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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2017年4月22日 放送分】 |
2017年4月22日 |
【巻】…1・67
【歌】…旅にして物恋しきに 鶴(たづ)が音も聞えざりせば恋ひて死なまし
【訳】…旅にして人恋しさに鶴の音も聞こえてこなかったら、恋しくて恋しくて死んでしまう
【解】…万葉集で旅の歌を集めてみると、殆どが苦しいという内容になっています。それは、交通手段が未発達で常に危険が身近にあるということ、そして、今のように通信手段がないため、大切な人と長期間の別れを伴うから。この歌も、そんな旅の苦しさを詠んでいます。作者は高安大島。旅の途中で大変な静寂に包まれ、耐え難い孤独感が襲ってきたのでしょう。鶴の声でも聞こえないと、寂しくて死んでしまうとまで表現しています。でも、鶴の声が聞こえたら聞こえたで、やはり寂しさは募ったのではないでしょうか。現代と古代では、これだけ旅模様が違うのですね。
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