2017年

10月 1日

震災を乗り越えて、時と想いが育んだ逸品

ゲストは秘伝激辛どろソースでおなじみ、オリバーソース株式会社の代表取締役社長 道満雅彦さん。
特に関西にお住いの皆さんならおなじみのソースブランドですよね。
今に至るまで様々な道のりがあったそうです。
「阪神淡路大震災、プライベートブランドや業務用も合わせて220〜240種のソースを作っています。
現在の仕事の中心は、オーダーによってそれにお応えする専用ソースを作っています」

かつてはスーパーなどに並ぶ商品を作って、一般消費者へ向けていましたが、現在はそれも合わせて業務用を多く作っておられます。
「震災で2年半休んだんですよね。
休まざるを得なかった。
その間、商法戦略が変わったんです。
うちのソースが製造できないその2年半を売り場の棚が待ってくれないんですよね。
スーパーの商品棚が空いたら別の会社のソースが入る。
限られた棚ですから」

オリバーソースといえば、やはり『どろソース』。

インパクトのあるネーミング、そしてその独特の味わい。
この銘品はどうやって生まれたのでしょう?
「実は副産物なんですよ。
ウスターソースの沈殿部分のことを社内で「どろ」と呼んでいたんです。

沈殿する部分を最初から織り込んだ旨味の深いソースが『どろソース』なんです。
実は母が東京出身でトンカツが大好きでしてね。
それに合うどろっとしたソースが欲しいなとも思いまして。
さらに流通の過程で分離しない、そして腐らないソースという点でもうちの商品が安定していました。
どろっとしたタイプのソースを作ったのはうちが最初なんです」
皆さんが濃いソースを愛称的に「どろソース」と呼ぶのはオリバーソースの商品力なのです。

オリバーソースといえば、CMも印象的でした。
その歴史は毎日放送からだったそうです。
「千里丘のスタジオに行くと『アップダウンクイズ』のセットがあったりね(笑)。
出演していただいた原哲男さんは、本当にあたたかい方でした。
実は最初、花紀京さんとダブルキャストの予定だったんですよ。
原さんには26年間もお世話になりました。
毎年2パターンほど作ってきたんですよ。
CMの提案が面白かったらゴーを出しますし、現場も大好きでよく足を運びましたね」

商品やCMの企画力は会社のお仕事以外にも。
「神戸でフルートコンクールがありましたね。
過去8回開催して、世界中から注目をいただいているコンクールの実行委員長もしました。
コンクール自体の経済的な理由で止めるような話だったのですが、うちを始め、地元企業が立ち上がりましてね。
開催できて、しかも文化振興基金も立ち上げることができました。
お越しの皆さんに地元企業の商品をお届けできたことも良かったですね」

銘品の誕生、キャッチーなCM、地元神戸に貢献。
長い歴史を持つオリバーソースの中で忘れられない出来事といえば、やはり阪神淡路大震災。
「震災で社屋が全焼しましたからね。
焼け残った工場から5tのタンクが2基。
実はそのソースを炊いた社員が会社で唯一の震災犠牲者なんですよ…。
そのソースは工場がないので充填もできない。
売る術がないからそのまま密閉されたタンクのまま保存していたんです。
そうして、時は流れて10年後。
捨てるわけにもいかないので、テイスティングしてみると、とても美味しい。
ソースは生きていたんですよ。
これは皆さんに届けなくてはと思って生まれたのが、『オリバークライマックス』です。
シリアルナンバーを打って、1号はご遺族にお渡ししました」

その後も15年仕込み、20年仕込みと母液を使ったソースをリリース。
これを機にソースを熟成するということを会得しました。
「オリバークライマックスなんですが、このソースを炊くのは1月17日だけにしようと思っているんです」

メーカーの商品には全て特別な想いが込められています。
熟成された想いは、オリバーソースの商品に溶け込んでいるのです。

竹原編集長のひとこと

とても強い会社だと思います。
商品力が強い、そして想いが強い。
関西の皆さんに愛され続ける理由がわかりますね。

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