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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2020年8月8日 放送分】 |
2020年8月8日 |
【巻】…8・1545
【歌】…織女(たなばた)の袖つぐ夜の暁(あかとき)は 川瀬の鶴(たづ)は鳴かずともよし
【訳】…織女(たなばたつめ)と牽牛が袖を交わして寝る夜の朝は、川瀬の鶴も鳴かなくてよいよ
【解】…湯原王の七夕の歌2首のうちの2首目。古代の七夕は旧暦の7月7日、新暦で言えば、8月7日になりますから、放送日の8月8日は、織女と彦星が別れなければならない日です。袖つくとは、袖と袖が重なり合う様のことで、男女が共寝をするという意味。暁(あかとき)は、明け方を指し、川瀬で鶴が鳴くというのは、朝が到来したことを示しますので、彦星は帰らないといけません。七夕の日を待ち焦がれ、1年ぶりにようやく会えたのだから、朝よ来ないでくれ、という二人の気持ちが、「鶴は鳴かずともよし」、つまり、鶴よ鳴かなくていいよ、というフレーズにつながるのです。湯原王は、七夕伝説の二人の気持ちに、自分の思いを重ねて、この歌を作ったのかもしれません。
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