お蕎麦をいただいたところで、あらためて、別の地域から移住された安喰さんにとっての綾部市の魅力を聞きたいと思います。この街の魅力って、どういうところですか?

「何か輝くものをもって綾部に移住する人が増えているということなんですが、数字だけで見れば、人口は減っているんですよね、この街は過疎・高齢で、毎年400人くらい減っています。そこだけ見ていると大変だなと思います。
でも面白いなにかを持っている人が移住している、類は友を呼ぶとか横のつながりじゃないですけど、ポジティブな考えを持っている人たちがどんどん移ってくるっていう思いや願いを街が持っているので、そのへんは僕たちも共鳴しています。その動きがあるうちはまだ綾部もすてたもんじゃないなって感触があります。
だからその辺が僕にとっては魅力的ですね。つまり、言うなれば人ですね。自然とか、わかりやすいものはどこでもありますからね。
そこにいる人たちがどういう気質を持っているのかがポイントなんですよね。僕の場合は人。困っている時に助けてくれるというか、やばくなると必ず助け舟が出るというか。僕は店を持ちたい、持ちたいと思っていて、7年間店を出せなくてずっとケータリングでやっていました。京都市内も大阪、東京、千葉、山口も行きましたね。そんな状態の僕に、焼き物の作家さんが個展をする、そこで料理を出したいから安喰くんどう?なんて。そういうところで新しい出会いがあって、根回しじゃないですけど、ファンを作っていけました。で、なかなか場所が決まらなくてモタモタしている時期に1本の電話があったんです。京都府の補助金があるんだけどそれでお店改装してみいひん? 今年度しかないんだけどって連絡来たのが、その締め切りの半年前で、結構なタイトなタイムスケジュールで見積もりから図面引っ張って、いろんな方と会って業者さんと話して間に合わせたのがここ。それも地元の人の1本の電話があったからのことなんでね。ぎりぎりで助けられているというか。
いつも困った時は誰かに電話するし、困ってそうな人がいたら僕も連絡するし。なんとかお互いを助け合って支えていけるような場所だなと思いますね」


へ〜このお店をかまえられて2年半ですか。じゃあもういろんなご縁が繋がって、1本の電話で道がぐっと切り開けて。


慣れた手つきで蕎麦を茹でる安喰さん。いろいろな出合いから、今の姿があるんですね。





「いろんなことがあるもんだなあと。結構たくさんあるんですよ。実は息子が、小学校2年生の時に不登校になって9か月間学校に行けない時期があったんですけど、絵を書いたり、作品を作ることでモチベーションが上がってまた復活することができています。創作活動を今も続けられているのはいろんな人に助けられたから、子供自身も助けられているし、僕らも子供に助けられているし。お互い様が見事に表現されている地域だなって思いますね。でもこれって感じとれる人にしかわからないっていうか、もともと住んでいる人は綾部の魅力を見失っているし、なんでこんなとこに住むん?ってわざわざ都会から来て商売しようと思うん?農業しようって思うん?って聞かれたりするんですけど、今みたいにこんこんと話してもわかってもらえないことも多いので、楽しいですよとか言って流したりしていますけども」


でも安喰さんのように移住してこられる人がいるから、元から住んでる方も気が付き始めているかもしれないですよね。

「そうですね。特に息子が卒業した小学校では、Iターンの子供が全体の4割いて成り立っているので、PTAとか面白いですよ。それに、PTAの大事なところにもIターン世帯ががっちり入ってくるので、地元の人たちの負担軽減にも多少はなっているのではないかと思いますけどね」

じゃあお子さんをお持ちの方も移住をしてこられるってことですよね。

「そうですね、やっぱりどういうところで子育てをしたいかってなった時に、環境もそうですけど、人の支えの中で子供にも感じて欲しいだろうし、第一そこで仕事をしないといけないので、そういう時に同じ志を持っている人が近くにいるとだいぶ支えになると思います」

本当に人と人とのつながりが、かなり充実してそうですよね。

「僕の店でも、お客さんだか友達だかわかんないような人たちがだいぶここで増えたので、貢献じゃないですけど、なにか還元できたらなって思います。商売だけだったらもっと綾部の街なかでやればいいことなのですが、僕はこういう場所で引っ込んで、Iターンをして10年の一区切り。だからステップじゃないですけど、役割があると思うので、自分の好きなことで関わっていけたら楽しいですよね」

奥さんの由美子さんにも、話を聞きました。この10年で変化はありますか?

