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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2019年9月21日 放送分】 |
2019年9月21日 |
【巻】…10・2262
【歌】…秋萩を散らす長雨(ながめ)の降るころは ひとり起き居て恋ふる夜ぞ多き
【訳】…秋萩を散らす長雨の降る今日このごろ。私は一人で起きてあなたのことを恋しく思う夜が多くなった
【解】…雨に自分の思いを寄せて詠んだ歌。作者は、寝ていたのに、ふと起きたのか、それとも、寝ないでずっと起きていたのかは分かりませんが、夜一人で過ごしていると、何日も降り続いている静かな雨が、作者の胸に、大切な人を恋しく思う気持ちを誘い出した様子。その大切な人とは、遠く離れていて簡単に会えないのか、何かの事情があって会えないのか、それもと別れてしまった恋人のことを思い出しているのか、詳しい事情は分かりません。でも、作者の気持ちになんとなく共感を覚えるという方、少なくないのでは。 歌は、一人一人の人生から生まれますが、一旦、誕生した後は独立したものになって、読む人に託されます。この歌を読んだ時、皆さんそれぞれの、恋しい人との記憶が蘇ったのではないでしょうか。
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