「コーヒーを飲んでいただきたいと思うのですが」。
まゆみさんが突然おっしゃいました。もちろんですとも〜

「せっかくなので、お好みにあったコーヒーをお入れできたらと思うんですが、リストがありますので、ご覧ください」。そう言って、バインダー形のリストを見せてくれました。これまたかわいいですね〜。さっそく、自分好みのものを探します。



チェックが付いているものが用意のある豆。酸味はあまりなく、まろやかで苦みも少し、という本上の好みは…





「せっかくなので面白いタイプで、エルサルバドルのシティローストを淹れようかなと思います。ちょっと深く焼いているので、苦味はそんなに強くないんですが、まろやかなタイプで、ただ香りがすごく個性的なんです」

エルサルバドル…?

「コーヒー豆を仕入れた時に、どれくらいの焙煎具合がおいしいかなって試し焼きをして1番おいしい焙煎具合だけを販売するんですけど、エルサルバドルの豆に関しては、浅めに焼くとベリー感のあるコーヒーで、それを深く焼くと赤ワインのような華やかさが出てくるような豆だったので、2種類の焙煎度合いで販売をしています」

なんだかすごそうだぞ、エルサルバドル…。
ちなみにリストに書いてあることを少し紹介しますね。
〜ミディアム浅めはストロベリーのような甘酸っぱさ、シティちょっと深めは赤ワインの華やかさとスイートポテトのような甘さ〜。
この味の表現が面白いですね。

「そうですね、一番苦労するところではあるのですが、2人で味見をした時にその中に含まれている香りとか味を考えていった表現ですね」

リストにはほかにも、
〜ウルンジー、シナモン、かなり浅めに行ったお豆、キンモクセイの花の香り、鉄観音茶のよう〜…お茶の表現も出てきましたね。

「ちょっとぬるくなってくると、玉露とか飲んでいるようなトロッとした甘味も感じるので、酸味も当然出てくるんですが、甘いですそのコーヒーも」



エルサルバドルのシティローストは、豆の色がそんなに暗くない焼き具合。結構大きめの豆でした。「指でちょっと割ったりすると、香りが嗅げて楽しいですよ」とまゆみさんに教えていただき、さっそくかがせていただきました。





目の前でまゆみさんが豆を挽いてくれました。
「挽きたての時の香りっていうのが、入れた時とは違う華やかな香りもするんです。癒されますよね〜」。と佳太さん。
「“ベリー感のある”っていう表現を私たちはしているんですけれども、イチゴチョコレートっぽい甘い香りがするなぁってよく言っています」とまゆみさん。

そういえば豆の挽き具合ってさまざまだと思うのですが、どんな違いがあるのでしょう。

「エクアドルのシティローストは、いわいる中挽きくらいの挽きめなんですが、あんまり細いと雑味が出やすくなります。雑味が少ない豆であれば少し細めの方がしっかりと味が出ていいかなと思います。粗めでたっぷり豆を使ってもおいしく淹れられるのですけど、ご家庭で楽しんでもらうのにいっぱい豆を使ってくださいっていうのはもったいないいので、少量でもしっかり味わいがでるような焼き方を心がけています」

そう言って、佳太さんがコーヒーを淹れてくれました、新鮮な豆だから、ふわっと膨らんできましたよ〜。

「そうですね、ここが蒸らしと言われるところなんですが、乾燥した粉がお湯をしっかり吸って膨らんでくるのがおいしそうに見えていいですよね。もこもこと膨らんできて、しっかりコーヒーの粉から味を移してあげるようなイメージですね、ただお湯をかけるのではなくかけたお湯がどういう風に粉の中を通って味を持っていくかっていうのを意識しながら淹れていただくといいかなと思います」

やはり少しずつ注いで、というのは大事なことなんですか?

「一気にお湯をかけてしまうと重さでどんどんコーヒーが落ちてしまって、しっかりお湯にコーヒーの味が着く前に落ちてしまうんです。ゆっくりかけてあげた方がしっかり味は出ます。ただゆっくりすぎると雑味も出てしまうので、その辺が結構バランスの難しいところですね〜。だいたい2、3分で淹れ終わるくらいのペースで淹れてあげたらいいと思いますよ」



コーヒーを淹れながら、佳太さんからのプチレクチャー。いや〜、勉強になります!

そうこうしているうちに、コーヒーができました。一口飲んで本上「好きな味です♪」

「僕らは先ほど読んでいただいたような味わいの表現をしているんですが、どういう風に感じられるかは人それぞれなので、僕らとは全然違う表現をされるお客様もいらっしゃったりして、この仕事をしていると味覚の違いがすごく面白いですね」と佳太さん。

豆の香りを嗅いだ時に感じたんですが、ナッツっぽい香ばしさもあったり、チョコレートみたいな香りもするし。飲み終わった後のあと口も非常にいいですね。あぁリラックスって感じです。
ここのお店は窓が大きく取られているので、外光を感じながら長居する方がいらっしゃるっていうのもわかる気がします。ちなみに焙煎具合で味が変わるものなんですか?

