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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2017年2月4日 放送分】 |
2017年2月4日 |
【巻】…19・4238
【歌】…君が行(ゆき)もし久(ひさ)にあらば 梅柳誰とともにか わが蘰(かづら)かむ
【訳】…君の旅がもし長くなったら、梅と柳を見る宴をして誰と共にかずらにすればよいのか、君が一番だ
【解】…越中国(現在の富山県)の官舎で開かれた宴会で詠まれた歌。何の宴会かと言うと、久米広縄という人が、税金の報告をするために平城京へ出張するにあたっての送り出しの会。単なる出張なのに、と思われるかもしれませんが、当時は交通手段が整備されていませんから、帰ってくるまで2〜3週間かかりました。この宴は2月2日に開かれたものですから、広縄が越中に帰ってくるのは多分3月。少し遅れれば、梅の花や柳の芽吹きを楽しむ時期を逸してしまうかもしれません。そこで、広縄の友人である大伴家持が、「君の旅がもし長くなったら、梅や柳を見る宴会で枝を丸くして頭にのせながら酒を飲む・・そんなひと時を一体誰と楽しめばいいのか」と、広縄のかけがえのなさを歌に詠み込んだのです。
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