さて、安井さんご夫婦と一緒にお店の中へ入ってきました。店内もかわいいんですね〜。布のカーランドとか、すごい! これは奥様の手作りだそうです。 木の対面する台が作ってあって、そこでパンを選ぶんですね。今日は実は定休日。にもかかわらず、安井さんがパンを焼いてくれていました。とても良い香りのするパンが目の前にあります。ちょっと説明をしていただきましょう!
「こちらが一番人気の湯種食パンになります」


淡い水色の台が、これまたかわいいんです♪

湯種食パン? 聞いたことはあるんですけど、お湯の湯の湯種ということなんですよね? 「そうですね、熱湯で小麦粉を練って小麦の甘みを出して、それを1日冷蔵庫で発酵させたものをまた混ぜて、それで甘みともちもち食感を引き出すという製法のパンです」
一晩という時間をかけるのは、おいしくなる秘訣だったりするんですか?

「そうですね、水分も多く含むので、時間をゆっくりかけてこのあと水分を合わせて、甘みを出すために長時間かけています」

時間も手間もかかるということですね。それが一番人気のパン。 おいしそうだなぁ。四角い食パンじゃなくって山型の食パンなんですね。この香りだけでうっとりしてしまいます(笑)

一番人気の湯種食パン(左)と、食パンに次いで人気の、国産小麦と天然酵母を使ったフランスパン(右)

安井さんのお店「パネッテリア・プルチーノ」では、北海道産と三重県産の小麦を使用しているそう。外国産の小麦と違う点っていうのは、どういうところなんでしょうか?

「やっぱり収穫から入ってくるまで、パンを作るまで期間が短いので、小麦本来の味がしっかり出ると思います。昔は国産小麦は扱いにくかったんですけど、年々技術が発達して十分おいしいパンにできあがるんですよ」

ちなみに天然酵母ということですけれども、こちらはイースト菌とかじゃなくて、なにかのフルーツとかそういうものからなんですか?

「季節の自家製の天然酵母もあるんですけれども、食パンとフランスパンに使っているのは、シラガミコダマ菌です。うちの一番人気の湯種食パン、一度食べてみてください」

では、早速いただきます!

見るからにしっとり、もっちりした感じがあって、すごい伸びがいいパン。小麦の香ばしさと共にフワーッと甘い香りが広がりますね〜。何もつけずに食べておいしい食パンです。そしてこの耳の部分、私、耳が大好きで、あ〜香ばしいし、おいしい。一番人気っていうのももっともだと思います。 ちょっと危険な食パンですね。一人で一気に食べちゃいそうな感じがします。

わかります、このもっちり感! これは虜になってしまいそうです。

湯種食パンをいただいたところで、広い調理場に入り、そのパンの作り方を教えていただきました。調理場にはたくさんの焼き釜が三段くらいに並んでいて、ほかにも見たことのない機械が色々あります。 焼き菓子とかクロワッサンとかを焼くために使うコンデプションオーブン、パンを発酵させるホイーロ、そして大きな冷蔵庫、冷凍庫も並んでいます。 そして粉類がいろいろ並んでいます。

一番メインで使っている小麦粉は北海道の「はるよこい」。白い砂糖はほとんど使っていないそうで、すざき糖やてんさい糖もあります。

天然酵母には京都産の米粉も混ぜて作っているそうです。これが湯種食パンの原料となるもの。やっぱりその、米粉を混ぜることでしっとり感と甘みが増えるそう。

湯種は、小麦粉・砂糖・塩を混ぜ合わせたものに熱湯を入れて1日冷蔵庫で寝かせ、翌日に小麦粉・砂糖・バター・牛乳などを混ぜて作る。熱湯の温度は100度。 種自体がお餅のようになるそうです。

使われている材料を見ていただいて感じたのは、すごくこだわって、安全安心な材料だということ。

「できるだけ添加物も使わずに、そのほうが優しい味わいになりますので」
そう言って、アレルギーの方向けに、グルテンフリーの米粉だけで作ったパンに似たようなものも見せていただきました。パウンドケーキみたいな形をしていますけど、これを作るきかっけは?

