第79回 吉本正さん(2) 

三枝さん、そして三枝さんのお父さん、親子ともども
焼きものに縁があるという話から、
先週にひき続き、備前焼作家の吉本正先生にお話を伺いました。

窯に火を入れると、およそ10日間、24時間体制で窯を見守る
作業が続きます。火は、わずかな天候の変化に影響を受けるそうで
常に2〜3人は窯のそばを離れない状態が続きます。
普段お酒を飲まれる吉本先生は、火を入れてからとめるまでの間、
お酒を断たれるそうです。

窯の中での置く場所や火のまわり方で、色々な色合いが
楽しめる備前焼。10月17日(土)、18日(日)には伊部駅を中心に
「備前焼まつり」が行われます。

そして今日は、吉本先生が作られた、備前焼ビアマグ(2個入り)を3人の方にプレゼントします。
ご希望の方は、おハガキかメールでご応募ください。

宛先は
ハガキ 〒530-8304 毎日放送ラジオ「三枝輝行の商い勘所」
メール sae@mbs1179.com まで

ご応募お待ちしております。

第78回 備前焼作家・吉本正さん(1) 

今回、備前焼作家の吉本正先生(岡山県重要無形文化財保持者。人間国宝の故藤原啓さんの唯一の内弟子)にお話を聞くため、
岡山県・備前市に行ってきました。

阪神百貨店時代、美術サロンで催事をする際、
まず陶芸から決めていたというほど陶芸が好きな三枝さん。
話は、制作工程から窯の種類、六古窯の話まで、
幅広くお聞きしました。

全国に数ある焼物の中でも、備前焼の特徴は「柚薬を使わない」ということ。
土のきめが細かいため、柚薬が中にしみこまないそうです。
そして材料となる土は、自ら取ってくるとのことです。

そしてビールが好きな方へ。
備前焼のビアカップにビールを注ぐと、絹のような、きめ細かい泡が楽しめるそうです。
一度試してみられてはいかがですか。
来週も 吉本正先生にお話を伺います。

第77回 月山貞利さん(2) 

静寂な環境に響く うぐいすの声を聞きながら、
奈良県・桜井市にある、月山先生の工房からお送りしました。

今週は、日本刀の始祖と言われる天国(あまくに)さんは、
大和の人だったという話から、日本刀の変遷、刀の工程などを
お話いただきました。

失敗は決して許されない、厳しい工程の中すすめられる日本刀。
「月山先生にとって日本刀とは?」との問いに、「日本の魂」と
お答えになりました。

三枝さんの「刀がもとになった言葉(元の鞘に収まる、
反りが合わない、切羽つまる等)はたくさんある」という話に対し、
「言葉では使うが、本当の刀を見たことがない人が多い」と
月山先生。

山の辺の道にある月山日本刀鍛練道場には、記念館もあり、
刀工・月山派の作品を見ることができます。

月山日本刀鍛練道場<記念館> 

奈良県桜井市大字芽原228−8 
JR桜井線 三輪駅より徒歩約15分

月山貞利先生、ありがとうございました。
【写真】月山日本刀鍛練道場にて

第76回 月山貞利さん(1) 

新緑がまぶしい季節になりました。
今回はスタジオを飛び出し、山の辺の道、奈良県桜井市にある、月山貞利さんの工房からお送りしました。

月山貞利さんは、日本刀の刀工で、奈良県指定無形文化財保持者であり、全日本刀匠会の顧問も務めていらっしゃいます。

「子供の頃から自分の刀が欲しかった」という三枝さんは、約10年程前、月山貞利さんに 守り刀を作ってもらいます。
約3年の月日を経て完成した刀を見て、三枝さんは大感激。
その足で大阪天満宮でお祓いを受け、家に持ち帰ったそうです。

三枝さんを魅了する月山派は、鎌倉時代初期に、出羽月山(山形県)で発祥。
800年あまりの歴史をもつ、日本刀の流派です。
特徴は、刀の表面に波が連なったように見える「綾杉肌」。

伝統の技が光るこの技術は、人間国宝の父・貞一さんの時代に、
刀の材料になる玉鋼の生産量等の問題から、断絶の危機に直面した時もあったそうです。

しかし父に弟子入りした貞利さんが伝統を引き継ぎ、現在は息子さんの貞伸さんも、刀工の道を歩まれています。

来週も引き続き、月山貞利さんに お話を伺います。

第75回 安藤忠雄さんをゲストに迎え(3) 

3週目となる今回は、環境プロデューサーという側面から、お話を伺いました。

「好奇心」が長生きの秘訣と仰る安藤さんは、好奇心を受けとめる都市づくりが
必要だと話されます。

その中のひとつ、瀬戸内海に浮かぶ直島は、樹木のほとんどが枯れていた状態
から、「地中美術館」や「家プロジェクト」など、芸術の町として生き返ります。

安藤さん曰く「生命力のある方は(直島に)長居をされる」とのことですので、
興味のある方は一度足を運んでみられてはいかがですか?

安藤忠雄さん今後の予定

●5月23日から7月12日まで、サントリーミュージアム天保山で展覧会、
 「安藤忠雄建築展2009 対決。水の都 大阪VSベニス
  〜水がつなぐ建築と街・全プロジェクト」開催。

●中之島に高さ約30メートルの噴水をあげる
 など、今後の活躍に ますます目が離せません。

そして今日は、安藤さんの直筆サイン付き「建築家 安藤忠雄」の本を、
5人の方にプレゼントします。

3週にわたり、楽しいお話をたくさん聞かせて頂きました安藤さん、
ありがとうございました。