第1080回「台風5号による河川氾濫を検証〜滋賀県長浜市」
報告:MBS 上田崇順アナウンサー

今月8日未明、台風5号による大雨で、滋賀県長浜市では1級河川の姉川が氾濫し、周辺の住民ら約550人が小学校などに避難しました。川からあふれた水が住宅街を滝のように流れる映像がテレビで放送されましたが、真っ暗な中、住民はどのように避難したのでしょうか。避難のタイミングは適切だったのでしょうか。さまざまな疑問がわいてきます。
川の氾濫には理由がありました。堤防が低くなっている「切り通し」の部分から水があふれたのです。切り通しは、橋が架かる県道を通すために設けられていて、姉川の氾濫が予想される場合は、その都度、地元自治会が板などでふさいでいました。しかし、今回は川の増水が急激で、対策が間に合いませんでした。自治会では4年前に切り通しの閉鎖を決議していたといいます。もっと早く閉鎖できなかったのでしょうか。地元の人たちの思いと今回の被害の教訓を、MBSの上田崇順アナウンサーが取材・報告します。
 
(番組内容は予告無く変更する場合があります)

第1079回「九州北部豪雨1か月〜被害は防げなかったのか」
報告:MBS 上田崇順アナウンサー

九州北部豪雨1か月で、今回も上田崇順アナウンサーの報告です。
福岡県朝倉市杷木松末地区は、5年前の「平成24年九州北部豪雨」で家屋などが被害を受けました。住民たちは、行政に対し元どおりの復旧ではなく、被災前よりも川の底を掘り下げ川幅を広げて安全を確保してほしいと望んでいましたが、「対策は十分には行われなかった」と話します。すべての山と川の防災対策工事を行うのは難しいことです。その結果、先月の豪雨で川が氾濫し、多くの家が流されてしまいました。
ハード対策の限界が明らかになる中で、注目される地区があります。杷木地区の上池田集落は、5年前の被害を教訓に避難訓練を続け、今回の豪雨でも全員が助かりました。すべての家庭に防災ラジオが配られていたこともあり、住民たちは適切に情報収集し、避難指示が出る前に自発的に避難をしました。水害から命を守るために大切なことは何か、上田アナウンサーと一緒に考えます。
 
千葉猛のひとこと
日頃から避難訓練を欠かさず続けたことで防災意識が高まり、自治体が「避難指示」を出すより前に、自主的に判断して早めに避難した集落は、家や車が流される被害が出たのに、1人も人的被害を出さなかったということです。早めの避難はまさに「命を守ること」そのものですね。

第1078回「九州北部豪雨1か月〜あの日、何が起こったのか」
電話中継:MBS 上田崇順アナウンサー

7月5日から6日にかけて福岡、大分両県を襲った九州北部豪雨から1か月となりました。36人が犠牲となり、いまも5人が行方不明で、1200人以上が避難生活を余儀なくされています。その被災地に、強い台風5号が接近しています。
今回は、被害の特に大きかった福岡県朝倉市の杷木松末地区を上田崇順アナウンサーが取材し、現地から生中継でお伝えします。岩や土砂・大量の流木が積み上がった地面、崩れた山肌。厳しい暑さの中、壊れた自宅を片付ける人々。長引く避難生活で疲労困憊の人々。取材に入るとすぐに、被災地の厳しい現状が目に飛び込んできます。一方で、あの日、どれほどの雨が降り、人々がどんなタイミングでどのような避難行動をとったのかは、じっくり話を聞かなければ見えてきません。被災1か月の現地の状況とともに、徹底したインタビュー取材で「あの日、何が起こったか」を明らかにします。
(写真)福岡県朝倉市杷木松末地区

野村朋未のひとこと
災害の経験があっても、避難行動にはなかなか結びつかないものなのですね。
「大丈夫だろう」ではなく、「大丈夫だろうか?」と考え早めの行動を心がけたいものです。
台風5号の接近でこれ以上、被害が拡大しないことを祈ります。
関西にいる私たちも安心せず、気持ちの準備はいつもしておきましょう。