「子供がいたからすぐ地域に溶け込みやすかった、というのはありますし、お母さんの友達ができましたし、いろいろ助けてもらって、なんか、すごくかけ抜けて来た10年間って感じがしています。還元するってさっき主人が言っていましたけど、私もそんなような気持ちになれたかな、と思います」




ご夫婦それぞれに、綾部市に移住してきたことをとても肯定的に捉えているのが印象的でした。生活を楽しめるのがなにより、ですよね!

最後に、綾部市に興味を持っている、この放送で持った、という方にメッセージをいただきました。

「綾部市では定住促進課というのを設けているのがすごく大きなことで、最近は綾部に移住したい、面白い人たちと繋がりたいっていうのがかなりいるみたいなんですよね。僕達はそんな人たちとコンタクトを取れるし、次に繋げられるので、そういう意味では僕達の役割って大きくなるのかなって思います。Uターンで帰ってきて営業している、竹松うどんという魅力的なお店もありますし、農家民宿は今5つあります。田舎に行って泊まれるなんてなかなかないと思います。観光地ではないのでなかなかつかみどころが弱いかもしれませんが、実際に泊まって、そこからまた紹介してもらったところに行ってみる、飲食店でも工房でも訪ねてみるとか。
まだまだ空き家もありますけど、お店とかが増えていたりもして、いい傾向だと思います。綾部は市街化調整区域もなくなり、空き家を使った自分の表現ができるようにもなってきています。だから移住してくる人がもっと増えて欲しいですし、実際に家族での移住が増え、Uターンも増えているので、大きな動きではないですが、そんな動きを僕達ももっと伝えて行けたらと思います」

今回は綾部の魅力をたくさん教えていただき、ここは探検し甲斐があるなぁ、と感じました。また遊びに来ます!


<ミニコラム> 今週の風景



お店の片隅にある、いろいろなフライヤー。これも安喰さんだからできる、綾部の紹介ですよね。お店をキッカケに綾部を訪れる人に、こうして綾部を伝えていくのです。

安喰(あじき)健一さん

神戸生まれ、幼い頃から畑で土に触れ、千葉、東京、福井、大阪など全国各地での暮らしを経て、2008年に綾部市に移住。福井時代に蕎麦を覚え、移住してからはケータリングやマルシェ出店を続けていたが、2015年に「そば処 あじき堂」をオープンさせる。土、日、月曜の3日間営業し、それ以外は米づくりをはじめ農業に勤しむ。

■そば処 あじき堂
https://ajikido.jimdo.com/


■今回の訪問地

京都府北西部に位置する綾部市。そのさらに北西部にある志賀郷は、山と田園に囲まれた自然豊かな場所。古くからの伝承が今も生きる静かな街では、米や味噌づくりが盛ん。

京都トピックス
知らざる京都を発信するサイト
「KYOTO SIDE(きょうとさいど)」をご存知ですか?

京都といえば歴史ある神社仏閣や舞妓さんというイメージをお持ちだと思いますが、この「KYOTO SIDE」には、そういった一面だけではく、すみずみまで、歩いて食べて見て体験した‘京都‘の魅力や感動が詰まっています。

サイト上では、グルメ、観光、イベントなどのジャンル検索が出来るので、欲しい情報を簡単に見つけることができます。
本日からクリスマスプレゼント企画も実施していますので、是非チェックしてみて下さい。

詳しくは、下記URLをチェックしてみてください。
【KYOTO SIDE】 http://www.kyotoside.jp

【バックナンバー】
#088 辿り着いた綾部市で手打ち蕎麦屋を開く。
#089 妖怪?妖精?不思議な絵がたくさん!
#090 自家製粉のそば粉でそば打ち体験!
#091 人が集まり、いろんなことが起こる。綾部はこれからがおもしろい。

【12月のプレゼント】

今月は、本上さんが訪れた綾部の梅を使った梅酒、「綾梅」をプレゼントします。

綾部産の梅を100%使用し、綾部の清酒「綾小町」だけで漬け込んだ逸品です。 日本酒独特のやわらかな甘みと、さわやかな香りをお楽しみください。

720mlの「綾梅」を5人の方にプレゼントです。

【応募先】
●おハガキの方は、
 〒530-8304
 MBSラジオ「本上まなみ もうひとつの京都」の係まで。
●メールアドレスは、manami@mbs1179.com
●FAX番号は、06-6809-9090


※応募締切は12月31日・日曜日までです。是非ご応募ください!

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