第1072回「災害を女子力で乗り切ろう」
ゲスト:神戸学院大学「防災女子」 大西恵奈さん(4年生) 澤田萌さん(3年生)

「女子力」を武器にして、防災普及活動に取り組む神戸の女子学生たちがいます。神戸学院大学の女子学生が2014年に結成したグループ「防災女子」は、缶詰や冷凍野菜、乾物などの保存食を使って、災害時にも作れる食事のレシピを考案し、防災イベントを通じて広めています。お腹を満たすだけではなく、一手間加えて栄養や彩りを考えた災害食の数々には、女性ならではの目線があります。食材として使う保存食は、普段から定期的に食べて買い足すことで、常に新しいものが備蓄できます。
メンバーの澤田萌さんは「防災って男の人のイメージが強いけど、もっと女性が参加しやすい雰囲気を作りたい」と話します。リーダーの大西恵奈さんは「女性向け非常持ち出しセットを開発したい」と新たな活動にも意気込みます。「防災女子」のメンバーをスタジオに迎え、災害時に作れる食事のレシピや備蓄のコツについて聞きます。

千葉猛のひとこと
スタジオで実際に作った「さばとひじき、ほうれん草のマヨネーズ和え」は抜群に旨く、放送後もパクパク食べました。特別な備蓄食でなく普段家にある材料だけで、火も水も使わず、ポリ袋ひとつで非常時に美味しい料理ができるとは。しかも紙でお皿まで作ってしまうなんて「防災女子力」すごい!感服です!

第1071回「大阪の超高層ビルで大地震が起きたら」
電話出演:名古屋大学減災連携研究センター長 福和伸夫さん

超高層ビルが乱立する都市部。近年、大阪でも、市内を中心に20階建て以上のタワーマンションの建設が相次ぎ、超高層ビルは増加し続けています。
超高層ビルは、大きくゆっくりとした揺れの「長周期地震動」で揺れやすくなる傾向があります。東日本大震災では、震源から770キロメートル離れた、大阪市住之江区の大阪府咲州庁舎(地上55階建て)で、2.7メートルの揺れを記録しました。また、超高層ビルは、揺れが収まるまでに時間を要します。マグニチュード9の南海トラフ巨大地震が起きると、大阪では7分間以上も揺れが収まらない建物があると指摘されています。
長周期地震動に詳しい名古屋大学減災連携研究センター長の福和伸夫さんに、大阪の超高層ビルで揺れやすい地震と、その対策について聞きます。
MBSラジオスペシャルウィークのプレゼントもありますので、ぜひお聴きください。
 
野村朋未のひとこと
大阪の超高層ビルは『プリンのようなやわらかい地盤にコンニャクのようなビルが建っているようなもの」と福和さんは表現されています。大きな地震があった 時に”共振”し高層ビルはどのように揺れるのか。それを知って心構えを持っておくことや、防災・安全への意識を高めておくことが大切だと思います。

第1070回「豪雨災害からの復興〜奈良・十津川村」
取材報告:MBS 上田崇順アナウンサー

2011年9月の紀伊半島豪雨は、奈良・和歌山・三重の3県で72人が死亡、16人が行方不明となる大災害でした。奈良県・十津川村では、村営住宅が流され、7人が死亡、6人が行方不明になりました。その後は過疎化が進み、4000人を超えていた人口は約3500人に減少し、65歳以上の割合も約40%に達しました。
今回は、豪雨被害から5年半がたち、十津川村に完成した村営住宅「高森のいえ」を紹介します。多くの集落が孤立した教訓から、十津川村では「集落の再編」を進めています。地形的に安全な場所に住居や交流拠点を集約し、村唯一の老人ホームの隣に「高森のいえ」を建設しました。子育て家庭向け住宅から、高齢者向け住宅まで9世帯が入居でき、それぞれの棟が屋根付き廊下で結ばれています。また、ふれあいの広場もあり、交流スペースでは出張診療なども行われる予定です。
災害に強い居住区に福祉や医療などのサービスを集約した復興の拠点基地。孤立集落や一人暮らしのお年寄りの避難など、村が抱える問題解決の切り札となりそうですが、実際に暮らす住民の思いはさまざまです。「豪雨災害の後、もとの家は地滑りの危険があるから仕方なく」「本当はもとの家で暮らしたいが、子どもが心配するので引っ越してきた」など、複雑な気持ちを抱えながら、「高森のいえ」での暮らしを始めた高齢者もいます。災害をバネに始まった「集落再編」の取り組みを、上田崇順アナウンサーが取材・報告します。
 
