|
|
|
|
|
|
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
|
|
|
|
|
|
【2016年7月9日 放送分】 |
2016年7月9日 |
【巻】…7・1278
【歌】…夏影の房(つまや)の下に衣裁つ我妹(わぎも) 裏設けてわがため裁たばやや大(おほ)に裁て
【訳】…夏木立の妻屋の下で服地を裁っている我妻よ、心づもりして裁つならば、やや大きめに裁ってくれ・・それって俺のじゃないよね
【解】…季節は夏。木立の影に妻屋があって、その屋外で女性が夫の衣服を裁断しています。その女性に男性が声がけした内容を歌にしたのがこの作品。「我妻よ」と言うくらいですから、夫が呼びかけているのかと思いますが、「裁つならやや大きめに裁ってくれ」というのは実は矛盾した言葉。なぜなら、妻は夫の服のサイズはちゃんと分かった上で裁断していますから、やや大きめに作ってくれなどと言われることはまずありません。つまり呼びかけているのは、夫ではなく、偶然通りかかったような男性で、夫のために一所懸命、裁断している女性に「それって、俺のために作ってくれているんだろう?だったら、大きめに作ってくれよ」と、からかっているのです。 番組は今回の放送で900回になりました。お聴きくださっている皆様、心より感謝しております。今後とも「上野誠の万葉歌ごよみ」をどうかよろしくお願いいたします。
|
|
|
|