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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2017年8月19日 放送分】 |
2017年8月19日 |
【巻】…2・114
【歌】…秋の田の穂向(ほむき)の寄れる異寄りに 君に寄りなな言痛(こちた)かりとも
【訳】…秋の田の穂向きが一方に片寄るように 私はあなたになびいて生きていきたい、噂が心に突き刺さって痛くとも
【解】…但馬皇女(たじまのひめみこ)が、高市皇子(たけちのみこ)の宮にいたときに穂積皇子(ほづみのみこ)を想って作った歌で、稲穂を恋心に例えています。 高市皇子は今の時代でいう首相。但馬皇女は高市皇子に養育されている女性で、穂積皇子と恋仲になってしまい、夜抜け出して穂積皇子の元へ通ってしまうという大スキャンダルがありました。 異寄りには一方方向という意味。 水田の稲穂に風が吹いて一定の方向にさーっとなびくような様子。 言痛(こちた)しは、噂が胸に突き刺さって痛いということ。 君に寄りなな言痛かりとも とは、どんな噂にも私は耐えられるという意味です。 稲穂が一方方向にいくように私はあなたのことが好きなんですというのが歌の主旨。 人生に一度の恋の激しさを感じる情熱的な歌です。
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