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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2022年5月7日 放送分】 |
2022年5月7日 |
【巻】…1・1
【歌】…籠(こ)もよ み籠(こ)持ち 掘串(ふくし)もよ み堀串(ぶくし)持ち この丘に 菜摘(なつ)ます子 家告(の)らせ 名告らさね そらみつ 大和の国は おしなべて われこそ居(を)れ しきなべて われこそ座(ま)せ われこそは 告らめ家をも名をも
【訳】…カゴも良いカゴを持ち、ヘラも良いヘラを持ち、この丘で若菜を摘んでいるお嬢さん方、家をおっしゃい、名前をおっしゃいな。そらみつ大和の国は全て私が治めている。すみずみまで私が治めている。私から名乗りましょう、家のことも名前のことも 【解】…番組ではこれまで、多くの万葉歌をご紹介してきましたが、5月からしばらくは、出発点に立ち戻って、巻の1に収められた歌をご紹介していきます。今回は、まさに最初の歌。巻の1の1番、雄略天皇が自身で作った御製歌です。歌の中で雄略天皇は、若菜摘みをしている女性たちに、こう呼びかけます「家はどこか、そして名前は何というのかおっしゃってください」。古代では、家と名前をセットで聞くのは、求婚するということです。歌の後半で雄略天皇は、「自分は、大和の国をすみずみまで治めている者だ」と宣言し、「家のことも名前のことも、私から名乗ろう」と歌っています。これに対して女性たちはどう反応して、その後、どうなったのかは分かりません。ただ、この歌で重要なのは、雄略天皇が求婚したことではなく、自分が大和の国の覇者であると名乗っていること。国を治める上で、天皇がこのように宣言するのは、政治を上手く運ぶ上で、何より大切なことなのです。
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