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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2022年7月16日 放送分】 |
2022年7月16日 |
【巻】…1・71
【歌】…大和恋ひ眠(い)の寝らえぬに こころなくこの渚崎廻(すさきみ)に鶴(たづ)鳴くべしや
【訳】…大和が恋しくて恋しくて寝られないのに、心なくこの渚崎に鶴が鳴いてよいものか、辛い思いは募るばかり
【解】…文武天皇が難波の宮に行幸された時に、同行した忍坂部乙麻呂(おさかべのおとまろ)が歌った歌。現代でしたら、奈良と難波は電車で1時間もかかりませんが、古代では、最短ルートでも途中で1泊か2泊しないと行けませんでした。その上、難波で仕事をするとなると、少なくとも1週間は大和(奈良)に帰れません。そんな行程の中で忍坂部乙麻呂は、ホームシックになった様子です。大和が恋しくて恋しくて眠れないのに、聴こえてきたのは鶴の鳴き声。その声は、心を癒すどころか、寂しさをよりかきたてる響きだったようで、「こんな時に鶴が鳴いてよいものか!」と訴えるように歌っています。ところで、そこまでホームシックになったのは、大和に大切な人がいたからでしょうか。
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