千葉猛のひとこと
「新しい村営住宅は便利で生活しやすいけど、できれば、亡くした夫との思い出のある元の家で暮らしたい」という91歳のおばあちゃんの思いは心に響きました。十津川村は災害復興と同時に過疎化対策にも取り組んでいますが、住民の思いをどのように活かしていくか、どの自治体にとっても大きな課題です。

第1069回「最新の防災用品を見てきました」
取材報告:MBS 千葉猛アナウンサー、野村朋未キャスター

6月1日・2日に グランフロント大阪で開催された「震災対策技術展・大阪」の取材レポートをお届けします。4回目の開催となる今年は、『「縮災」 意識の最大化で災害リスクの最小化をもたらす』がテーマ。研究者の講演はもちろん、地震、津波、水害対策を中心に、全国から109点・約500もの最新技術や製品が一堂に会するイベントです。
番組では、キャスター2人が、それぞれ気になる最新防災情報を紹介。野村朋未キャスターは、最新の「非常食・防災食」をレポートします。学校給食の栄養士が作ったノンアレルギーのカレーやスープ。手を汚さずに食べられる「カップケーキ缶詰」など、その美味しさに思わず舌鼓を打ちます。何より、湯せん等をしなくても、「そのまま食べられる食品」が多いのが、最近の傾向だそうです。
一方、千葉猛アナウンサーは、「災害トイレ」を取り上げます。水害で1週間水没しても使用できる耐水トイレ。更には、し尿を分離することで病原菌を封じ込め、衛生的に臭いを防ぐ画期的な技術にも驚きました。
ただ単に「備蓄」するだけでなく、災害時を想定し、一歩先を進む製品と、それを開発した人たちの思いを、お伝えします。
 
野村朋未のひとこと
非常食やトイレなど防災用品は、かなりのスピードで進化していました。
災害のたびに課題が明らかになり、要望が開発にも活かされているようです。
食品では「長期保存」はもちろんのこと「おいしく手軽に安心して食べられる」うえ、パッケージも工夫がされていて選ぶのが楽しいくらいです。
みなさんも好みのものを探してみてはいかがでしょうか?

第1068回「近畿・日本海側の大地震のリスクを知る」
電話出演:東京大学地震研究所 教授 佐竹健治さん

今月17日、関西電力は高浜原子力発電所4号機(福井県高浜町)を再稼働しました。来月には高浜原発3号機が、10月には大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が再稼働する予定です。
近畿地方北部に接する福井県の若狭湾沿岸には14基の原子力発電所が集中しています。東日本大震災によって引き起こされた福島第一原発事故のような事態が、若狭湾周辺でも起きてしまうことはないのでしょうか。近畿北部を震源とする大地震は、過去にも発生しています。中でも、若狭湾沿岸で1586年に起きた天正地震では、「地震のあと、大津波で町が壊滅した」などの史料が残っています。しかし、どこにどのくらいの高さの津波が到達したのかは、はっきりと分かっていません。
近畿地方の日本海側では、過去にどのような大地震が起きていたのか、また、今後、どのような大地震の発生が考えられるのか、東京大学地震研究所の佐竹健治教授に聞きます。
 
千葉猛のひとこと
今回は「近畿トライアングル」という怖い言葉が印象に残りました。近畿は活断層の多さで注目されていたのですね。さらに日本海側、若狭湾周辺にも野坂断層、熊川断層、三方断層など数多くの断層があるというお話は「日本海側には大きな地震は少ないのでは」という根拠のない思い込みを一掃してくれました。


