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「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2018年2月3日 放送分】 |
2018年2月3日 |
【巻】…8・1451
【歌】…水鳥の鴨の羽色(はいろ)の春山の おほつかなくも思ほゆるかも
【訳】…水鳥の鴨の羽の色は青、青といえば春の山、 春の山にかかる霞ではないけれど、 ぼんやりしていてあなたの気持ちを見極めることができない
【解】…この歌は笠女郎が恋心を抱いていた大伴家持に贈った歌です。 鴨の羽色とは灰色にもグリーン、青にも見える。 春山とは春の山の緑のこと。 おほつかなくとは、ぼんやりとしてはっきりしないという意味です。 大伴家持は、笠女郎が自分に一方的に恋心を抱いていることを知り、笠女郎を避けるようになります。その後、笠女郎はその後お里へ返されてしまいます。 おほつかなくも思ほゆるかもとは、あなたは私を好きなのか嫌いなのか、はっきりしてくださいよ、あなたの今の状況は春の山にかかっている霞のようですよという意味です。 恋というものは気持ちにゆとりができないとできないものでもあり、一方で、ゆとりをなくすものでもあります。 相手の気持ちを知りたいという恋心を春山で例えるという古代の人の想像力の豊かさを感じさせてくれる歌です。
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