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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2016年5月21日 放送分】 |
2016年5月21日 |
【巻】…10・2305
【歌】…旅にすら帯解くものを 言繁(ことしげ)み丸寝わがする 長きこの夜を
【訳】…旅ですら帯を解くものなのに、ひどいひどい噂で、帯も解かずに独りで寝ている長いこの夜を
【解】…古代の旅は大変に苦しいものだったというのは、これまで何度かお伝えしておりますが、その旅より苦しい・・というのが今回の歌です。旅で辛いのは、帯を解かずに旅装束のまま寝なければないこと。でも、ごくたまには役人用の宿舎等で帯を解いて寝ることは出来ますが、歌の作者は、旅をしていないのに帯を解けないとのこと。その原因は噂です。本来なら、恋人と一緒に寝ているはずなのに、ひどい噂が広がって共にいることができず、孤独な夜を辛い気持ちで過ごしているのです。どういった噂だったのかは、はっきりしませんが、当時は、結婚が許されるかどうかも噂が大きく影響していたため、作者は「噂くらい」と無視することができなかったのでしょう。それにしても、苦しいことの例えとして旅が出てくるのは、それだけ旅の辛さは誰もが感じていたことなのでしょうね。
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