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上野誠の万葉歌ごよみ
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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサープロフィール
utagoyomi@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2024年4月13日 放送分】
【2024年4月6日 放送分】
【2024年3月30日 放送分】
【2024年3月23日 放送分】
【2024年3月16日 放送分】
【2024年3月9日 放送分】
【2024年3月2日 放送分】
【2024年2月24日 放送分】
【2024年2月17日 放送分】
【2024年2月10日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2019年9月14日 放送分】
2019年9月14日
【巻】…10・2160

【歌】…庭草に村雨(むらさめ)ふりて 蟋蟀(こほろぎ)の鳴く声聞けば 秋づきにけり

【訳】…庭草に村雨が降ってコオロギが鳴く声を聴くと、秋らしくなってきたなあと思われる

【解】…村雨は、降ったり止んだりするムラのある雨からくる言葉で、いわゆる、にわか雨のことです。虫たちは、土砂降りの雨では鳴きませんが、にわか雨が降って適度に湿った環境は大好き。きっと、元気よく鳴いていたのでしょう。雨で気温が少し下がって、暑さにくたびれていた庭草が生き返り、コオロギの歌声が心地よく聴こえる・・「ああ秋だなあ」と作者が感じた瞬間を切り取った歌です。この感性は現代に至っても全く同じで、日本列島での長い歴史で培われてきた情操と言えるでしょう。ちなみに上野誠さんによると、外国文学では、虫が鳴いているのは、あまりよくないことの前兆を表したりするそうで、日本の文学を訳する時は、虫の声は秋の気配を示すと、わざわざ注釈を加えないといけないそうです。同じ現象でも国によって感じ方が、こんなに違うのですね。