第1077回「昭和42年六甲山系豪雨災害から50年〜語り継ぐ教訓」
ゲスト:神戸大学名誉教授 沖村孝さん
    神戸市危機管理室 清水陽課長

1967(昭和42)年7月、記録的な豪雨により、六甲山の多くの場所で土砂災害が発生約4万戸が被災し、98人もの命が失われました。その「昭和42年六甲山系豪雨災害」から今年で50年を迎えるにあたり、神戸市では災害の記録などをまとめたリーフレットを作成し、シンポジウムを開催するなど、次世代に教訓を伝える取り組みを続けています。現在は土石流を防ぐ「砂防ダム」も数多く整備され、災害対策が進んでいますが、六甲山が土砂災害の起こりやすい危険地帯であることに変わりはありません。六甲山は針葉樹が多く植えられたために、日光不足により下草が育ちにくくなっています。地面が露出して山崩れの被害が起こりやく、防災の観点から見た森林整備が求められています。今回の九州豪雨のように、大量の流木が住宅地を襲う可能性もあり、それを堰き止める防災ダムの設置も必要です。
「ゲリラ豪雨」など雨の降り方が変化する中で、求められる防災対策も変わってきています。住民自身が自分の住む地区の周辺環境を確認し、防災意識を高めることも大切です。これからの防災対策や、避難行動のあり方について、実際に1967年の豪雨災害も体験した神戸大学・沖村孝名誉教授(防災工学)に話を聞きます。

野村朋未のひとこと
いつも親しんでいる六甲山で50年前におきた災害について、今まで全く知らずにいました。過去にどんな歴史があるのか、身近な場所をもっと知る機会が必要だなと感じます。
山や川など豊かな自然があることは素晴らしいですが、その危険についても同時に認識しておかなければと思いました。

第1076回「いつ・誰が・何を〜災害に備えるタイムライン」
ゲスト:NPO法人「CeMI環境・防災研究所」副所長 松尾一郎さん

気象現象は、技術が発達した今日ではある程度の予測が可能です。しかし、現実には、台風や豪雨で毎年多くの犠牲者が出ています。今月5日から6日にかけての九州北部豪雨では、避難情報を発表するタイミングが自治体によって大きく異なりました。「早めの避難」を呼びかけるためにはどうすればよいのでしょうか。
あらかじめ予測できる台風や大雨に対して、災害が想定される時間からさかのぼり、対策や行動を時系列で示しておく「タイムライン」という防災計画の考え方が注目されています。2012年に米国を襲ったハリケーンで、行政が計画に沿って行動し、人的被害を抑えた例を見本に、日本の自治体でも策定が進んでいます。また、大阪府貝塚市では、高潮被害に備えて、住民自らが自治会独自のタイムラインを作成しました。
「タイムライン」導入を提言し、各地で策定のアドバイザーも務める、NPO「CeMI環境・防災研究所」の松尾一郎副所長をゲストに迎え、注目される「タイムライン」について、必要性や今後の課題を聞きます。
 
千葉猛のひとこと
昔、「台風が来るかもしれない」という予報を見たら、すぐ父は家の周りの飛ばされそうなものを物置の中に片づけ、母は買い物に行かなくてもいいよう食べ物の買いだめをしていました。被害を防ぐために早くから対策を取る「タイムライン」の考え方はもっともっと具体的に取り入れられるべきだなあと感じます。

