ライオンケミカル工場見学

銀粒仁丹の製造工場を
福島暢啓アナが徹底調査!

大礼服マークでおなじみの仁丹。
「おじいちゃんやおばあちゃんが飲んでいた」という方や、最近ではお笑いタレントが好んで使用している商品として
メディアで見られた方も多いのでは?
仁丹は明治38(1905)年生まれの丸薬で、
現在も口中清涼剤として幅広い年代に
使用されています。
仁丹はどんな風に作られているのか?
枚方市にある
「森下仁丹株式会社 大阪テクノセンター」を
福島暢啓アナが徹底調査してきました!

仁丹とは?

仁丹は、16種類の生薬を小さく丸めた口中清涼剤。
明治38(1905)年の発売当初、万病に効果があって飲みやすく、携帯・保存にも便利だととても評判で、その後2年で日本一の売薬となったそうです。
現在は銀箔でコーティングした「銀粒仁丹」が医薬部外品として販売されています。
1回の目安量は10粒。
口に含むとミントタブレットのように口と気分を爽やかにするほか、口臭、二日酔い、宿酔、胸つかえ、悪心嘔吐、溜飲、めまい、暑気あたり、乗り物酔いの効果・効能があるそうです。

森下仁丹
大阪テクノセンター

「大阪テクノセンター」はJR津田駅から車で約10分、オンリーワンの技術を持つ企業の研究・商品開発施設が建ち並ぶ
津田サイエンスヒルズ内にあります。
ここでは、銀粒仁丹の製造と充填・包装作業のほか、ビフィズス菌などの研究も行われています。

工場見学スタート!

「大阪テクノセンター」は、充填・包装作業を行う「準清潔作業区域」と、銀粒仁丹などの製造を行う「清潔作業区域」に分かれています。
作業区域ごとに衛生管理基準が決められており、それぞれの作業区域を移動する際には作業服を着替える必要があります。
特に衛生管理が徹底されている「清潔作業区域」はチリやほこりがほとんど発生しない環境になっており、「花粉症知らず」とも呼ばれているんだとか!?

製造風景を調査しに行くために、まず青い作業服に着替え、35秒の手洗いとエアシャワー、粘着テープクリーナーで服のほこりなどを取った後、「準清潔作業区域」へ入ります。
そこからさらに進むとまた更衣室があり、今度は微生物汚染をできる限り防止する目的で白い作業服に着替え、
厳しい衛生基準をクリアできる装いになったら、いよいよ 銀粒仁丹を製造している「清潔作業区域」です。
いざ、練合・製丸室へ!

Point!
廊下から練合・製丸室に入った瞬間、仁丹の爽やかな香りが!
廊下ではまったく香らなかったのに?
これは練合・製丸室よりも廊下の気圧を高くすることで、空気が廊下から製造室に流れるようになり、
練合・製丸室内の香りが外に漏れないんだとか。
工場周辺への気遣いもバッチリです!

まずは生薬を練る!

銀粒仁丹は大きく分けて、「練合」「製丸」「乾燥」「整粒」「銀箔コーティング」の5つの工程から作られています。

最初の「練合」の工程では、液状の甘草に、ジャガイモやトウモロコシからできたでんぷんのりを混ぜ合わせて作った
わらびもちのような素材に、様々な生薬からなる未成粉と香料などを加えて機械に入れて練りあげます。
これで、銀粒仁丹のベースが完成!

このベースを押し出し装置に入れて、板状に伸ばしていきます。

続いて丸く成形!

次は丸い粒に成形する「整丸」の工程。
板状になったベースを、製丸機に入れて小さな丸い粒にしていきます。

製丸機は全部で5台。
手作業で行っていた頃の熟練の技を再現してくれる機械で、メンテナンスしながら大切に使っているのだとか。
成形にかかる時間は、板1本分で約25分。
たくさんの突起がついた金属の棒で板状のベースから削り出された小さなかけらが、製丸機の細かく振動する2枚の板の間を
もまれながら転がされていく内に丸くなっていきます。
出来上った直径2ミリほどの粒はピッカピカです!

4日間にもわたる乾燥

次は乾燥の工程です。隣にある乾燥室に入った瞬間、 目にも鼻にもツーンとしたメンソールの刺激が!
福島アナもこの刺激にはびっくりしたようです。

乾燥室は常に一定の温度と湿度に保たれています。
粒同士がくっつかないように手で優しく混ぜながら、4日間掛けて乾燥していきます。
この間、乾燥が進むにつれて仁丹の苦みも増していくのだとか。

最後は職人技が光る
「銀箔コーティング」

最後の工程では銀箔をコーティングしていくのですが、その前に粒の選別(整粒工程)があるんです!

Point!
銀箔コーティングされて完成品となれるのは、
規定のサイズと丸さを持った選りすぐりの粒だけ!
粒の大きさを選別する機械や粒の形を選別する機械、
金属を検出する装置にを順に通します。

厳しい品質管理を経た粒だけが、次の銀箔コーティングの工程に移ります。
粒はこのままだと表面がサラリとし過ぎていて銀箔がくっつかないので、水などを加えて銀箔がうまく貼り付く乾燥度合いになるまで待ちます。

粒が乾燥しきらない絶妙のタイミングで、銀箔を投入。
投入してからも攪拌を機械任せにせず、熟練した作業員さんがすごい勢いで粒と銀箔を混ぜ合わせます!

Point!
この粒の乾燥度合いを測るのは、作業員さんの目。
また、銀箔が貼り付くギリギリの水分量にするため、
銀箔投入後は作業員さんが自分の手で早く混ぜ合わせないとうまく貼り付きません。
職人技が必要とされる一連の作業には、
経験を積んだ社員さんが当たるのだとか。

この後、銀の色合いをチェック。

Point!
銀箔をコーティングするのは、空気に触れないようにすることで成分を保つためと、銀が持つ抗菌作用を利用するため。
長持ちさせるための仕様を追求する姿勢も、明治時代に懐中薬として 生まれた仁丹ならではですね!

これで、銀粒仁丹の完成です。
1粒を作るのに8日間かかるのだとか。
銀粒仁丹は、厳しい品質管理のもと、丁寧に作られているんですね!