第1096回「住まいの耐震化」
ゲスト:神戸市「人と防災未来センター」主任研究員 一級建築士 荒木裕子さん

阪神・淡路大震災の発生から来月17日で23年を迎えます。大震災では6434人が死亡・行方不明となり、死因の約8割が、建物の倒壊などによる圧死でした。がれきの下から助け出された人の中には、今も後遺症を負って生活している人がいます。
大地震による死者や負傷者を減らすためには、建物の耐震化を進めていくことが重要です。国土交通省による2013年の調査では、全国の住宅の耐震化率は82%で、2020年には少なくとも95%にすることを目標にしています。
ただ、自分の住む家は耐震性があるのかどうか、そして、耐震化工事にどれくらいの費用がかかるのかわからずに踏み出せないという人も多いでしょう。多くの自治体では、住宅の耐震診断や耐震補強工事に補助を行っています。また、家全体を改修しなくても、部分的に改修する方法もあります。
番組では、神戸市の「人と防災未来センター」主任研究員で一級建築士の荒木裕子さんをゲストに招き、住宅の耐震化は何から始めたらよいのか、どんな工事の方法があるのか、費用はどれくらいかかるのか等、素朴な疑問点をうかがいます。

(番組内容は予告無く変更する場合があります)

第1095回「福島を思い続けるカレンダー」
ゲスト:グラフィックデザイナー・水戸晶子さん
ゲスト:原発事故避難者・阿部小織さん

12月に入り、そろそろ来年のカレンダーを準備する時期です。今週は、カレンダーを購入すれば、原発事故で大きな被害を受けた福島の子どもたちの支援に繋がるという「応援カレンダープロジェクト」を紹介します。このカレンダーは、長谷川義史さんや市居みかさんなど、趣旨に賛同した絵本作家12人の作品を月替わりで掲載したもので、1部1000円で販売されています。「原発問題は“大人の責任”であり、未来ある子どもたちには何の罪もない」という思いから、収益金は、福島の被災地の子どもや家族の支援に充てられます。2016年は原発事故による健康被害の損害賠償を求めて国を訴えた原告の親子や支援者らに、2017年は原発事故後に甲状腺がんを患った親子を支援する団体に、それぞれ寄付されました。3年目を迎える今回は、「子ども被災者支援基金」に、収益金が寄付される予定です。
このプロジェクトの仕掛け人となったグラフィックデザイナー・水戸晶子さん(大阪・高槻市在住)をゲストに迎え、関西からこの取り組みを始めた理由や、子どもたちへの思いについて話をしていただきます。また、実際に福島から京都に母子避難していて、このカレンダーを毎年購入しているという阿部小織さんに、原発事故で避難を余儀なくされた思いや今の生活について聞きます。
  
12人の絵本作家が描くおうえんカレンダー 
http://www.crayonhouse.co.jp/shop/g/g2203090006589/

千葉猛のひとこと
こんなこと言うのはなんですが、原発事故被災者支援と大きく振りかぶらなくても「12人の絵本作家が描くおうえんカレンダー2018」はお買い得だと思いました。私も買いました。カレンダーの役目を終えても、絵として長く楽しめます。これが支援になるのは素晴らしいですね。毎年売り切れる理由がわかります。

第1094回「いのちの授業〜東日本大震災の遺族からのメッセージ」
取材報告:MBS 千葉猛アナウンサー

今月11日、大阪・堺市の小学校で、「いのちの授業」が行われました。講師は、東日本大震災で当時25歳の息子を亡くした田村孝行さんです。田村さんの息子の健太さんは、宮城県女川町の銀行で働いていました。震災で町は20メートル近い津波に襲われましたが、銀行の裏には、走れば1分でいける高台があり、数百人がそこに避難して助かりました。しかし、健太さんの勤める銀行では、支店長が屋上への避難を指示。行員全員が津波に流され、奇跡的に助かったひとりを除く12人が死亡・行方不明となりました。時間は十分あったはずなのに、なぜ、高台に逃げなかったのか。田村さんは今も、納得がいきません。
裁判で銀行の法的責任は認められませんでしたが、田村さんは、二度とこのような悲しいことがおこらないようにと、自らの経験と思いを各地で語っています。堺市の小学校での授業は、女川町を訪れた保護者が「田村さんの話を子どもたちに聞かせたい」と提案し、実現しました。「自分の頭で考えてとにかく逃げる」「自分の命は自分で守る」というのが、田村さんのメッセージです。子どもたちはどう受け止めたのか、千葉猛キャスターが取材しました。

