梅雨が明けました、の巻。
 梅雨が明けました。
 お日さまがカッと照りつけ、じりじりじりじりと地面を焼いています。京都市内は盆地のせいなのか風があんまり吹かず、熱が街にどんどん溜まっていくような印象を受ける。うー、暑い。うー、熱い……。
 わが家の玄関脇の朝顔もあまりの暑さにバテ気味で、正午には葉っぱがしんなりたらりと萎れています。夕方の水やりタイムまでなんとか持ちこたえてガンバレ。
 ほんのちょっと動いただけで汗だくになるので、家にいる時は「お風呂プール」と称してよく行水をしています。ひとまずシャワー、その後ごくぬるいお湯につかる。汗がすっとひいて気持ちがいいのです。
 お風呂上がりにはキュウリをぽりぽり丸かじり。身体の熱をとってくれると言われるこの野菜、夏には欠かすことができません。わが家は常に六本くらいが極少量の塩で揉まれ(こうすると数日は新鮮さを保てると、うちのおかん談)、ジップ式の袋に入って冷蔵庫の野菜室にスタンバイしているのです。青い香気、水気をたっぷり含んだキュウリは見た目からして涼しげ。穫れたてキュウリって甘いんですよね。はー、冷たくって美味しいなあ。
 上賀茂の農家、北波(きたば)さんが週に二回、わが家を訪ねてくれるのがこの初夏から夏の始まりの時期の、私の楽しみです。「振り売り」という名で呼ばれる東京に暮らしているときはなかったお買い物システムで、食いしんぼうの私にとってはまさに幸せの宝船。ぴんと元気なキュウリはこちらで求めたものです。
 キュウリ以外にもトマト、ナス、万願寺とうがらしなど、どれもこれもつやつやぴかぴかとして絶品なのです。おいしい野菜に出会えて幸せだなあとキュウリを噛みしめつつ扇風機にぶーんとあたっている間、子どもたちはというと、風呂場に新幹線の形の水鉄砲「こまち」と「500系のぞみ」を持ち込んで二十分も三十分も飽きることなく遊んでいます。
 ここ半年ほど、イルカと新幹線が娘、息子の間でブームになっていて、イルカショーごっこをする時は、こまちものぞみもイルカのご褒美のエサ「魚」の役になり、子どもたちはイルカに変身。どっぶんどっぶん大暴れでイルカジャンプを繰り返すのです。徐々に激しさも増してきていてお風呂から飛び出すんじゃないかとひやひや。ああ、お湯が減って行く…湯船がいつかどうかならないかと、それが心配。
 
 もちろん外にも涼はあります。身近で涼しいところというと、やっぱり水辺。
 お気に入りは下鴨神社の糺の森(ただすのもり)と、御苑内、西側にある小川のコーナー。とりわけ糺の森はほぼ木陰、せせらぎも実に美しくて、大人でも思わず手足を浸してみたくなる衝動に駆られます。今年も下鴨神社ではみたらし祭という清水に足を浸す神事、厄はらいのお祭りがおこなわれました。
 先日は隣家のご夫婦が、雲ヶ畑というところに川遊びに連れて行ってくれました。京都市内から北に車で二十分。木の香漂う食堂でおいしいお昼をいただいたあと、清流を満喫。
「あっカニ!」「こっちにも!」「ほら、大きいのいたで」「わあ、おじちゃんすごい!」川幅三メートルほど、深さも一番深くて三十センチくらいで、おちびたちには最適の水浴び場です。何より水がとてもきれい!
「ふうちゃん(うちの娘、9歳)はホンマに魚獲るの好きなんやねえ」とお隣の奥さんが目を丸くします。そう、彼女は小魚やおたまじゃくし掬いとなると、いつもものすごい集中力を発揮するのです。バケツと金魚をすくうような小さな網を持ち、ずーっと一所で動かず、ひたすら魚を掬うことに没頭している。
 お隣のお孫さんとうちの子ども、私の甥っ子たちも一緒にわあわあきゃあきゃあ、みんなでおやつも分け合って楽しい一日となりました。
「涼しいですねえ」「すっとしますねえ」と和やかなひととき。なんて良いところなんだろう。夏の遊び場がまたひとつ増えました。