「もともとは、うちの長男が小麦粉・卵・乳製品のアレルギーを持ったことがきっかけです。保育園とかに行ったら、パンとかみなさん食べるので、同じようなものを食べさせたいなあということからですね」

近年はアレルギーの方も多く、気を使っておられる方も確かにたくさんいます。特にお子さんだったら「どうして僕だけパン食べられないの?」という気持ちも生まれるもの。

「同じものを食べたいということが多かったので、よく似た感じで作っていたんです。すると周りのお子さんもアレルギーの方が多くて、注文が入るようになって、今では予約販売で作っています」

じゃあこちらにオーダーをすれば、そういったものも作ってもらえるんですね。優しい気持ちが込められていますね〜。

アレルギーの人向けのものを2種類出していただきました。プレーンのものとクランベリー入りをいただきました。ふんわりパンの食感になっているのですが、膨らんだりしないぶん、作るのは難しいそうです。

これはきっとみなさんに喜ばれるでしょうね〜。優しい味がしますもの。アレルギーに悩まれている方は、食の楽しみをちょっと我慢しないといけないとか、制約がすごくあるぶん辛いだろうなって思うのですけど、こういった形でみんなと一緒においしいパンを食べられるっていいことだなって、良かったなって、幸せだなっていう風に思います。そこの場が明るくなるというか、そういう感じがとてもします。

そういえば世の中に職業はたくさんあり、なかでもパン屋さんは朝が早いイメージがあるのですが、安井さんのところはどんな感じで1日が回っているのでしょうか? 「だいたい朝は3時から4時の間に起きて、生地の仕込みから焼き上げまでするんですが、その途中で学校に行く子供たちがパン屋に入ってきて朝ごはんを食べる。といった感じですね」

パンづくりの一日を話してくれる安井さんご夫妻ですが、なんだか楽しそう

へー!じゃあ子供たちと一緒に朝の会話をしながら、お仕事されながら、朝を過ごしているんですね。お子さんもパンを食べて、行ってきまーす! って感じなんですね。お店自体は何時までされているんですか?
「お店は18時30分まで営業しています」
奥さんはその間、ご自宅とお店を行ったり来たり。職住一体型ということにすごく憧れがあって、自分の家がパン屋さんっていうお子様が羨ましいなあって思います。焼きたてのパンの香りをずっと嗅ぎながらの生活があるっていいですよね〜。でもやっぱり、朝は早い…。夜は早く眠れるんですか?

「そうですね、子供たちと同じくらいの時間に寝ますね」

あ〜、健康的な生活なんだ〜。

次週も引き続き、木津川市で「パネッテリア・プルチーノ」を営む安井健太郎さんに話を伺います。お店の中はパンだけでなく、いろいろなものが…。お楽しみに!

<ミニコラム> 今週の風景



本上さんが安井さんの湯種食パンをいただいているとき、ふと頭をよぎった“なんだろう、このほんわり感”…。そう、パンだけではなく、この空間そのものが、ほんわりとした優しさに包まれているのだと、取材スタッフは気付いたのでした。

パネッテリア・プルチーノ 安井健太郎さん

子供の頃からパンが好き、しかし木津川町には当時ベーカリーがなかったことから「いつか木津川にパン屋を!」と夢見て修行し、2010年にお店をオープン。安心安全な食材を使い、無添加にこだわった優しいパンを作り続けている。

■パネッテリア・プルチーノ
http://panetteria-pulcino.com/


■今回の訪問地

京都府最南端の市・木津川市。鉄道や国道が整備された交通網の利便性で近年は大阪、京都のベッドタウンとして人気を集めている。人気の理由は、市の中央を流れる木津川に代表される、豊かな自然環境。

京都トピックス
森のレストラン
「森の京都」エリアの秋の味覚を楽しめるイベント、「森のレストラン」が 10月14日(土)の朝10時から夕方4時まで開催されます。 会場は、南丹市の園部(そのべ)公園です。

「森の京都」エリアの食材を使った新メニューが食べられる「グルメゾーン」、 木の中で食事を楽しむ空間を演出する「飲食ゾーン」のほか、 野外アコースティックライブも開催され、 森の魅力を存分に味わえるイベントです。

詳しくは、「森の京都ハーベスト・ガラ」で検索してください。

【バックナンバー】
#082 思い出の詰まった畑で子供たちへのパンを考える
#081 お店を彩っている奥さんの手作り雑貨
#080 やさしいパンが生まれる調理場にて。
#079 子供の頃の夢が詰まった優しいパン屋さんへ

【10月のプレゼント】

今月のプレゼントのお知らせです。
季節は秋、秋と言えば・・・食欲の秋ですよね。
というわけで今月のプレゼントは、今回本上さんが訪れました木津川市の“新米”です。

この地域では、口当たりの良さと軽い粘りが特徴の、ヒノヒカリがよく作られています。
今回は、木津川市で作られた新米、ヒノヒカリ10kg分を3名の方にプレゼントします。
今年穫れたばかりの美味しいお米です。

【応募先】
●おハガキの方は、
 〒530-8304
 MBSラジオ「本上まなみ もうひとつの京都」の係まで。
●メールアドレスは、manami@mbs1179.com
●FAX番号は、06-6809-9090


※締め切りは11月5日(日)までとなっています。是非ご応募ください!

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