03月08日(日)
第1536回「東日本大震災15年【3】~遺族が取り組む『企業防災』」
ゲスト:一般社団法人「健太いのちの教室」田村孝行さん
田村孝行さん(65歳)は、東日本大震災で長男の健太さん(当時25歳)を亡くしました。健太さんは宮城県女川町の七十七銀行女川支店に勤務していました。地震発生直後、大津波警報が発表され、町の防災無線でも「高台への避難」が繰り返し呼びかけられていましたが、銀行の支店長は、走って1分のところにある高台ではなく、銀行の屋上への避難を指示。行員たちは津波に襲われ、健太さんを含む12人が犠牲になりました。
銀行側は、「宮城県が想定していた津波の高さは最大5.9mであり、高さ10mの屋上でも大丈夫と判断した」と説明。銀行の防災計画には、屋上に避難するプランもあったと言います。しかし、女川町を襲った津波は高さ20mにもなりました。高台に避難した住民600人は無事でしたが、屋上にいた健太さんらは津波に飲まれてしまったのです。
なぜ高台に避難しなかったのか、納得のいかない父・孝行さんは、息子の命を無駄にしたくないと、「健太いのちの教室」という団体を立ち上げました。人命を第一に考え、従業員の声をきちんと受け止める「企業防災」の重要性を訴え続ける田村孝行さんに話を聞きます。
健太いのちの教室
https://kenta-inochiclass.com/
(番組内容は予告なく変更する場合があります)
03月01日(日)
第1535回「東日本大震災15年【2】~23歳の語り部」
ゲスト:語り部 岩倉侑さん
15年前の2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災が発生し、宮城県石巻市の門脇(かどのわき)小学校は大きな津波に襲われました。学校にいた児童や教職員らは裏山へと避難し全員無事でしたが、津波火災が発生した校舎は炎に包まれ、ほぼ全焼しました。
当時、門脇小学校の2年生だった岩倉侑(あつむ)さんは、教室での帰りの会の最中に、激しい揺れを体験しました。机の下に隠れようとしましたが、その場に留まっていられないほどの揺れで、収まった時には机ごと教室の後ろに放り出されていたそうです。自宅のあった地域が災害危険区域に指定されたことなどから、地震の翌月、岩倉さん一家はふるさと石巻を離れ、仙台に引っ越しました。
その後、防災を学ぶために名古屋大学に進学した岩倉さんは「語り部」として、東日本大震災での自身の経験を伝え始めました。番組では、小学2年生の岩倉さんが経験した東日本大震災とその教訓、そして、岩倉さんが伝え続けている「災害への備え」について聞きます。
02月22日(日)
第1534回「東日本大震災15年【1】~中学生に語る原発事故避難」
取材報告:亘 佐和子プロデューサー
東日本大震災が起こった頃に生まれた子どもたちが、すでに中学生になっています。当時のことを知らない世代が増える中、何をどう伝えていくかは大きな課題です。
福島第一原発事故で、幼い子どもを連れて大阪に避難してきた森松明希子さんが、昨年12月、大阪府豊中市立第一中学校で、全校生を前に自身の体験を語りました。
森松さんは、福島県郡山市から大阪に、3歳と0歳の子ども2人とともに避難してきました。自宅は原発から60キロ離れていて、強制避難区域ではありませんでしたが、子どもを外で遊ばせることもできず、自分や子どもが避難生活の中で毎日飲んでいた水道水が放射性物質で汚染されていたことを知り、原発事故の2か月後、大阪への母子避難を決断しました。福島で働く夫との二重生活は今年で15年になります。
原発事故により、多くの家族がそれまでの暮らしを奪われ、選択を迫られました。今も全国で26000人以上が避難生活を続けています。森松さんは、国と東京電力の責任を問う「原発賠償関西訴訟」の原告団長でもあります。森松さんが語った「命を守る大切さ」「被ばくを避ける権利」は、中学生の心にどう響いたのでしょうか。取材した記者が報告します。
↓エンディングでご紹介したイベントの詳細はコチラ↓
震災復興応援イベント
3.11 from KANSAI 2026~15年の視点"KANSAI from 3.11"
