第1437回「災害時の自治体職員の健康をどう守る?」
オンライン:産業医科大学 災害産業保健センター 講師/産業医 五十嵐侑さん

能登半島地震からまもなく4か月を迎えます。被災地では復興に向けて対応する自治体職員の多くが長時間労働で疲弊しています。輪島市では、1月の残業時間が「過労死ライン」と言われる100時間を超えた職員が8割にものぼりました。
被災地で調査・支援にあたった「産業医科大学災害産業保健センター」によると、通常業務のほかに、支援物資の受け入れなどの業務が加わり、泊まり込む職員や家族が被災し避難所から通勤するケースもあるといいます。また罹災証明の発行をめぐり、住民からの問い合わせ等で矢面に立つ精神的疲労も大きいそうです。
災害時の自治体職員の健康をどう守ればいいのか?「産業医科大学災害産業保健センター」講師で産業医の五十嵐侑さんに聞きます。
  
(番組内容は予告なく変更する場合があります)

第1436回「災害ボランティアのこれから」
ゲスト:大阪大学大学院 准教授 宮本匠さん

阪神・淡路大震災が発生した1995年は「ボランティア元年」と言われ、その後の災害では多くのボランティアが被災地支援で活躍しました。しかし、能登半島地震では「自粛ムード」の強まりや行政による「統制」などもあり、さまざまな課題が浮き彫りになりました。
災害ボランティアに詳しい大阪大学大学院の宮本匠准教授は「本来ボランティアは自発的な行動で、行政に統制する権限はない」として、能登半島地震でのあり方に疑問を投げかけています。
日本では昔から人々は助け合って生きてきました。特に核家族化や高齢化の進む現代では、ボランティアの力は災害時の希望にもなります。番組では災害ボランティアのこれからについて、宮本匠准教授に詳しく聞きます。
  
西村愛のひとこと
瓦礫の撤去や家の片付けだけでなく"足湯とマッサージで被災した方の心を癒しながらニーズを聞き出す"という活動など、様々な団体がありますね。活動団体を調べてみると"私にも出来ることが色々ある!"と思いました。今後はボランティアの拠点が増えるなど、支援の輪が広がる仕組みづくりも進んでほしいですね。

第1435回「熊本地震8年~生活の場としての避難所運営」
オンライン:NPO法人「益城だいすきプロジェクト・きままに」代表理事
吉村静代さん

4月14日、熊本地震から8年を迎えます。熊本地震では災害関連死が犠牲者の8割を占めるなど、避難後の生活環境の大切さが浮き彫りになりました。熊本で活動するNPO法人「益城だいすきプロジェクト・きままに」代表理事の吉村静代さんは地震発生直後から避難所運営にあたった1人です。
避難所では「自分たちのことは、自分たちでやる」をモットーに高齢者や乳幼児、女性などの専用スペースを設置。段ボールベッドをテーブルや椅子に改良して食事スペースを作ったり、畳敷きの語らいの場を「カフェ」として設けるなど、避難所を"生活の場"に近づける努力をしました。その結果、4か月間の避難生活で生まれた「繋がり」が仮設住宅へと続き、孤独死や関連死を防げたといいます。
能登半島地震の被災地でも支援活動を行った吉村さんに避難所運営のあり方や能登半島地震の支援活動で感じた問題点などを聞きます。

西村愛のひとこと
避難者の方々に、掃除など様々なお願い事をすることでコミュケーションが生まれていった。と、吉村さん。1ヶ月経った頃には、仲良くなっていたそうです。避難所で余った段ボールで食堂を作り、ゆっくり語り合える場所を生み出したというのも素敵な取り組みですね。災害関連死を防ぐためにも、心が元気になる場所作りが必要だと感じました。

第1434回「災害時のラジオ~共感放送の役割~」
ゲスト:毎日放送報道情報局 大牟田智佐子さん

大きな災害が起こったとき、みなさんはどこから情報を得ますか。新聞・テレビ・ラジオ・インターネットなどのメディアに加え、SNSを中心とした情報発信ツールが増えた今、時には誤った情報やデマが流れることもあります。
災害に遭い被災した人は生活を立て直すための日常に追われ、溢れる情報の中から自分に必要な正しい情報を取り出すことが困難です。そんな被災者に寄り添った"ラジオにしかできない災害放送"があります。
番組では、大災害とラジオに関する研究を行い、ラジオならではの災害放送"共感放送"という概念を提唱している元番組プロデューサーの大牟田智佐子さん(毎日放送報道情報局)に災害時のラジオの役割について聞きます。