第1067回「路地の町の防災〜京都・東山区」
ゲスト:六原まちづくり委員会 菅谷幸弘さん

京都市東山区の六原学区は、清水寺と鴨川にはさまれたエリアで、平家一門の邸宅や六波羅探題が置かれていた歴史ある町です。車が通れないような細い道の両側に、古い木造家屋が立ち並び、袋小路の奥にも住居があります。地震が起これば、倒壊した家屋や塀が路地をふさぎ、避難や救助が難航するおそれがあります。
住民たちでつくるまちづくり委員会では、学区内にある約90本の路地や小路に名前をつけ、その名前を書いた銘板を、道の入り口に取り付けています。「ののさん小路」「狸小路」「てっちゃん路地」など、ユニークな名前が並びます。「路地」は通り抜けできない道、「小路」は通り抜けできる道です。この名前は消防や警察のシステムにも登録され、位置の説明が容易になりました。「路地に名前をつけることで地元に愛着がわき、住民の防災意識も高まるんです」と、まちづくり委員会の委員長・菅谷幸弘さんは話します。
六原学区では、路地を隔てる塀を撤去して避難扉に変え、通り抜けができるようにしたり、「トンネル路地」といわれる屋根のついた路地の耐震性を高める工事をしたり、防災に関するさまざまな取り組みをしています。京都らしい路地の風景を残しながら、災害にどう備えるか、菅谷さんをゲストに招き、お話を聞きます。

野村朋未のひとこと
「通りに名前をつける」ということで、住民同士が集まって話し合ったり、土地のことを知ったり、人と人のつながりが出来たりと、防災への自然なアプローチになっていました。
今後この取り組みが浸透し、どう広まって深まって行くのか、大変楽しみです。

第1066回「災害時のデマに惑わされないために」
ゲスト:東京大学 総合防災情報研究センター 特任准教授 関谷直也さん

災害が起きると情報を受け取りにくい状況に陥るため、人々は不安になり、根拠の無いうわさやデマが飛び交います。近年は、インターネットのSNSやメールを介して、デマが拡散するスピードも速くなりました。
昨年4月に発生した熊本地震では、「地震のせいでうちの近くの動物園からライオンが放たれた」というデマの投稿が写真付きでネット上に出回り、被災地の動物園が問い合わせの対応に追われました。また、「次は、何月何日、どこに大地震がくる」「外国人窃盗団が被災宅に侵入している」という根拠のないうわさは、大災害発生時に必ずと言っていいほど出回ります。
東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センターの関谷直也特任准教授は、「災害時に出回るデマにはパターンがある。それを知っておくことが大事」と話します。関谷准教授をゲストに迎え、災害時のデマやうわさに惑わされないために必要なことを聞きます。
 
千葉猛のひとこと
大災害が起きた時に流れるデマは、なくなることはないけれど、3つのパターンがあります。それぞれを知っておいて自分で考え判断し、デマを広げないことが重要です。「流言は智者で止まる」と関谷さんは話していました。普段から知識を備え、災害の混乱を減らすためにもぜひ「智者」になりたいものです。

第1065回「もし、ドライブ中に災害に遭ったら〜水害編」
ゲスト:一般社団法人「日本自動車連盟(JAF)」大阪支部ロードサービス隊
    平井寛稔さん

車で出かけることが多くなる行楽シーズン。いつ起きるかわからない災害は、ドライブ中に遭遇するかも知れません。今回の番組では、とりわけ、これからの季節に増える大雨での災害について、車を運転中に遭遇した場合の対処法を考えます。
大雨の際は車で移動したくなりますが、道路に水が溜まり始めると車での走行が困難になります。運転席からは道路の水位が測りにくく、危険を感じた頃には車が動かなくなることがあります。車は、ある程度の浸水に耐えられるように設計されていますが、30cmを超えるような浸水深になると、エンジンが停止して立ち往生する恐れがあるのです。また、危険を察知できずに冠水したアンダーパス(立体交差で掘り下げ式の道路)に進入し、車内に取り残されて死亡した例もあります。
このような危険にさらされないために、どんなことに気をつければよいのでしょうか。また、万が一、冠水した道路で車が立ち往生してしまった場合、どう対処すればよいのでしょうか。車のロードサービスを行う、一般社団法人・日本自動車連盟(JAF)の平井寛稔さんをゲストに迎えてお話を聞きます。
 
