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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2022年5月14日 放送分】 |
2022年5月14日 |
【巻】…1・2
【歌】…大和(やまと)には 群山(むらやま)あれど とりよろふ 天(あめ)の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原(くにはら)は 煙(けぶり)立ち立つ 海原(うなはら)は 鷗(かまめ)立ち立つ うまし国ぞ あきつ島 大和の国は
【訳】…大和には沢山の山があるけれど、とりよろふ天の香具山に登り立って国見をすると、国原からは煙が立ち、海原からは、カモメが飛び立つ。素晴らしい国だ、あきつ島大和の国は
【解】…前回から巻の1の歌をご紹介していますが、今回は2番。舒明天皇が自ら香具山に登って国見をした時の歌です。「とりよろふ」は、あちらこちらからものが集まって満ち足りているという意で、この歌では、沢山ある山々の中で、天の香具山が、とりわけ良いというニュアンスを含んでいます。その香具山に登って見渡すと、国原からは煙が立っている・・これは、かまどの煙のことで、豊かな収穫があったことを示し、海原からカモメが飛び立つということは、魚が沢山いることを意味しますから、豊漁を示唆しています。「あきつ島」は、収穫の豊かな地のことで、「あきつ島」であるところの大和の国は素晴らしい!と歌っているのです。天皇にとって、国土の様子を見る国見は大切な仕事で、統治の根源でもありました。
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