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上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 ＭＢＳラジオ
｢上野誠の万葉歌ごよみ｣ |
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| 【2025年10月4日 放送分】 |
2025年10月4日 |
【巻】…13・3356
【歌】…富士の嶺のいや遠長き山路をも 妹がりとへば 日に及ばず来ぬ
【訳】…富士の嶺の長い長い山道でも恋人の所にと言うならば日を置かずにやってきた
【解】…先週は筑波山を取り上げましたが、今回は富士山の歌を詠みました。妻問婚とい
うのは、男性が女性の元に足を運ぶという意味です。この歌は想いを寄せる妹に会うため
果てしなく遠い道のりを乗り越えていく…それも日も置かずに。というものです。上野先
生が言うにはこれは比喩ではなく、実際に行っていたのではないかという解釈でしたが、
ただ少し話を盛っているかもしれないということです。盛っていたとしても相手の好きな
気持ちは伝わってくる歌ですね。
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| 【2025年9月27日 放送分】 |
2025年9月27日 |
【巻】…14・3351
【歌】…筑波嶺に雪かも降らる 否をかも かなしき子ろが 布干さるかも
【訳】…筑波嶺に雪が降ったのかなぁ いや、そうじゃない 布を干したのかなぁ
【解】…今回は論争になった歌を詠んでいきました。筑波山に「雪が降ったのかな」と
いう考えと「布を干して白く見えている」に意見が分かれた歌だそうです。上野先生がお
っしゃるには「愛しいあの子がシーツのようなものを干している様子を大げさに歌った」
と考える方が腑に落ちるのだそうです。皆さんはこの歌をどんな風に考えられますか？
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| 【2025年9月20日 放送分】 |
2025年9月20日 |
【巻】…14・3352
【歌】…信濃なる須賀の荒野に ほととぎす鳴く声聞けば 時すぎにけり
【訳】…信濃にある須賀の荒野にホトトギス鳴く声聞けば時が過ぎてしまったなぁ
【解】…今回は当時、長野県の人はホトトギスの鳴き声をどのように聞いていたのか？という歌を詠みました。鳴き声の聞こえ方は、日本と他の国では聞こえ方が異なるというのを小学生の頃に学んだ記憶があります。日本の人は刷り込みで「ホーホケキョ」と耳で認識しがちですが、実際に「ときにすぎにけり」なんて聞こえるのかもしれません。普段の生活の中では気にとめない鳥の声をじっくり聴いてみるのも良いかもしれませんね。
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| 【2025年9月13日 放送分】 |
2025年9月13日 |
【巻】…13・3315
【歌】…泉川渡瀬深み わが夫子が 旅行き衣 ひづちなむかも
【訳】…泉川の渡し場が深いので 私の夫の旅行き衣が濡れてしまうかなぁ
【解】…今回は、家族の幸せって何か？という歌を詠んでいきました。泉川の渡し場まで水深があるので、夫の旅衣が濡れてしまう…という歌です。もし馬で渡れたなら衣を濡らさずに行けるから、私の母からもらった財産を売って馬を購入してあげたいと夫のことを思いやる気持ちが含まれています。
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| 【2025年9月6日 放送分】 |
2025年9月6日 |
【巻】…13・3308
【歌】…天地の神をもわれは祈りてき 恋とふものは さね止まずけり
【訳】…天地の神にも私は祈った 恋というものはそれでも少しもやまないものだ
【解】…今回も恋にまつわる歌を詠んでいきました。恋をする時は少し自分に自信がある時、ちょっと支えが必要な時が多いのだとか。万葉の時代は、恋は「恋の病」と捉えられ、悲しみをもたらしたりするものだったそうです。ただこの歌は、天地の神様に祈ったけれども、恋は少しも止まなかったという歌です。いつの時代もどんなことをしても恋は止められないものなんですね。
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