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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2019年2月2日 放送分】 |
2019年2月2日 |
【巻】20・4496
【歌】…うらめしく君はもあるか 宿の梅の散り過ぐるまで 見しめずありける
【訳】…うらめしい人でありますね、あなたは。 お家の梅が散ってしまうまで、私たちに見せてくれないのですから。
【解】…万葉時代は2月は梅の盛りの季節。 この歌は式部大輔中臣清麻呂(しきぶのだいふなかとみのきよまろ)の家での宴で披露されたもので、宴で、大原今城(いまき)真人(まひと)という人がトップバッターで歌った歌です。 冒頭で、うらめしい人ですね、というはじまりは、この歌の面白く、トップバッターを任された要因。 宴に招かれたときは、梅がもう散っていて、見しめずありけるとは、見せてくれなかったじゃないですか、あなたケチですねと、主を挑発して追い込んでいき、主は次のように歌を返します。 「見ようとおっしゃれば、いやなんていう風に言いませんよ。私は見たいといえな、見せてあげましたよ。あなたたちが来たいと言ってくれないから見られなかっただけなのに・・」とうまく打ち返しています。 トップバッターの変化球により、この宴は楽しいものだったと想像できます。 このように、当時は、歌が大切なコミュニケーションとなり、攻撃性があり、それに反撃があるものだったことがうかがえます。
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