JAFホームページ「もし災害が発生したら」
http://www.jaf.or.jp/bousai/index.htm
 
野村朋未のひとこと
「車の中にいると身を守れる」と思いがちです。
車内に浸水することなどなかなか想像しづらく、それゆえに「いざ」という時に気が動転して、適切な行動がとれなくなります。
きちんと備えて知っておくことで、安心して車に乗ることが出来ますね。
千葉アナウンサーも、車載ハンマーを買いなおしているはずです!

第1064回「子どもと一緒に“おいしい防災”」
ゲスト:一般社団法人「おいしい防災塾」代表 西谷真弓さん

5月5日は子どもの日です。先月発足したばかりの一般社団法人「おいしい防災塾」代表・西谷真弓さんに、「ゴールデンウィークに子どもと一緒に防災を考える」をテーマに、お話を聞きます。
西谷さんは、阪神・淡路大震災の発生時、神戸市垂水区に住んでいて、避難所の子どもたちを元気づけようと移動式の駄菓子店を開きました。子どもたちの表情がみるみる明るくなったその経験から、「お菓子は笑顔の元」と感じ、親子で「お菓子防災リュック」を作る活動を開始。これは、いろいろな種類のお菓子を、ビニール袋やテープでつなげて完成する“子どもによる子どものための防災リュックサック”です。
自分でリュックサックを作り、災害時は背負っていくという役割を与えることで、子ども自身が防災を考えるきっかけとなります。また、「お菓子ってどこで食べるの?避難所ってどこにあるの?」と、知らず知らずのうちに、家族で防災や避難について話し合うことにもつながります。「身構えた防災ではなく、楽しみながら、いつの間にか備えができていることが理想」と語る西谷さんの、子どもへの思いや災害への備えについて聞きます。
 
★一般社団法人「おいしい防災塾」問い合わせメールアドレス  
 oishi.bosai[at]gmail.com  ※[at]を@に変えて送信してください。 
 
千葉猛のひとこと
「防災ポシェット」私も実際に作りました。作り方に個性が出て、大人でも楽しかったです。首にかけて社内を歩いてみたら「それ何ですか?」と声をかけられ「子どもの防災意識を高めるものでっせ」と説明。注目度抜群でした。幼稚園や保育所などで作ってみたら子どもたちの防災意識がきっと高くなると思います。

第1063回「熊本地震1年〜バリアフリー型仮設住宅の今」
電話出演:バリアフリー型仮設住宅の住民 作本誠一さん
電話出演:「熊本障害フォーラム」事務局長 日隈辰彦さん

去年11月、熊本県益城町に「バリアフリー型の仮設住宅」が6戸完成しました。障害がある人の意見を建設段階から取り入れて建てたもので、個別住宅タイプとしては全国初の取り組みです。車いす利用者にも使いやすいよう、入り口の幅を広げて段差を無くし、戸口はすべて引き戸にしました。また、電気のスイッチは低い位置に設置され、トイレや浴槽には介助者用のスペースも設けられました。
ただ、完成までに地震から7か月という長い期間を要したうえ、6戸という戸数も十分なものとはいえません。設備についても、個別の状況に応じて、まだまだ改善点が多いのが現状です。障害がある方はどのように感じているのでしょうか。このバリアフリー型仮設住宅で暮らす作本誠一さん(50)に、その住み心地と改善点などをお伺いします。また、障害者の支援活動に取り組む「熊本障害フォーラム」の日隈辰彦事務局長には、バリアフリー型仮設住宅のこれからの課題についてお話いただきます。
 
野村朋未のひとこと
バリアフリーと言ってもどんな障害があるかで必要なことは違うようです。今のバリアフリー型仮設は、まだまだ「最低限の生活ができるレベル」だということでした。バリアフリー型仮設のスタンダード化が、これからの高齢化社会や災害に有効な備えになるのではと思います。