がいいので、 シンプルに食べていただくのがいいかな、と思います。

あと、農業に話が戻りますが、 僕はいま塩作りもしているんですよ。 塩作りをしている人に言わせると、 塩をどうやっておいしくたべたらいいかといえば、 そりゃあおにぎりやろ、と。 塩のご飯だけでめちゃくちゃおいしいから、と。 結局シンプルに素材の味を召し上がっていただいて、 それを楽しんでいただけることに重きを置いています」

駒井さんご自身が作った塩を持ってきていただきました。 泡雪のような、キレイな白! 能登半島の塩田にしばらく弟子入りして、 塩づくりを学んだそうです。

なんと塩まで! 縁もゆかりもない土地が駒井さんを魅了し、 その魅力が駒井さんをインスパイアして、 ご自身が農業だけでなく塩をつくるまでに。 先ほど創意工夫の人、と言いましたが、 もとい、「つくりだす人」なのですね。

来週も舞鶴市でアメイロビストロアルルを営む駒井克洋さんにお話を伺います。駒井さん、本職でさまざまなものをプロデュースしているそうですが…。お楽しみに!

<ミニコラム> 今週の風景



海に面していないからか、お店の周りで潮の香りはしません。 が、ふと見上げると頭上にはカモメ! 優雅に舞うその姿は、私たちの気持ちをやんわりとほぐしてくれました。

イタリアンレストラン「アメイロビストロ アルル」
オーナーシェフ・駒井克洋さん


田舎暮らしに憧れ、北海道にもいたことがある駒井さん。宮津市出身の奥様と出会ったことがきっかけで舞鶴市に移り住んで13年。この街に店を構えて4年。

■アメイロビストロ アルル
http://bistro-arle.com/


■今回の訪問地

福井県との県境に位置する日本海側の舞鶴市は、赤レンガの建物などの歴史的建造物をはじめ、肉じゃが、海軍カレーといったグルメも実は有名。リアス式海岸が発達し、良質な漁場としても知られている。

京都トピックス
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【バックナンバー】
#074 料理を通してワクワクする食の街に。
#073 誰でも簡単に作れて、おいしい。舞鶴の新しい味
#072 舞鶴にゆかりのあるおいしいものを生み出す。
#071 住宅地の中にぽつんと「いろいろこだわる」お店が。

【8月のプレゼント】

今回ロケで訪れた京都の北部。と言えば、やはり天橋立が有名ですよね。

そんな天橋立の名を冠したワインが、今回のプレゼントです! 京都産のぶどうを100%使用した天橋立ワイン、『茜』720mlボトルを 4人の方にプレゼントします。

渋みがほのかな、茜色したライトボディの赤ワインです。
締め切りは、9月3日(日曜日)までとなっています。是非ご応募ください!

【応募先】
●おハガキの方は、
 〒530-8304
 MBSラジオ「本上まなみ もうひとつの京都」の係まで。
●メールアドレスは、manami@mbs1179.com
●FAX番号は、06-6809-9090



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