「同じ豆でも、どのくらい焦がしていくかでも味が違いますし、火の入れ方にしても弱火でじっくりの方もいれば、一気に焼き上げる方もいたりして、それで全然違う風味を引き出せたりするので、その辺が面白いとこだなと思います」

なるほど〜。焙煎の機械でも個性が出るんでしょうか。

「そうですね、焙煎機っていろんな種類が出ているんですが、大きなくくりで言えば、直接火で炙る直火式と呼ばれるものと、うちで使っているような熱風式と呼ばれる、直接火が当たらなくって、熱風で焼くタイプがあります。マイルドな味わいで甘さを表現するには向いているんですよ。どちらがおいしいとかではなく、その人が出したい味を表現するのに適したものを選んでいるということなんです」。 へ〜、中村さんはどうしてこの機械を選ばれたんですか?

「これ2台目なんですが、以前のものを使っていたときに、もう一回り大きいものを探そうってなって、せっかく探すのでいろいろ見てみようと思ったんです。作っている方によっても考え方が違うので、国内には焙煎機を作っている会社とかお店が多いので、なるべく行ける範囲で訪ねました。これは軽井沢にある焙煎機屋さんの焙煎機なんですが、その方にお会いして、すごくフィーリングがあったというか、コーヒーを焼くということに対する考え方が共感できたので、実際に焼かせていただいて、自分たちの考える味わいに近いものが出せたのでこれにしようという形で決めました」

一つ一つ、自分の好みだったりこだわりみたいなものが本当に少しずつ積み重なってこちらの味ができていくんですね。

「別の方が同じ焙煎機を使って同じ条件で焼いたとしても、火の加減が変わるので多分味も変わるんですね。レストランとかと同じで、焙煎にもその人のフィーリングが合うかどうかがあると思うんですよ。焙煎度合いによって好みってかなり変わります。酸味のあるものが苦手だったとしても、そこのお店のコーヒーを飲んでみると案外いけた、というように、焙煎って好みとか相性に大きく関わってくるとは思います」

へ〜。このいただいた後のカップを嗅いでみると、甘い香りが残っていますね。非常においしいコーヒー、ありがとうございました!

おいしいコーヒーって、いただいたあとの余韻も楽しいものです。





次週も引き続き、「大山崎 COFFEE ROASTERS」の中村佳太さん、まゆみさんにお話しを伺います。いよいよ本上、コーヒー淹れます! お楽しみに!




<ミニコラム> 今週の風景



「コーヒーを入れる時のお湯は少し冷ました方が、甘味とか雑味を出しづらかったりしてちょうどいいんですが、それを見るために」と、お湯を入れる器に温度計が。シティローストの豆に対して「これくらいのちょっと深めの焙煎具合だと90度より低いくらい、80度代くらいになった時がちょうどいい具合に香りが出てきますね」と佳太さん。

大山崎 COFFEE ROASTERS

中村佳太さん、まゆみさん 東京での会社員時代に最先端のスペシャルティコーヒーに触れたことがきっかけでその魅力にはまったお二人。焙煎所の
を決意し、1年ほど場所をさがした結果、大山崎に移住。2013年「大山崎 COFFEE ROASTERS」をスタートさせ、週2回の店頭のほか、オンライン販売を行う。
http://oyamazakicoffee.strikingly.com/
■今回の訪問地

北には天下分け目の天王山、南に淀川が流れる自然豊かな大山崎町。交通の要所として発展してきた町だが、近年は大阪・京都どちらへのアクセスも便利で住環境もいいと注目されている。クリエイターの移住も多く、個性的なショップが増えている。

京都トピックス
京都・東山花灯路
21世紀からはじまった京都の夜の新たな風物詩 「東山花灯路」が今年もはじまります。

期間は3月9日(金)から18日(日)までで、 点灯時間は午後6時から9時30分までとなっています。

北は神宮道から、南は清水寺まで、 約2500基の行灯(あんどん)が照らす華やぎのある古都の風情をお楽しみください。

さらに、京都いけばな協会のいけばな展示や舞妓さんの舞踊も イベントの見どころです。 京都を代表する寺院・神社をはじめとする歴史的な文化遺産や街並みを 体感してください。

詳しくは「東山花灯路」で検索してみてください。


【バックナンバー】
#104 この街での暮らしがとても楽しい。
#103 焙煎、そして淹れ方。味の違いはほんの少しの違い。
#102 挽く、淹れる、飲む。 それぞれに違う香り。
#101 縁もゆかりもない街で焙煎工房を営む夫婦。

【3月のプレゼント】

3月のプレゼントのお知らせです。 今月、私が訪れた大山崎町。 こちらは、歴史の大舞台「天王山」のふもとにある地域です。 そんな大山崎町では、「いざ天王山!」のフレーズとともに様々なPRを行っています。

さて、今月のプレゼントは、そんな大山崎町の 「いざ天王山!」特製旅行バッグとタオルです。
この2点セットを、3人の方にプレゼントします。

締め切りは、3月25日です。

【応募先】
●おハガキの方は、
 〒530-8304
 MBSラジオ「本上まなみ もうひとつの京都」の係まで。
●メールアドレスは、manami@mbs1179.com
●FAX番号は、06-6809-9090



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