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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2019年9月7日 放送分】 |
2019年9月7日 |
【巻】…8・1573
【歌】…秋の雨に濡れつつをれば 賤(いや)しけど我妹(わぎも)が宿し思ほゆるかも
【訳】…秋の雨に濡れながらたたずめば、粗末ではあるけれど恋人の家が思われることだなあ
【解】…季節の変わり目には雨がよく降ります。春雨、梅雨、秋雨と呼び名は違いますが、それぞれ降るごとに季節が深まっていき、人の心情にも影響を及ぼします。今回の歌は、秋雨がテーマ。作者の大伴利上(としかみ)は、何らかの理由で、雨に濡れたようです。体が冷えて、人恋しくなったのでしょうか。ふと心に浮かんだのは恋人の家でした。決して華やかでなく、むしろ粗末な家ですが、恋人との大切な時間が温かく思い出されたのでしょう、歌には悲壮感などは感じられません。 夏がすぎ、秋の入り口に立った時、少し寂しい感覚と同時に、人の温もりの心地よさを思い起こした経験、皆さんもあるのではないでしょうか。
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