野村朋未のひとこと
田村さんのメッセージ「自分の命は自分で守る」大切なことだと思います。もちろん身勝手な行動はできませんが、日頃から自分たちの家や職場、様々な場所で”災害にあったらどう避難するのか、どう行動するのか”を考え、みんながどう考えているのか話し合っておかなければと感じました。

第1093回「都市災害に備えて〜帰宅困難者対策を考える」
電話出演:東京大学大学院 准教授 廣井 悠さん

都市部で災害が発生した際に問題となる「帰宅困難者」。勤務先や外出先で災害に遭遇して自宅に帰れなくなる人のことを言います。東日本大震災では交通機関が寸断され、長い時間をかけて徒歩で帰宅した人が大勢いました。この経験をふまえ、東京都では、2013年4月に「帰宅困難者対策条例」を施行しました。首都直下地震では、約650万人の帰宅困難者が発生すると想定されています。
「帰宅困難」への対策は、職場に歩きやすい靴を備えておいたり、自宅への徒歩ルートを知っておくこと、と考えている方も多いのではないのでしょうか。もちろん大切なことですが、これだけでは十分な対策とは言えません。徒歩で帰宅する人たちが路上にあふれると、緊急車両の走行に支障を来たすだけでなく、群衆雪崩の危険もともないます。この問題に詳しい東京大学大学院の廣井悠准教授は、「帰宅困難者対策は、スムーズに帰宅させるための対策ではなく、渋滞をどう解消するかという対策」と話します。東京都の条例では、事業者に従業員の一斉帰宅の抑制を求めています。その為には、事業所での食料備蓄や安全対策、連絡手段の確保も必要です。
廣井准教授と電話をつなぎ、帰宅困難者対策で一歩進んでいる東京を例に、関西での対策の現状や必要なことを考えます。
 
千葉猛のひとこと
東京で約700万人、大阪でも約200万人が帰宅困難になるというのは改めてびっくりでした。昼間のオフィス街の人の数はすごいですからね。大都市で大地震にあった場合「一刻も早く帰宅行動をとる」のではなく「職場や外出先では『その場に踏みとどまる』」という「発想の転換」の必要性がよくわかりました。

第1092回「瓦屋根の耐震性」
ゲスト:淡路瓦工業組合 専務理事 竹澤英明さん

今週は、「瓦屋根の耐震性」について取り上げます。瓦は、私たちの暮らしを、雨や風などから守ってくれる大切な存在です。ただ、“瓦が地震に弱い”という話を耳にしたことはありませんか?

これは、1995年の阪神・淡路大震災で瓦屋根の住宅の倒壊映像が全国に流れたために定着したイメージです。しかし、実際には瓦屋根の重さが原因で耐震性が悪化することはないという事実が、コンピューターによるシミュレーション実験で、科学的に立証されています。
2001年からは、「ガイドライン工法」が推奨され、昔ながらの「土張り」だけではなく、幾重にも頑丈に固定されるようになり、揺れで落ちる心配もなくなりました。また、「瓦の重さで家屋が潰れるのでは…」という不安に対しても、最近は瓦屋根の軽量化が進み、その重量は およそ1/3にまで軽くなりました。

ただ、1981(昭和56)年以前に建設された古い耐震基準の瓦屋根住宅は、瓦の葺き替えを行い、屋根の軽量化だけでなく、家屋自体の耐震化も必要となってくるため注意が必要です。

日本家屋にとって非常に大切な瓦屋根。地震でも本当に大丈夫なのか?瓦屋根とどう付き合っていくべきなのか?業界団体である「淡路瓦工業組合」専務理事の竹澤英明さんに聞きます。

野村朋未のひとこと
地震で瓦が落ちた映像や写真などから「瓦は地震に弱い」と勝手に思い込んでいました。”瓦礫”(がれき)という文字もそのイメージがつきやすいんです、と竹澤さんはおっしゃっていました。「ガイドライン工法」で日本の気候風土にあった昔ながらの瓦屋根を安全に使うことが出来るんですね。