大牟田 智佐子 著
「大災害とラジオ 共感放送の可能性」

https://www.nakanishiya.co.jp/book/b10046071.html

西村愛のひとこと
熊本で被災した方々と話した時、"ラジオに勇気づけられた"という声をよく聞きました。 心と心がつながる放送だからこそ"共感放送"が生まれる。東京のリスナーが熊本で被災した人のために市役所に問い合わせて情報を番組に送ったことも!番組を通じて、チームのように絆が生まれているんですね。

第1433回「鉄道乗車中の津波避難」
取材報告:MBSラジオ報道デスク 横矢桐の 
ゲスト:和歌山大学 教授 西川一弘さん

列車に乗っているときに大きな地震が起こったら、津波からどのように避難すればよいのでしょうか。和歌山県南部の海岸線を走るJRきのくに線(和歌山~新宮)は、津波浸水想定区間が全線の35%を占めます。南海トラフ地震が発生すると5~10分で津波が到達すると想定される区間もあり、素早い避難が求められます。
 紀伊半島の自然や歴史・文化を学びながら、いざというときの津波避難訓練を行う列車ツアーがあります。1月に行われたツアーを取材しました。参加者は串本駅から列車に乗り込み、新宮駅の手前で地震が発生した想定で避難訓練を行いました。乗務員が列車の扉を開けると、乗客は列車から飛び降りて高台へと走ります。高さ約150センチから飛び降りることができない人のために、各車両に避難用のはしごが備え付けられています。乗務員はひとりしかいないので、乗客が自分で設置します。
体の不自由な人は避難できるのか、乗客が逃げる方向を瞬時に判断できるのか、夜間や雨天など悪条件のときはどうなのかなど課題は山積で、これからも訓練と改善を続けていく必要があります。このツアーを企画し鉄道防災教育に取り組む和歌山大学の西川一弘教授に話を聞きます。
 
鉄道防災教育・地域学習列車「鉄學」
https://tetsugaku-train.com/
 
「ハッピーラッシュ♪♪♪vol.32 ~能登半島地震チャリティイベント~」
4/7 (日) @ 心斎橋 FootRock&BEERS
12:00start/15:00ごろ終演予定
出演:門松良祐/Bloom Works/有馬尚史(映像作家)
映像や写真を見ながらトーク&音楽ライブです
能登半島地震で被災したお店の商品や防災食も販売します
イベント収益は、石川県・珠洲市の義援金に寄付します
  
【ご予約・お問合せ】FootRock&BEERS
06-6282-1120(17:00~22:00)

https://footrock.jp/schedule/20240407/
   
西村愛のひとこと
乗務員の方の指示を待つだけではなく、 扉が開いたら、自分の判断で素早く逃げる!"扉のところに座ってから飛び降りると、目線の高さが低くなるので、飛び降りやすい"とのこと。海沿いの沿線を走る電車に乗る時は 、乗車中に津波からの避難をするシミュレーションをしておく事も大切ですね。

第1432回「災害時の医療ボランティア」
取材報告:亘佐和子プロデューサー

災害が発生すると、医療機関には平常時の何倍もの患者が来る可能性があります。
一方で医療スタッフは、自身や家族の被災、道路の寸断などで出勤できず、病院は機能しないかもしれません。そんな事態に備えるひとつの試みを紹介します。
「西宮浜」は人口約7000人の人工島です。西宮市の中心部とは西宮大橋でつながっています。この橋が地震で壊れたり浸水で通れなくなったりすると、孤立する恐れがあります。島で唯一の病院の医師や看護師は、みな西宮浜の外に住んでいます。
そこで発足したのが「医療ボランティア」です。西宮浜に住む医療従事者がボランティアとして登録。災害時は西宮浜の避難所か病院の中に応急救護所を開き、診療を行うというものです。現在、十数人が医療ボランティアとして登録していて、先月の防災フェスタで、初めて訓練を行いました。
 ケガをした人、急性心筋梗塞をおこした人、認知症の高齢者など、さまざまな患者を想定し、消防局の救急隊員も参加しての訓練。医療ボランティアの可能性と課題について、訓練を取材した記者が報告します。

