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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2020年5月30日 放送分】 |
2020年5月30日 |
【巻】…19・4179
【歌】…霍公鳥 夜鳴(よなき)をしつつわが背子(せこ)を安眠(やすい)な寝しめ ゆめ こころあれ
【訳】…ホトトギスよ、夜鳴きをしながら我が背子を安眠させるなよ、決して決して、心してね
【解】…越中に赴任中の大伴家持が、越前の大伴池主に贈った歌。夜鳴くこともある霍公鳥に対して家持は、「池主君のところに行って夜鳴きをして寝られなくしてくれよ」と詠んでいます。家持の霍公鳥好きは周囲の人もよく知るところですが、その霍公鳥に「自分は好きでも、嫌な人もいる。池主君は嫌かもしれないけれど、どんどん鳴いてくれ」と言っているのです。何だか意地悪に思える歌ですが、「背子」というのは、一般的には、女性が男性を指していう呼び方ですが、男性が男性をこう呼ぶ場合は、とても親しい間柄を表します。実際に、家持と池主は親戚であり、仲のいい友人でもありました。ですので、この歌は、意地悪を言っているのではなく、親しい人をからかって楽しんでいるのです。この歌を受け取った池主も、きっとニヤッとしていたに違いありません。家持と池主の仲の良さがよく分かる作品です。
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