第366回 造園家/東京都市大学教授 涌井史郎さん(3) 

3週に渡ってゲストは、造園家で東京都市大学・教授の涌井史郎さんです。

【豊かさを深める暮らし】
半径約6400kmの地球ですが、すべてに命が溢れているのではありません。命が生存可能な範囲はたかだか30kmです。その中でも生き物が賑わっている空間はわずか5kmと地球の大きさに比べたら薄い膜です。
その膜の中の一大消費者として人間が登場し、かなり自分勝手にその中の資源を使い、自然資本の奪い合いが始まっています。
これからの私たちは豊かさを追い求めるのではなく、豊かさを深める暮らしぶりに変更していかなければいけません。

【本当の豊かさとは?】
今まで「幸福」とは、物的欲求分の物的充足度でしたが、現代の「幸福」とは自己実現分の時間充足度で、自分らしく生きていくことにどのくらい貴重な時間を費やせるのか?それのノウハウを持った人物が幸福になってきます。社会のシステムが変わるためには危機感を共有しないといけない。今は他の国と争っている場合ではありません。

【途上国と先進国の対立の中で日本ができること】
今は自然や資源をめぐる途上国と先進国の対立ばかり。その対立にいい答えを出せるのは日本だと思います。日本はかつて鎖国をしていて、国と藩の二重のクローズドシステムが働いていました。そこにあるものしか使えない、それによって生活に対する知恵が生まれました。江戸時代に食べていた食品の素材の数はいまの30倍だと言われています。
これからは如何に文化的な視点で物を考えるのか?それが重要です。

【里山をどう守っていくのか?】
日本人は持続的に資源を管理する大切さを知っていました。その象徴が里山です。銀行で例えるなら元本に手を付けずに利息で生活する知恵の典型だと思います。人は里山の中で、サービスを最大化する空間と、神という姿で守らないといけない空間を分けていました。持続的に資源を未来をどう残すのか?里山を通じて考えなければいけません。

番組へのご意見・ご感想をお待ちしております。
宛先は・・・
<ハガキの方> 〒530−8304 MBSラジオ「三枝輝行の商い勘所」
<メールの方> sae@mbs1179.com

第365回 造園家/東京都市大学教授 涌井史郎さん(2) 

先週に引き続きゲストは造園家で東京都市大学・教授の涌井史郎さんです。

【2005年「愛・地球博」の会場演出総合プロデューサー】
国土交通省から週に一度でいいからと言われて引き受けました。
すると話は全然違って毎日仕事をしていました。
会場作りには3R(リデュース、リユース、リサイクル)を積極的に導入し、環境に配慮しました。
万博がスタートして最初はなかなか来場者が伸びませんでした。しかし、仕掛けが功を奏して徐々に人が来るようになりました。
その仕掛けとは「10万人ボランティア構想」というもので、多くのボランティア、特に高齢のボランティアの方々に参加してもらうことでした。おじいちゃん、おばあちゃんが働く姿を家族が見に来るようになり、その家族から口コミが広がり、結局は2200万人以上の方に来て頂きました。

【「国連生物多様性の10年」日本委員会の委員として】
人間は地球上の最後に誕生した生物種です。生態系ピラミッドの頂点にはいますが、そのピラミッドが崩れてしまったら生きてはいけません。
その生態系をどう維持し将来に対して守っていくのか、これを考えるのがすごく重要です。

【鳥獣保護問題】
自然や動物などの環境問題について考える時、「誰」の環境なのかを考えないといけません。我々には人間の「環境」という視点しかないんです。人間のためにクマをどう保護するのか?鹿を保護するのか?を考えないといけません。
その視点をはっきりさせて考えていかないといけません。

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第364回 造園家/東京都市大学教授 涌井史郎さん 

今週のゲストは、テレビ番組のコメンテーターとしても活躍する造園家の涌井史郎さんです。

【鎌倉で育った幼少期】
子どもの頃、気づけば家には骨董品と歴史書が沢山ありました。
小さい頃から心安らぐのが自然や動物だったので、自然を相手にする仕事・農業をしたいと思い、農業大学の付属高校へ進学しました。

