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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2020年10月10日 放送分】 |
2020年10月10日 |
【巻】…10・2172
【歌】…わが宿の尾花おしなべ置く露に 手触(たふ)れ我妹子(わぎもこ)散らまくも見む
【訳】…私の家の尾花をおしなびかせてついている白露、手を触れておくれお前さん、露が散るのを見たいから
【解】…露が沢山ついている尾花(ススキ)の中に、恋人が立っている姿を思い浮かべながら作った歌。「尾花おしなべ置く露」というのは、繁茂している尾花に、白露が沢山ついて、その重みで尾花が、だらんと垂れている様子。そういう状態の尾花に手を触れると、露が散って、しなった尾花は元にもどります。それを分かった上で作者は、恋人に「手を触れてごらん」と呼び掛けているのです。恋人を囲む尾花から、露がキラキラと散っていく様が、きっと美しいだろうと想像したからでしょう。もしかしたら、二人で尾花の原を歩いた時の記憶が忘れられなくて、歌にして残したかったのかもしれません。
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