https://www.311-kansai.com/
02月15日(日)
第1533回「災害時に役立つ常備薬」
ゲスト:MBSお天気部 気象予報士 林保捺美さん
大きな災害時には、避難生活でのストレスや医薬品不足により、高血圧や糖尿病などの慢性疾患が悪化しやすいので注意が必要です。また、体調不良やケガなどの際に、すぐに医療機関を受診することが難しくなります。そのため、食料や水と同じく、「医薬品」の備えが大切です。
MBSお天気部の気象予報士で、薬剤師と防災士の資格を持つ林保捺美(ほなみ)さんは、「慢性疾患で普段から薬を服用している人は主治医に相談し、最低3日分は常備して欲しい」と話します。持病のない人でも、総合かぜ薬や、解熱鎮痛剤、胃腸薬などの飲み慣れた市販薬を防災バッグに備えておくことが必要です。
医薬品が手に入るようになっても、自分が服用している薬の名前がわからないという場合もあります。薬局で処方薬を受け取る際に渡される薬剤情報提供書や、お薬手帳をコピーして防災バッグに入れておくと安心です。番組では、林さんに、災害時に役立つ常備薬について詳しく教えてもらいます。
02月08日(日)
第1532回「寒さ厳しい時期の避難」
オンライン:東北大学災害科学国際研究所 准教授 佐藤翔輔さん
阪神・淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震は、寒さの厳しい時期に発生しました。昨年12月の青森県東方沖地震でも、気温0度に近い深夜に、大勢が高台へ避難することになりました。寒い時期の避難には、さまざまな困難が伴います。
まず、停電などでライフラインが止まれば、多くの暖房器具が使えません。寒い環境に居続けると、体の中心部の温度が下がってしまう「低体温症」になります。血液の巡りが悪くなり、免疫力も下がるため、感染症へのリスクが高まります。
道路の凍結や積雪で、通常よりも避難に時間がかかることも予想されます。ルートが遮断されて、想定していた避難所に行けないかも知れません。また、避難所にたどり着いたとしても、暖房器具や毛布などの数には限りがあります。天井が高く床が冷たい体育館では、座っているだけでも、体がどんどん冷えていきます。
真冬の避難には、どんな備えや心構えが必要なのでしょうか。東北大学災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授に聞きます。
02月01日(日)
第1531回「災害時に役立つポリ袋クッキング」
ゲスト:NPO法人ミラクルウィッシュ 代表 益田紗希子さん
大きな地震や台風などの災害時には、電気・ガスなどのライフラインが断たれ、いつも通りに料理をすることが難しくなる場合があります。しかし、災害時にこそ、温かく美味しい食事をとることが、健康や心の安定につながります。そこで注目されているのが、湯せんができる「ポリ袋」を使ったクッキングです。
防災活動に加えて、「ポリ袋クッキング」の普及活動にも力を入れているNPO法人ミラクルウィッシュの代表・益田紗希子さんは、普段の料理にもポリ袋を活用しています。お米を炊くだけでなく、蒸しパンや肉じゃが、寒天ゼリーなども作ることができるそうです。「簡単で時短になり、洗い物が少なく済む」など、ポリ袋クッキングの魅力をあげるときりがないと話します。
ポリ袋クッキングに必要なアイテムは、カセットコンロとボンベ、深めの鍋、湯せん可の表示のある「ポリ袋」です。番組では、「ポリ袋クッキング」の魅力と、災害時に役立つポリ袋レシピなどを益田さんに教えてもらいます。
NPO法人ミラクルウィッシュ
https://mwish2014.link/
01月25日(日)
第1530回「阪神・淡路大震災31年【6】~地震火災への備え」
オンライン:NPO法人「日本防火技術者協会」理事長 関澤愛さん
阪神・淡路大震災では285件の火災が発生しました。木造住宅が密集していた神戸市長田区を中心に7000棟以上の建物が焼失し、400人以上が焼死しました。