【造園になぜ興味を持ったのか?】
その後、農業大学の造園科に進みました。農業と建築に興味があり、両方の中間に造園学があることを知り、進むことにしました。
勉強の内容としては自然の生態系と人間の社会システムをどう調和させるかということです。一番興味があったのは国土計画で、地方計画と都市計画をどう進めていくのか?その頃から将来は日本が都市化していく中で、地方が衰退する予感がありました。

【大学時代は世界中を旅していた】
大学時代はスポンサーを見つけて海外旅行へ行っていました。
例えば百貨店に若者の購買力を高めるための企画を持ちかけ、スポンサーから集めたお金で海外へ買い出しに行っていました。

【思いもよらぬ就職】
大学の後半から東急グループが多摩田園都市開発をスタートさせました。
実際にその工事現場を見に行ってみると、自分の思っていたものと違いがっかりしまいした。
たまたま東急グループの創業家である五島昇さんと仲の良い叔父がいたので、紹介してもらって五島さん本人に直接文句を言いに行きました。何回も文句を言っているうちに、五島さんから「だったらお前やれよ!」と言われ、石勝エクステリアという会社の社長に就任することになりました。今でいうベンチャービジネスで、東急グループの社長たちが集まる会議では最初、ホテルのボーイと間違われました。

第363回 スーパーステーション 代表取締役社長 野村卓也さん 

先週に引き続きゲストは、グランフロント大阪にできた話題のスポット・ナレッジキャピタルの総合プロデューサーとして活躍されている株式会社スーパーステーションの野村社長です。

【ナレッジキャピタルとは?】
日本語で言い換えるなら「知的創造拠点」です。
色んな人が集まって、新しい価値(ビジネス、技術、人材、文化、国際交流など)を作っていく場所。それまでになかったスペースなので、開業の何年も前から会議やイベントを通じて、体験して頂くような機会を作ってきました。実際にナレッジキャピタルができてからビジネスや研究が進んでいるものもあります。

【誰でも参加できる】
ラジオを聞いているリスナーさんたちもナレッジキャピタルに参画している企業のワークショップに参加できます。親子連れからシニア層と幅広い人が来ています。

【おおさかグレートサンタラン】
11月30日に行われるもので、私が所属している一般財団法人「OSAKAあかるクラブ」が手掛けるイベントです。
もともとは女性からのメールがスタートでした。その趣旨に賛同し、今年で6回目になります。参加費の一部を病気と闘う子供たちのクリスマスプレゼントとして贈るチャリティーイベントで、昨年は6000人の方が集まりました。今年は過去最大の1万人の方の募集を目標にしております。

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第362回 株式会社スーパーステーション 代表取締役社長 野村卓也さん 

ゲストは、グランフロント大阪にできた話題のスポット、ナレッジキャピタルの総合プロデューサーとして活躍されている株式会社スーパーステーションの野村社長です。

【ラジオにハマった青春時代】
中学校の後半からラジオの深夜放送を聞くようになって、学校が終わってから公開録音に足しげく通っていました。MBSヤングタウンは大好きな番組でした。将来はメディアの仕事に就きたいと思っていました。

【大学時代に仲間たちと起業】
学生時代はテレビ局や新聞社でアルバイトをよくしていました。
大学3年生の時に、仲間たちとイベントの企画や運営をする会社を立ち上げました。
その後、放送局に就職したかったんですが難しく、最終的には広告代理店へ就職することになりました。

【広告代理店に勤務】
広告代理店に入社し、イベントの企画運営、CMを制作したりしていました。その後、35歳の時に大学時代に立ち上げていた会社に戻ることにしました。その頃、いち早くブロードバンド時代の到来を予見して、産学連携をして実験など先進的な取り組みをする現在の会社を立ち上げました。

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