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｢上野誠の万葉歌ごよみ｣ |
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| 【2020年10月17日 放送分】 |
2020年10月17日 |
【巻】…10・2182
【歌】…このころの暁露（あかときつゆ）に わが宿の萩の下葉は 色づきにけり
【訳】…最近の暁（あかとき）の露で、わが宿の萩の下葉は色づいてきた
【解】…古代では、萩を山から採ってきて家の庭に植えるのが流行っていました。可憐な花を愛でる繊細な心を持つことが、この時代のトレンドだったのかもしれません。ところで、萩は花だけではなく、小さい葉っぱが、ひとつひとつ黄色くなっていく様も美しく、この歌もそれを詠んでいます。暁（あかとき）とは、明け方のことで、気温が一番低くなって、萩に露がつくころ。当時は、露が降りたり雨が降ったりすることで葉が色づくと思われていましたので、暁露が萩の下葉を色づかせたと表現しているのです。さらには、露をまとった黄葉が、歌を詠まずにはいれないくらい美しかったのではないでしょうか。
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