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上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
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歌ごよみ!
上野誠コラム
上野誠の万葉歌ごよみ
毎週日曜日 朝 5:40〜6:00

上野誠(奈良大学文学部教授)
松本麻衣子(MBSアナウンサー)
★松本麻衣子アナウンサーブログ
utagoyomi@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。番組でご紹介させていただいた方には、上野先生の著書「大和三山の古代」をプレゼントします。
〒530-8304 毎日放送ラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【巻】11・2368…たらちねの母が手放れ
【巻】11・2540…振分の髪を短み
【巻】19・4292…うらうらに照れる春日に雲雀あがり
【巻】14・3399…信濃路は今の墾道
【巻】11・2472…見渡しの三室の山の巌菅(いわほすげ)
【巻】4・717…つれも無くあるらむ人を
【巻】10・1851…青柳の糸のくはしさ
【巻】10・1880…春日野の浅茅が上に
【巻】10・1844…冬過ぎて春来るらし
【巻】5・822…わが園に梅の花散る
上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【巻】11・2472…見渡しの三室の山の巌菅(いわほすげ)
2011年4月10日

【巻】…11・2472

【歌】…見渡しの三室の山の巌菅(いわほすげ) ねもころわれは片思ぞする

【訳】…見渡せば遠くに見える三室山。その巌菅ではないけれど、ねんごろに私は片思い。ああ、どうすりゃいいの

【解】…簡潔に言えば、私は片思いをしています、と述べただけの歌です。
では、前半部分の、三室山と巌菅のくだりは、どういう役割なのか・・。
「ねもころ」にかかる序詞の役割を果たしていますが、歌の中での意味はほとんどありません。
片思いの歌には、恋する相手に向けて作ったものと、第三者に聞いてもらうために作ったものの二通りありますが、今回の作品は、おそらく後者。
というのも、恋の相手には「あなたに片思いをしています」と、ストレートに言葉を並べれば充分ですが、第三者に聞いてもらうには、面倒がられないように、多少、面白みを加えた歌に仕上げなければなりません。前半部分はこの「面白み」に当たるとみられ、よって、この作品は第三者に向けて作られたものと推測されるのです。
ちなみに、片思いのプロを自負する上野誠さんの分析では、この歌の作者は、辛い状況から立ち直りかけているとのこと。なぜなら、本当に辛いときには、辛いという表現が出来ない、前半部分のようなことを書けるのは、心に余裕があるからだ、とのこと。本当に痛いときには、「痛い!」という声さえ出ないのと同じことなんでしょうね。