第1091回「台風接近!そのとき役に立つ情報は?」
ゲスト:MBS気象情報部 気象予報士 吉村真希さん

台風が日本列島に接近することはほとんどなくなるはずの10月末、2週間連続で台風がやって来ました。特に22日(日)の夜に近畿に最接近した台風21号では、大和川や由良川、桂川など多くの河川が氾濫危険水位に達し、避難指示や避難勧告も各地で出されました。さまざまな情報が一気に出てくるので、どのように情報収集をすればいいのかわからなかった方も多いのではないでしょうか。今回は気象予報士の吉村真希さんお勧めの「台風接近時に役立つ情報サイト」をご紹介します。
吉村さんがまず教えてくれたのは、気象庁のホームページの「危険度分布」です。土砂災害に関しては「土砂災害警戒判定メッシュ情報」、大雨に関しては「大雨警報(浸水害)の危険度分布」、洪水に関しては「洪水警報の危険度分布」を見れば、自治体の境目に関係なく、地図上での色分けで、お住まいの地区の危険度がわかります。特に「洪水警報の危険度分布」は、地図に河川が細かく描きこまれていてわかりやすいです。
https://www.jma.go.jp/jp/suigaimesh/flood.html
吉村さんのもうひとつのお勧めは、各都道府県のホームページで見られる「河川カメラ」です。検索サイトで、お住まいの都道府県の名前と「河川カメラ」の文字を打ち込んでみてください。河川のリアルタイムの映像が見られるので、水位がどれぐらい上がっているか、流れの速さはどうか、自分の目で確かめることができます。
大阪府の河川カメラ
http://www.osaka-pref-rivercam.info/
台風接近の際、テレビやラジオの情報に十分注意していただくのはもちろんですが、さらに地域を限定した詳しい情報を集めたい場合は、今回の放送を参考にしてください。

千葉猛のひとこと
都道府県ホームページの「河川カメラ」興味深いです。私の家の近くの川の映像もリアルタイムで確認できました。また気象庁のホームページの大雨警報などの「危険度分布」情報は、地図に危険度が色分けされているので一目でわかります。時間のある時に一度実際に見てください。「ほ〜ぉ」と感心しますよ。

第1090回「予知困難〜南海トラフ巨大地震対策を見直し」
ゲスト:京都大学防災研究所 地震予知研究センター 教授 橋本 学さん

政府の中央防災会議の作業部会は、9月26日、南海トラフ巨大地震の対応のあり方についてまとめた最終報告書で、現行の対策を改める新たな防災対策の必要性を示しました。これまで前提としてきた「地震の予知」に基づく防災対策が、約40年ぶりに見直されることになったのです。
東海地震の発生が叫ばれはじめた1978年、大規模地震対策特別措置法(大震法)ができました。これは、東海地震の「予知情報」に基づいて、首相が警戒宣言を発令し、住民避難や公共交通機関の停止などを実施するというものです。しかし、近年になり、東海地震に限らず南海トラフ全体で大規模地震の発生が切迫していることや、地震の予知そのものが、現在の科学的知見では難しいことがわかってきました。現行の対策を改める必要があるとした最終報告書を受けて、政府は「警戒宣言」を事実上凍結しました。当面は、南海トラフ沿いで異常な現象をとらえた場合に気象庁から関連情報が発表されることになりました(11月1日運用開始)。
異常現象を知らせるという新たな情報提供は、予知とはどう違うのでしょうか。住民の事前避難に生かせるものなのでしょうか。疑問点はたくさんあります。国の「南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性に関する調査部会」メンバーで、京都大学防災研究所教授の橋本学さんをゲストに迎えて、お話を聞きます。
 
野村朋未のひとこと
地震について「科学の力で確度の高い予知をすることは難しい」というお話でした。
では、どうすれば良いのか?
情報を自分から取る事や避難についての確認をしておくこと、橋本さんがおっしゃっていた通り普段から自分の周辺を観察して知っておくことなど。
「自分の力」をつけていく事が大切だなと感じました。

第1089回「感震ブレーカー〜地震後の火災を防ぐために」
ゲスト:大阪府池田土木事務所地域支援・企画課 副主査 太田宏美さん
ゲスト:大阪府建築防災課 総括主査 高橋由起さん

