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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2022年12月10日 放送分】 |
2022年12月10日 |
【巻】…3・262
【歌】…矢釣山(やつりやま)木立(こだち)も見えず 降りまがふ雪にさわける朝(あした)楽しも
【訳】…矢釣山の木立も見えなくなった、降り乱れている雪に騒いでいる朝は本当に楽しい
【解】…柿本人麻呂が、天武天皇の皇子である新田部皇子(にいたべのみこ)に献上した歌の反歌一首。矢釣山は、現在の奈良県明日香村の八釣の近辺にある山。ここに新田部皇子の邸宅があったと思われます。その矢釣山の木立が見えなくなるくらい、雪が降り乱れている様子。そのことをどう思ったのかというと、「さわける朝楽しも」、つまり、とても楽しいと歌っているのです。豪雪地帯ならこうは思わないでしょうが、雪が珍しい地域では、朝起きて銀世界が拡がっていると心が躍るという人、少なくないでしょう。この歌も、そういった心模様が詠み込まれています。ひとつ前の261番の歌は、雪が降り積もるように、わたしたちはずっと皇子様にお仕えしたいという内容になっていますので、その感情の流れが、この262番につながっているのでしょう。
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