第1075回「九州豪雨〜被災地は今」
電話出演:福岡県東峰村職員 小野豊徳さん
     福岡県朝倉市・杷木林田地区 時川匡樹さん

九州北部が豪雨に見舞われてから10日がたちました。福岡、大分両県での死者は30人以上となり、今も行方不明者の捜索が続いています。
今回の放送では被災地の住民2人にお話を聞きます。
1人目は福岡県東峰村の職員で村のツーリズム協会の会長も務める小野豊徳さん。「当日の天気予報は曇りだった。これほどの大雨が降るとは、だれも予想していなかった」と小野さん。役場の職員として、冠水する道路で車を誘導したり、水道の復旧作業に従事しながら、SNSで村の状況を発信し続けています。
2人目は福岡県朝倉市杷木林田地区で、自ら災害対策本部を立ち上げ、住民に支援物資を配ったり、力仕事を手伝ったりして奔走している時川匡樹さん(29)。この地区は豪雨で川の流域が変わってしまい、道路だった場所に川が流れ、田畑が水に浸かり、流木が積み上がり、風景が一変しました。「今いちばん必要なのは人手」と話す時川さんに、住民の様子と必要な支援について聞きます。
 
JNN・JRN共同災害募金では、九州北部の被災者救援のため、皆さまからの義援金を受け付けています。
◆振込先は、
三井住友銀行 赤坂支店
口座番号は、普通口座9256720(繰り返し)
口座名は、 「JNN・JRN共同災害募金 平成29年九州北部豪雨災害義援金」
お寄せいただいた義援金は、全額、日本赤十字社を通じて、被災された方々のお手元に届けられます。皆さまのご協力をお願いいたします。
なお、三井住友銀行以外の金融機関から振り込む場合は、振込み手数料がかかります。ご了承下さい。
 
野村朋未のひとこと
被災地の皆さまにお見舞い申し上げます。
「人手が足りない」というお話がありました。ボランティアに行こうとお考えの方も多いかと思いますが、食料や宿泊場所など自身で確保できるかなど被災地の情報をつかんでから現地へ向かってください。
さまざまな支援の形があるので、できる範囲のできることを私もしたいと思います。


第1074回「九州豪雨〜広がる被害」
ゲスト:気象予報士 吉村真希さん

川が氾濫して道路や田畑に水があふれ、土砂崩れが民家を襲い、散乱した流木が道路をふさいで救助を阻む。目を疑うような九州豪雨の被災地の光景です。福岡県と大分県には大雨特別警報が出され、一時は44万人に避難指示が発令されました。死者の数は増え続け、いまだ行方不明や連絡のとれない人もいて、懸命の捜索・救助作業が続いています。
台風が去った後、なぜこれほどの雨が降ったのでしょうか。雨雲が数時間にわたって同じ場所にとどまり猛烈な雨を降らせる「線状降水帯」という言葉も知られるようになりましたが、一時的に大雨が降る現象は、ここ数年、頻繁に発生しています。なぜでしょうか。私たちはどのように備えればよいのでしょうか。気象予報士の吉村真希さんにお話を聞きます。また、ヘリコプターで大分県日田市を上空から取材した上田崇順アナウンサーの報告もあります。 
 
千葉猛のひとこと
九州豪雨ですが、一刻も早く、被災地の方々が安心できる状況になってほしいと願っています。そして、同様の豪雨は近畿でも発生する可能性があります。備えなければなりません。気象庁のホームページに危険を知るための様々なデータがあることを知りましたので、普段から見ておきたいと思います。

第1073回「被災地に駆けつける福祉の専門家チーム」
ゲスト:京都DWAT・京都府健康福祉部 副課長 宮村匡彦さん
    特別養護老人ホーム・同和園 園長隊員 竹田史門さん

