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「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2022年8月20日 放送分】 |
2022年8月20日 |
【巻】…2・129
【歌】…古(ふ)りにし嫗(おみな)にしてや かくばかり恋に沈まむ 手童(たわらは)のごと
【訳】…老いぼれたおばあさんでありながら、このように恋に沈んでいる、まるで童のように
【解】…大津皇子(おおつのみこ)の宮中に仕えていた侍女・石川郎女が大伴宿奈麻呂(おおとものすくなまろ)に贈った歌です。「古りにし」は、古ぼけたという意味ですが、この場合は、年老いていることを表します。作者の石川郎女は、歌を贈った宿奈麻呂に比べて自分がかなり年上であることを自嘲気味に表現したのでしょう。「恋に沈まむ」は、かなうはずのない恋に意気消沈しているか、もしくは溺れるくらいに恋している様子のこと。それは、まるで子どものようだと、自らのことを歌っています。現代で言えば「老いらくの恋」になるのでしょうが、石川郎女は、その気持ちを隠すことなく高らかに歌い上げているのです。
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