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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2021年11月13日 放送分】 |
2021年11月13日 |
【巻】…10・2135
【歌】…おし照る難波(なにわ)堀江の葦辺には 雁寝たるかも 霜の降らくに
【訳】…おし照る難波堀江の葦辺では、雁は寝てしまったのかなあ、霜も降るのに
【解】…「おし照る」は、難波を起こす枕詞。難波の海に日の光があたって波がキラキラ輝いている様を想像させます。堀江は、人工的に掘った水路や川のことで、大きな木が生えず、葦のような植物が多かったので、晩秋から初冬にかけてやって来る雁にとっては、寝るのに最適な場所だろうと作者は思ったのでしょう。たとえ、霜が降るような寒さであっても・・。歌を作った時、実際に葦辺に雁がいたのかどうかは分かりませんが、少なくとも作者の目には浮かんでいたに違いありません。このように、難波堀江の葦辺と雁、そして霜というのは、1300年前の人々にとっては、普通に連想される取り合わせだったのでしょう。
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