今回は、「災害派遣福祉チーム DWAT(ディーワット)」をご紹介します。「Disaster Welfare Assistance Team」の略で、社会福祉士や介護福祉士など福祉資格を持つ人で編成され、大規模災害時に、被災地の避難所に出向いて、障害者や高齢者を支援します。
2011年の東日本大震災では、福祉施設や介護職員ら自身も被災し、避難所での要援護者へ支援が行き届かなかった事案が多くありました。また、他県から派遣された支援員も、福祉的な知識を持ち合わせていないことがあり、専門家派遣の必要性が指摘されてきました。
全国でDWATを整備している都道府県は半数ほどですが、研修を重ねて、実際に被災地へ派遣できるレベルのチームは、多くありません。番組では、全国に先駆けて2014年度から「京都DWAT」を編成する京都府健康福祉部の宮村匡彦(まさひこ)副課長と、隊員の竹田史門(しもん)さん(特別養護老人ホーム・同和(どうわ)園(えん)園長)にお話を聞きます。京都府は、去年4月に発生した熊本地震で、隊員を益城町の避難所に派遣。福祉相談コーナーを設けて相談に応じるだけでなく、避難所周辺の段差や割れ目を補修するなどバリアフリー化を行いました。福祉の目線で、被災地のニーズに応じた支援を行うことの大切さをお伝えします。
 
野村朋未のひとこと
こうしたチームが全国に先駆けて関西の京都にあるという事で心強く感じるとともに、どの地域にもなぜもっと早く整備されないのだろうという思いもあります。専門的な知識を持つメンバーが縦に横につながる事で、大変きめ細かな支援が可能になるという事ですから、全国的に広がることを期待したいです。

第1072回「災害を女子力で乗り切ろう」
ゲスト:神戸学院大学「防災女子」 大西恵奈さん(4年生) 澤田萌さん(3年生)

「女子力」を武器にして、防災普及活動に取り組む神戸の女子学生たちがいます。神戸学院大学の女子学生が2014年に結成したグループ「防災女子」は、缶詰や冷凍野菜、乾物などの保存食を使って、災害時にも作れる食事のレシピを考案し、防災イベントを通じて広めています。お腹を満たすだけではなく、一手間加えて栄養や彩りを考えた災害食の数々には、女性ならではの目線があります。食材として使う保存食は、普段から定期的に食べて買い足すことで、常に新しいものが備蓄できます。
メンバーの澤田萌さんは「防災って男の人のイメージが強いけど、もっと女性が参加しやすい雰囲気を作りたい」と話します。リーダーの大西恵奈さんは「女性向け非常持ち出しセットを開発したい」と新たな活動にも意気込みます。「防災女子」のメンバーをスタジオに迎え、災害時に作れる食事のレシピや備蓄のコツについて聞きます。

千葉猛のひとこと
スタジオで実際に作った「さばとひじき、ほうれん草のマヨネーズ和え」は抜群に旨く、放送後もパクパク食べました。特別な備蓄食でなく普段家にある材料だけで、火も水も使わず、ポリ袋ひとつで非常時に美味しい料理ができるとは。しかも紙でお皿まで作ってしまうなんて「防災女子力」すごい!感服です!

第1071回「大阪の超高層ビルで大地震が起きたら」
電話出演:名古屋大学減災連携研究センター長 福和伸夫さん

超高層ビルが乱立する都市部。近年、大阪でも、市内を中心に20階建て以上のタワーマンションの建設が相次ぎ、超高層ビルは増加し続けています。
超高層ビルは、大きくゆっくりとした揺れの「長周期地震動」で揺れやすくなる傾向があります。東日本大震災では、震源から770キロメートル離れた、大阪市住之江区の大阪府咲州庁舎(地上55階建て)で、2.7メートルの揺れを記録しました。また、超高層ビルは、揺れが収まるまでに時間を要します。マグニチュード9の南海トラフ巨大地震が起きると、大阪では7分間以上も揺れが収まらない建物があると指摘されています。
長周期地震動に詳しい名古屋大学減災連携研究センター長の福和伸夫さんに、大阪の超高層ビルで揺れやすい地震と、その対策について聞きます。
MBSラジオスペシャルウィークのプレゼントもありますので、ぜひお聴きください。
 
野村朋未のひとこと
大阪の超高層ビルは『プリンのようなやわらかい地盤にコンニャクのようなビルが建っているようなもの」と福和さんは表現されています。大きな地震があった 時に”共振”し高層ビルはどのように揺れるのか。それを知って心構えを持っておくことや、防災・安全への意識を高めておくことが大切だと思います。