今日は、「感震ブレーカー」について取り上げます。感震ブレーカーは、地震の揺れを感知して、自動的に電源を落とし、通電を遮断してくれる装置です。電気工事で分電盤に直接取り付けるタイプから、コンセントに取り付けるタイプ、さらには3000円程度で売られている簡易タイプまで、値段や種類も様々です。阪神・淡路大震災、東日本大震災のどちらも、出火原因が特定された火災の過半数が、電気系統の出火でした。「地震で本棚が倒れて、雑誌が電気ストーブ周辺に散乱し、停電した状態から通電した際に、ストーブの火が着火して火災が発生した」という事例も報告されています。
地震の“二次災害”として大きな被害を招く火災ですが、「密集市街地」では、より被害が拡大しやすく、内閣府なども感震ブレーカーの設置を勧めています。そして実は、国土交通省が指定する「地震時等に著しく危険な密集市街地」の面積では、大阪府が全国ワースト1と、特に注意が必要な地域でもあります。
住宅の建替えなどに比べ、「感震ブレーカー」の設置には時間もお金もかかりません。その性能から値段、今後の課題まで、大阪府池田土木事務所の太田宏美副主査と、大阪府建築防災課の高橋由起総括主査に、詳しく教えていただきます。
 
感震ブレーカーについて(大阪府のホームページ)
http://www.pref.osaka.lg.jp/jumachi/misshu/kanshin.html
 
千葉猛のひとこと
「感震ブレーカー」設置は自分の家だけではなく、地域全体を「地震火災」から守ることにつながります。ぜひぜひ設置してほしいと思いました。願わくはもう少し価格が安くなってくれるといいのですが。行政の購入補助制度がもっと多くの自治体で整えられて、高性能なものが入手しやすくなってほしいと思います。

第1088回「メキシコに派遣された国際緊急援助隊」
ゲスト:豊中市消防局 消防士長 小椋弘樹さん
電話インタビュー:メキシコシティ在住 歳国真由子さん

日本時間の先月20日、メキシコでマグニチュード7.1の大地震が発生しました。首都のメキシコシティは大きな揺れに襲われ、ビルが倒壊するなどして369人が亡くなりました。
メキシコシティの中心地に住む歳国真由子さんは、地震で自宅隣のビルが崩壊して危険なため、退去を余儀なくされました。地震発生から1ヵ月を前に、新たな住居を見つけてようやく引越しを終えたところです。地震で大きな被害を受けたのは中心地のごく一部の建物で、街は元通りの生活を取り戻しつつありますが、歳国さんは今も落ち着かないと話します。崩壊した自宅隣のビルでは友人が下敷きになり、亡くなりました。歳国さんに、地震発生時の様子や被災地の現状について、電話で聞きました。
また、メキシコ地震の被災地では、日本から派遣された国際緊急援助隊が人命救助にあたりました。援助隊の一員として活動した豊中市消防局の消防士長・小椋弘樹さんをゲストに迎え、メキシコでの救助活動と災害国・日本ができる国際支援についてお話を聞きます。

野村朋未のひとこと
日本の援助隊は訓練を厳しく行い、国際的にもその能力が認められているということでした。大変誇らしい気持ちになりました。災害国 日本は国の機関のレベルでも私たち個人レベルでも、その経験を伝え考え行動するという大切な役割がありそうです。

第1087回「災害時のペットの避難を支援」
ゲスト:大阪府獣医師会 会長 佐伯 潤さん

今回は、災害発生時に、犬や猫などのペットを救う災害動物医療支援チーム「VMAT」について取り上げます。VMATは、獣医師や獣看護師などで結成され、災害派遣医療チーム「DMAT」の動物版とも言える取り組みです。その活動は、ペットが飼い主と一緒に安全に避難するためのサポートから、怪我したペットの手当てや、飼い主とはぐれたペット、やむを得ず自宅に置いてきたペットの捜索や保護など、多岐に渡ります。東日本大震災以降、特にVMATの必要性が叫ばれ、各都道府県の獣医師会が結成に向けて準備を進めてきました。2013年に福岡県で初めて発足し、今年1月の大阪府が3例目です。
ペットの避難に関しては、環境省もガイドラインを作成し、各自治体に対応を求めていますが、鳴き声、臭い、感染症の不安等から避難所でのトラブルが耐えません。去年の熊本地震では、避難所に行くのをあきらめ、ペットとともに車中泊をする被災者が多く見受けられました。
長きにわたる避難生活では、ペットのストレスに関しても、人間同様にケアが必要です。 「家族の一員」と言われて久しいペットの避難。 課題はどこにあるのか?求められる活動とは?「大阪VMAT」を率いる大阪府獣医師会の佐伯潤会長に聞きます。
 
千葉猛のひとこと
私の家でも犬とカメを飼っているのですが、早速「ペット用の非常持ち出し袋」を用意しようと思っています。準備をしっかりしておけば、避難所で他の方に迷惑をかけないで済みますので。ペットも人間と同じ命のある生き物です。災害時の救助や支援体制が充分に整備されていくことを強く願っています。