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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2018年8月11日 放送分】 |
2018年8月11日 |
【巻】3・464
【歌】…秋さらば見つつ偲(しの)へと 妹(いも)が植ゑし宿(やど)の石竹花(なでしこ)咲きにけるかも
【訳】…秋がやって来たならば、この花を見ながら偲んでくださいと 妻が植えた宿のなでしこが咲いたことだ。
【解】…亡くなった妻を悲しむ挽歌です。 なでしこを見て、どのように妻を偲んだかという歌です。 秋さらばとは、秋がやって来ると。 見つつ偲へととは、見ながら偲びなさいのこと。 偲ふとは、花や美しいものを愛でることで、愛でる対象には、花のほかに、生きている人やすでに亡くなった人も入るのです。 宿は家の前の庭のこと。 夏のうちになでしこの種をまいたけど、秋になるともう妻はいないという悲しい気持ちが込められています。 大伴家持の父は、日本で初めて人が亡くなった挽歌を歌った人で、 悲しみは変わらないが、それを歌に残しています。 人生はみな苦しみを背負っているものですが、それを歌などで表現できる人は少ないが、家持はそれができた人でもあります。
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