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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2021年10月23日 放送分】 |
2021年10月23日 |
【巻】…8・1564
【歌】…秋づけば尾花が上に置く露の 消(け)ぬべくも吾(あ)は思ほゆるかも
【訳】…秋らしくなると、尾花のあたりに置く露ではないけれど、消えてしまいそうに私は思ってしまうのです
【解】…秋らしくなることを、万葉の時代は「秋づく」と表現していました。「夏づく」や「春づく」という表現があまり見られないことからすると、古代の人々は、四季の中で秋を待ち望む気持ちが一番大きかったのかもしれません。しかし、この歌は、そんな秋を楽しんでいない様子。尾花の上に宿る露のように、消えてしまいそうだと歌っています。作者の日置長枝娘子(へきのながえをとめ)が、恋人の大伴家持に贈った歌ですが、心の中で家持の存在が大きくなりすぎて、自分が露のように小さくはかない存在に思えたのでしょう。この歌に対して家持は1565番の歌を返しています。(9月4日放送分で紹介していますので、ご参照下さい)結局、日置長枝娘子は家持に会えたのかどうか・・それは記録には残っていません。
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