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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2021年7月10日 放送分】 |
2021年7月10日 |
【巻】…10・2008
【歌】…ぬばたまの夜霧隠(こも)りて遠けども 妹(いも)が伝(つたへ)は早く告げこそ
【訳】…夜霧がこもって遠いけれども、妹の言伝は早く知らせて欲しい
【解】…今回も七夕の歌です。「ぬばたまの」は、夜にかかる枕詞。夜霧がこもるとは、霧がたちこめて、周囲がよく見えない様子です。古代は、交通手段がほとんど整備されていなかったので、夜に遠くへ出かけることは大変危険なことでした。しかも、霧がこもっているなら、なおさらです。そんな厳しい状況であっても、「妹が伝は早く告げこそ」・・つまり、恋人からの言伝は早く知らせて欲しい、と歌っています。当時は、恋人の元に行く際には、使いの人をたてて連絡をとっていましたので、この歌にあるような「夜霧隠りて遠けども」では、使いの人も動けす、言伝も届きません。それでも言伝を待たずにはいられない恋心たちの思いを、作者は七夕伝説に重ねて詠んだのでしょう。
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