2024年

1月28日

建築に関わる人とモノに価値を出す

先週に引き続きゲストは株式会社NEXT STAGEの代表取締役社長 小村直克さん。

今週は改めて歴史を伺ってまいりましょう。
「創業は私です。
元々、大手のハウスメーカー出身でして、建築資材の商社を渡り歩いて30代半ばで創業しました。
住宅を売っていた立場だからこそできた仕事ですね。
売るときはPRをしっかりして売るわけですが、やはり建築は人が手から作ることですので、そこはキチッと業界改革をしていかなければならない。
時は2006年。
リーマンショックでベンチャー企業には大変な時代でした」。

最初は大変だった。
「綿密にチェックをしなくとも住宅が建って売れる時代でした。
私たちの仕事を見て、"いいことをしているけどいらない"。
そう言われましたね。
しかし、時代が流れてそこからオーナーさんご自身の情報速度が速くて、作り手よりもご自身で勉強されるようになりました。
お客様が賢くなって私たちの仕事を重宝していただけるようになりました。
業者には嫌がられましたね。
当時はそもそも第三者検査というものがなかったですから。
でも今は当たり前の時代になりましたよね」。

お仕事が広がった時期は?
「2013年、ITとうまく融合できた時期ですね。
その当時、ITテクノロジーと8年やってきたデータを掛け合わせて、全国に広げられないかという思いからグッとアクセルを踏みました。
IT化するとひとつの仕事に5時間かかっていたところが、10分で処理できますから。
IT化が新たな価値を生みました」。

仕事を進めるにあたって大切にしていることがあるのだとか。
「『作る』ということを大切にしたいんです。
社内的にはコアバリューがありまして、例えは新入社員に長く勤めなさいとは言わないんです。
勤めている時は一生懸命に同じゴールを目指す。
ただ、NEXT STAGEを踏み台にしてキャリアアップ、独立するもよし。
幸せになるためのチャレンジをしてもらいたいんです。
人間形成の場にしたいんですよね。
仕事をしていくとタスク管理が多くなってしまいます。
でも仕事の半分以上はワクワクすることをしたいんですよね。
そうでないと楽しくないですよ。
工務店さんやメーカーさんとのお仕事でもNEXT STAGEのおかげで、今年のスコアを見たら品質が上がっていたとか、利益が確保できたとか、トラブルが減ったとか。
あと引き渡しがスムーズになったとか、顧客アンケートに満足度が上がったというお声をいただくと黒子としては嬉しいですね」。

人材教育の仕組みなどはあるのでしょうか?
「100人ぐらいの会社でオーナーシップが効く段階。
自分の想いを部長クラス、課長クラスに月に1回講話をしています。
仕事のやり方というより、考え方の話が多いですね」。

7つのコアバリューというものもあるのだとか。
「これは"顧客の期待を担おう""謙虚になろう" とか当たり前のことです。
年齢、部門など関係なしにNEXT STAGEの社員だったら、人間的なテーマとして持ってもらえるよう掲げています」。

お仕事の独自スタイルを構築。
これから新規の展開は?
「3〜5年後の未来の構想は立てています。
人口が減ると世帯も減ります。
日本人男性の生涯未婚率が28%になったんです。
これはどういうことかというと、戸建てでなくマンション、リノベーション、資産として新築住宅を買わなくなってきているということに繋がるんです。
マンション、リフォーム系にカテゴリーを広げてデータビジネスに展開していこうと思っています。
新築戸建ては国内のデータですが、マンションは世界でも共通するところもあります。
マンション、リフォーム系のデータでグローバルな展開を目指しています」。

さらなる未来へのビジョンをお聞かせください。
「テーマは『作る』。
プロセスに対して可視化して人とモノに価値を出す。
例えばですが、貯めたデータを職人さんのスコアにしてみる。
そうすることでポイントが高い職人さんはより良いお仕事に繋がる。
D I Yの活性化から、全国の職人さんとマッチングができるとか。
人の方につきましては独自の専門知識が必要な業界ですから、ここに対する教育を人事評価制度に転換していくとか。
データビジネスの可能性があると思います」。

建築業界の新たな世界線。

竹原編集長のひとこと

デジタル化、見える化で建築業界の明るい未来を感じました。
建築業界が明るいと暮らしも明るくなりそうですね。