「ハッピーラッシュ♪♪♪vol.32 ~能登半島地震チャリティイベント~」
4/7 (日) @ 心斎橋 FootRock&BEERS
12:00start/15:00ごろ終演予定
チケット代の中から経費を除いた全額を能登半島地震の被災地で被災者支援の活動をしている団体に寄付します
【ご予約・お問合せ】FootRock&BEERS
06-6282-1120(17:00~22:00)

https://footrock.jp/schedule/20240407/
   
西村愛のひとこと
「医療ボランティア」素晴らしいアイデア!だなと感じましたが、課題もたくさん。その課題がわかったのが今後の大きな備えになりますね。"認知症の家族がいるなら、いつも携帯している身分証にアレルギーや自宅の住所、家族の連絡先を書いた紙を入れておく。"という私たちができる備えもあるんですね。

第1431回「東日本大震災13年【2】~震災の記憶を世界に発信」
オンライン:震災遺構・門脇小学校 館長 リチャード・ハルバーシュタットさん

宮城県石巻市の門脇(かどのわき)小学校は、13年前の東日本大震災で大きな津波に襲われました。学校にいた児童や教職員らは裏山へと避難し全員無事でしたが、津波火災が発生した校舎は炎に包まれ、ほぼ全焼しました。
石巻市は門脇小学校の校舎の一部を残し、津波火災の痕跡を残す唯一の震災遺構にして、災害の教訓を伝え続けています。館長は、イギリス人のリチャード・ハルバーシュタットさん。英語でのガイドもできるため、多くの外国人も訪れるようになりました。
リチャードさんは、震災発生当時、石巻市で英語教師をしていました。福島第一原発事故などを受け、本国から帰国を勧められましたが、石巻市に残る決断をしました。番組では、リチャードさんに、日本に残った理由や、震災から13年経って世界に向けて伝えたい思いを聞きます。
 
石巻市震災遺構門脇小学校
https://www.ishinomakiikou.net/kadonowaki/

「ハッピーラッシュ♪♪♪vol.32 ~能登半島地震チャリティイベント~」
4/7 (日) @ 心斎橋 FootRock&BEERS
12:00start/15:00ごろ終演予定
出演:門松良祐/Bloom Works/有馬尚史(映像作家)
映像や写真を見ながらトーク&音楽ライブです
能登半島地震で被災したお店の商品や防災食も販売します
イベント収益は、石川県・珠洲市の義援金に寄付します
  
【ご予約・お問合せ】FootRock&BEERS
06-6282-1120(17:00~22:00)

https://footrock.jp/schedule/20240407/
  
西村愛のひとこと
石巻の大学で教鞭を取っていたイギリス人のリチャードさんだからこそ、外国の方にも日本の方々にも、東日本大震災を伝えることができる。目を見て言葉で伝えるからこそ、震災が身近になり防災意識も高まっていくんだろうなと思います。私もリチャードさんのお話を聞きに石巻に行きたくなりました!

第1430回「東日本大震災13年【1】~両親を亡くした大学生の想い」
オンライン:岩手県陸前高田市出身の及川晴翔さん

東日本大震災で親を亡くした子どもは約1800人、そのうち両親とも亡くした子どもは約240人にのぼります。6歳で両親を亡くし、今年成人式を迎えた岩手県陸前高田市出身の及川晴翔さんに話を聞きます。
及川さんが被災したのは小学1年生の時。2歳上の兄らと一緒に学校から高台に避難しました。しかし、両親はしばらくして遺体で発見されました。母親は夜勤明けで自宅におり、心配して帰宅したトラック運転手の父親と共に津波に巻き込まれたとみられます。
まだ幼かった及川さんは、両親がいなくなったことを理解できずにいました。しかし、授業参観や運動会にも両親の姿はなく、「小学校3・4年生くらいで少しずつ現実を受け止められるようになった」と話します。
そんな及川さんを育ててくれたのは、現在80歳になる祖母の五百子(いよこ)さんでした。母親に代わって毎日弁当を作り、「大丈夫だよ」と励まし続けてくれたそうです。今年20歳になる及川さんは、陸前高田市の「二十歳のつどい」で、祖母への感謝の手紙を読み上げました。
及川さんは、仙台市の大学で、防災の知識やまちづくりについて学ぶ「地域学」を専攻しています。「将来は地元に戻って、故郷の発展に役立ちたい」と語る及川さんに、東日本大震災から13年を迎える今の想いを聞きます。