平常時と異なり、地震のときには同時多発的に火災が発生します。神戸市では、出動可能だった消防ポンプ車の数・40台を上回る63件の火災が発生。地域の消防力では対応できず、大規模に燃え広がりました。また、翌日にかけて、電気が復旧した際の「通電火災」も多く起きました。
今後、地震火災の大きな被害が予想されるのが「木造住宅密集地」です。昨年11月の大分市佐賀関の火災も、住宅密集地が被害に遭いました。関西にはこうした危険な密集地の6割が集中しています。家同士の距離が近いために延焼しやすく、道幅が狭くて消火活動も難航します。ただ、取り壊しや移転を促しても、住民の合意形成が難しく、対策が進まないのが現状です。
私たちは地震火災に備え、どんなことに気を付ければよいのでしょうか。NPO法人「日本防火技術者協会」理事長の関澤愛さんに聞きます。
01月18日(日)
第1529回「阪神・淡路大震災31年【5】~口腔ケア」
ゲスト:ときわ病院歯科口腔外科部長 足立了平さん
阪神・淡路大震災での災害関連死のうち、およそ4分の1が肺炎によるもので、その多くが「誤嚥性肺炎」とみられています。「誤嚥性肺炎」は、口腔内で増加した細菌が誤って気管に入り、肺で増殖する疾患です。低栄養や、体力・嚥下能力(飲み込む力)の低下した高齢者の発症リスクが高く、災害時の避難生活では、十分な注意が必要です。
ときわ病院歯科口腔外科部長の足立了平さんは、阪神・淡路大震災の避難所を回って、歯ブラシの配布など被災者支援を行いましたが、「誤嚥性肺炎は口の細菌が原因で発症することや、口腔ケアで防止できるということが、当時は分かっておらず、避難所で効果的な口腔ケアを提供することができなかった」と悔やんでいます。避難所の環境整備とともに、私たちひとりひとりが平時から「噛める力」「飲み込める力」の維持に努めることが大切です。
番組では、阪神・淡路大震災の教訓から、災害時の口腔ケアの重要性を訴え続けている足立さんに、誤嚥性肺炎を防ぐ「口腔ケア」について詳しく教えてもらいます。
01月11日(日)
第1528回「阪神・淡路大震災31年【4】~落下物への対策」
ゲスト:アウトドア防災ガイド あんどうりすさん
31年前の1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、6434人が死亡し、その死因のほとんどが、家屋の倒壊や家具などの転倒による圧迫死でした。この教訓から、家具の固定や落下を防止することが地震から命を守る対策として推奨されてきました。
しかし、家具の転倒や落下などで命を落とした人の詳しいデータはこれまで存在しませんでした。兵庫県立大学大学院で研究をしているアウトドア防災ガイドのあんどうりすさんは、そこに疑問を感じ、「家具類の転倒・落下・移動」による犠牲者の調査を始めました。
あんどうさんの研究では、阪神・淡路大震災以降に全国で起きた大地震で少なくとも48人が「家具類の転倒・落下・移動」で死亡し、そのうち、阪神・淡路大震災以外の死者15人中9人が「本の落下」によって死亡していたことがわかりました。番組では、あんどうさんに詳しい調査内容や、「本の落下」によって命を落とさないための対策などを聞きます。
01月04日(日)
第1527回「阪神・淡路大震災31年【3】~家具固定」
ゲスト:国際災害レスキューナース 辻直美さん
国際災害レスキューナースとして活動している辻直美さんは、31年前の阪神・淡路大震災で被災しました。当時、5年目の看護師だった辻さんは、夜勤明け、吹田市の自宅で眠りにつこうとしたその瞬間に大きな揺れに襲われました。10キロ以上の重さのあるテレビデオ(テレビとビデオが一体化した商品)が飛んできて顔を骨折し、自宅は半壊したそうです。
辻さんは、このような経験をしたからこそ、「家具固定の重要性」を訴えています。大きな地震が起こると、モノは「落ちる・倒れる・移動する・飛ぶ」という動きをします。この4つの危険な動きから身を守る備えが必要だと、辻さんは指摘します。
また、家の片付けも「防災」につながります。食事中、就寝前、出かける前だけでも床やテーブルに散らばっているモノを蓋つきの箱に入れましょう。これだけで、ケガの予防につながるそうです。辻さんに阪神・淡路大震災の経験を踏まえた「地震の備え」について聞きます。