|
|
|
|
|
|
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
|
|
|
|
|
|
【2020年3月14日 放送分】 |
2020年3月14日 |
【巻】…10・1881
【歌】…春霞立つ春日野を行き帰り われは相見む いや毎年(としのは)に
【訳】…春霞立つ春日野に行ったり来たりして互いに会おうよ、毎年毎年
【解】…この季節は、外に出て、のびのびしたいところですが、新型コロナウイルスの影響で、それが難しい状況です。せめて、万葉歌で春の雰囲気を楽しんでいただければということで、今回はこの作品。春日野でのピクニックの歌です。「行き帰り」というのは、あちらこちらへ行くこと。春日野では、色々な場所で宴会が開かれていましたから、それぞれの場所を渡り歩く様子をこのように表現したのでしょう。あちらこちらの宴に参加すると、恋が芽生える可能性が高まります。「相見む」とは、あなたに会うという意味で、あなたというのは、特定の人を指しているのか、将来の恋人を想像しているのかは分かりませんが、とにかく恋心でワクワクする作者の気分は伝わってきます。そして大切なのは、「毎年」としているところ。これは、今が楽しくて仕方ないから、これからもそうあって欲しいと願って「毎年」としているのです。こう詠むと、宴席にいる人々が、楽しい気持ちを共有できて、より盛り上がったのではないでしょうか。
|
|
|
|