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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2020年9月19日 放送分】 |
2020年9月19日 |
【巻】…10・2145
【歌】…秋萩の恋も尽きねば さ雄鹿の声い続(つ)ぎい続ぎ恋こそまされ
【訳】…秋萩の恋も尽きないのに、さ雄鹿の声は次々に聞こえてくる。すると恋心が増してくるんだよなあ
【解】…「秋萩の恋」とは二つ解釈があります。ひとつは、秋になって萩の花が咲くころに雄鹿たちが妻を求めて鳴き、恋が成就してつがいになること。そしてもうひとつは、残念ながらつがいになれなかった雄鹿に萩が妻になるというもの。これは、万葉集によく出てくる描写です。いずれにしても、雄鹿の声が「い続ぎい続ぎ」・・つまり次々と聞こえてくる状況で、それを耳にした作者の心は大きく影響を受けて、恋心がコントロールできないくらいに大きくなっている様子。それは成就していない恋でしょうから、鹿の声を聞けば聞くほど、つらかったのではないでしょうか。
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