西村愛のひとこと
ご自身の成長と共にご両親が亡くなった事を理解していったという及川さん。大きな悲しみの中でもおばあさまの愛情に支えられたからこそ、まっすぐに育ってこられたんですね。大学卒業後は、地元の復興に貢献したいとのこと。今後の陸前高田市の復興のようすを、ますます注目していきたいなと思いました。

第1429回「能登半島地震2か月~子どもの居場所とケア」
オンライン:NPO法人カタリバ 稲葉将大さん

能登半島地震の発生から2か月が経過し、子どもたちにも長期化する避難生活のストレスがのしかかっています。避難所で過ごす間は、大人に遠慮して、大きな声や笑い声が出せません。子どもにとって遊ぶことや体を動かすことは日常なので、それができないストレスで眠れない場合もあります。
NPO法人「カタリバ」は、1月3日から被災地に入り、子どもの支援活動を開始。避難所とは別に、子どもが安心して過ごせる居場所を石川県内に7か所開設しました。七尾市では、市のコミュニティセンターの図書室を開放し、トランポリンなどで体を動かせるゾーン、勉強や読書ができるゾーンなどを設置しています。家の片づけに追われたり、仕事再開で預け先に困っていたりする保護者も多く、1日平均で20人前後が利用しています。
子どもたちは「津波が怖かったよ」と体験を話すなど、少しずつ現実を受け入れているものの、余震が続く中、落ち着きをなくし、親と離れたがらないなど、いまだ不安な日々を過ごしています。また、今回の地震では家族と離れての「集団避難」が実施され、その課題も浮き彫りになりました。今後必要な子どものケアや支援について、NPO法人カタリバの稲葉将大さんに聞きます。
 
認定NPO法人カタリバ
https://www.katariba.or.jp/

令和6年能登半島地震災害義援金
三井住友銀行 赤坂支店
口座番号:(普)9830511 
口座名 :「JNN・JRN共同災害募金」

JNN・JRN共同災害募金では、この災害で被災された方々を支援するため、
みなさまからの義援金を受け付けています。
義援金は全額、日本赤十字社を通じて被災地に届けられます。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/925674?display=1
  
西村愛のひとこと
余震には慣れてきたけど、緊急地震速報のアラームが鳴ると、パニックになって大泣きしてしまう子どもたちがいるというお話も。生活環境の変化で感じるストレスや疲れが出てくる中、カタリバさんの『居場所』があるからこそ、子どもたちも、保護者のみなさんにも心の余裕が生まれています。日常を取り戻すために大切な場所ですね。

第1428回「冬の地震 寒さへの備え」
ゲスト:国際災害レスキューナース 辻直美さん

元日に発生した能登半島地震では、電力などのライフラインが途絶える中、厳しい寒さが被災者を苦しめました。29年前の1月17日には、阪神・淡路大震災。東日本大震災は、3月11日に発生しました。昭和東南海地震(1944年)・南海地震(1946年)も12月の寒い時期に発生しています。
冬場に大きな地震が発生すると、揺れや津波から逃れられても、寒さが原因で命を落とすことがあります。国による日本海溝地震の被害想定では、
低体温症で死亡するリスクのある人が、最大およそ4万2000人いると試算されています。南海トラフ地震でも、冬に発生すれば低体温症になる可能性があります。
寒さには衣類やグッズで"備える"ことが出来ます。家にある新聞紙やレインコートなどを簡単に防寒具に変えることもできます。番組では、冬の災害時に命を守る"寒さへの備え"と、健康を維持するための避難所での過ごし方について、国際災害レスキューナースの辻直美さんに聞きます。
 
「ハッピーラッシュ♪♪♪vol.32 ~能登半島地震チャリティイベント~」
4/7 (日) @ 心斎橋 FootRock&BEERS
12:00start/15:00ごろ終演予定
チケット代の中から経費を除いた全額を能登半島地震の被災地で被災者支援の活動をしている団体に寄付します
【ご予約・お問合せ】FootRock&BEERS
06-6282-1120(17:00~22:00)

https://footrock.jp/schedule/20240407/
  
西村愛のひとこと
"新聞紙や、雑誌のざらばん紙をくしゃくしゃにして、手首・首・足首・腰などに巻き付ける。その上にアルミホイルやゴミ袋をまくと熱が逃げない。"など、家にあるものが大活躍!! 特に寒さに鈍感になっている高齢者の方には『寒くない?』の声かけが必要です。日頃から声をかけてもらいやすい"ええ感じの人"になることも大事ですね!