2024年

2月25日

仕事のスタイルは"お客様のニーズをたくさん聞いて応える"

先週に引き続きゲストは関西紙工株式会社の取締役 営業部長 山口浩さん。
今週は改めて会社の歴史を伺っていきましょう。
「創業は昭和33年、1958年です。
私の祖父にあたります、山口和吉が山口紙工印刷所を創業しまして、昭和44年に法人化しました。
祖父は元々は鹿児島から出てきて会計事務所で働きながら、夜間学校へ。
松屋町のお菓子を量り売りするための袋を作る紙袋屋さんで働きはじめたのがきっかけだったそうです。
そこから暖簾分けして、独立。
でもその仕事だけでは食べていけず、新しい仕事をすることになります。
昔は、蛍光灯に反射板がありましたが、蛍光灯を入れるサックを作ることができないかという問合せから、ダンボールの素になるライナー紙を使って商品を作ることに。
ダンボールは数mのライナー紙を断裁して作るわけですが、その時に端材が出ます。
12cmほどの端材を安く仕入れてきまして、折り曲げて蛍光灯を入れるサックを作りました。
それが当社の始まりです。
しかし、次第に需要に対して追いつかなくなってきまして、なんとかオートメーション化できないかと考えました。
お菓子を詰める筒状のビニールの袋を作る中古機械を買ってきて改造。
機械を使って紙袋での袋詰めをしていました」。

手張りからオートメーションへの移行。
「他にもパチンコ台の新台を入れ替える時に外から見えるといけないので、目隠し用の袋も作りました。
大きな封筒袋を作る機械を作って販売しはじめて、そこから底が亀甲型の袋を作ったり。
さらに布団などを入れるものができないかというお客様のご相談から角底の袋を作る機械を導入しました。
昭和53年のことだったそうです。
今回の番組出演に際して、父から当時の話を聞いたのですが、その機械を稼働させて10mの紙を加工処理するのに1日かかったのだそうです。
作れば作るほど紙のゴミの山。
そもそも元からないものを作ろうとしていたので、トライ&エラーの繰り返し。
機械を導入して2年間もまともに動かなかったそうです。
他の梱包会社さんからは"あの機械と心中するぞ"と云われていたそうです(笑)」。

お客様のニーズに応えて発展。
「次第に商品化を進めていきました。
ちょっとずつ事業領域を広げてきました。
在庫はたくさん持っていますが、 ほとんどがお客様からのご依頼から生まれて規格を作ったものです。
ニーズをたくさん聞いて応える、これが関西紙工の仕事のスタイルです」

山口さんは2代目の息子さん。
「28歳の時に入社しました。
前は鉄鋼関係の商社で営業マンをしていました。
カッチカチの物からペラペラの薄いものになりました(笑)
元々は継ぐつもりはなかったですね。
亡くなった祖父祖母と話しているうちに山口家に生まれたものも縁だと思いました。
父からは入社は何も言われませんでしたね。
父は祖父から入社を決められていた代です。
それがあったから父は自分から私に入社を勧めなかったようです。
ある時に自分から入社させて欲しいと話した時に、 二つ返事で許してくれたわけではなかったんです。
父からは仕事の大変さ、もしかしたら取り返しがつかないことが起こるかもしれないこと...色々と話をしました。
入社してからは先輩社員の方から勉強させていただきました」。

実際に入社されてからいかがでしたか?
「私が入社する前から父は社内で改革を進めていたので、 とても風通しが良かったという印象ですね。
でもそんな中でも疑問点はありました。
当時は私も生意気なので存在意義を出したいと思って、社員さんとの関係性もできていないのに提案をするわけです。
そうすると周りからも"なんやねんこいつ"となりますよね(笑)。
ぶつかったり、頭を打ったりして、勉強させていただき今に至ります」。

将来のビジョンはどう描いておられますか?
「創業65年になる会社です。
寝装関係などがメインのお客様になるのですが、 こういった袋は日本でうちでしか作れないんです。 逆にいうとその業界ではすでにうちの商品を使っていただいている。
布団の販売スタイルも昔と比べると変わりました。
商品が売れて、初めて当社の製品が必要になってくるわけで、 売れなければ必要はないわけです。
お客様の業界の浮き沈みがそのまま影響します。
そのまま待っていると売り上げが縮小していくのが目に見えています。
そうならないために二つの柱があります。
ひとつは新たな商品を作って新たな販路。
当社が65年間、ずっとやってきたことですね。
お客様の要望を伺って、設備投資をして応えていく。
会長がゼロから1、父である前社長が1を成長させて1000にしました。
今度は僕が0から1を作らないといけないと思っています。
もうひとつは海外進出です。
こういった袋を機械で作ることができる技術は世界規模で見てもないことがわかっています。
財政上の課題はたくさんありますが、 その国でインフラが整っていて、梱包資材費が高くて困っているところがあれば、 まだまだ余地があると思っています。
国境はあっても、うちの紙袋を必要としているところがあると思います」。

独自のシステムで生み出される大きな紙袋は世界を包む。

<プレゼント>
今回、山口さんからリスナーのみなさまへプレゼントを頂いております。
「 あったか非常用寝袋3点セット 」を5人の方にプレゼント!
≪ 宛先 ≫
メール: akarui@mbs1179.com
FAX: 06−6809−9090
ハガキ:〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
「  関西紙工株式会社 プレゼント 」係
・当選者の方の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

技術や製法も受け継がれていますが、お客様のニーズに応え続けるということも承継。
日本の大阪の技術が世界へ向かっていますね。