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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2017年6月10日 放送分】 |
2017年6月10日 |
【巻】…9・1680
【歌】…麻裳(あさも)よし紀へ行く君が 真土山(まつちやま)越ゆらむ今日ぞ雨な降りそね
【訳】…紀の国へ行くあなたが真土山をこえてゆくであろう今日の日は、雨よ降らないでおくれな
【解】…日々の暮らしで、暑い寒いは当然気になりますが、雨が降るかどうかも大きな関心事のひとつ。特に古代は、交通事情が悪かったため、雨が降ると川を渡れなかったり、山を越えられなくなったりと、大きな影響を受けました。ですから、万葉集には、旅行く恋人の道中、雨を気遣う歌を詠んだものが少なくありません。この作品もその一つ。行幸で紀の国まで行くことになった恋人は、真土山を越えなくてはいけませんが、ただでさえ険しい場所があるのに、雨が降るとなおさら大変になります。「真土山を越える今日だけは雨よ降らないでおくれ」と、祈るような思いを歌にこめているのです。
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